県立中央博物館 トピックス展「利根川の高瀬船(たかせぶね)」
発表日:令和7年10月8日
県立中央博物館
県立中央博物館(千葉市)では、トピックス展「利根川の高瀬船」を開催します。
かつて利根川は北関東一円と江戸、銚子を結ぶ水上交通の大動脈として重要な役割を果たしており、陸上交通にその役目を譲る昭和初期まで大小さまざまな川船が行き交っていました。舟運(しゅううん)の発達は醸造業など流域の産業発展を促し、問屋や蔵が立ち並ぶ河岸(かし)には多くの物資や人が集まっていました。
本展示では、利根川中下流域の水運を伝える資料として、今年3月に国の登録有形民俗文化財となった「利根川中下流域の川船及び関連用具」の中から、国内最大級の川船であった「利根川の高瀬船」についてご紹介します。
開催日時
令和7(2025)年10月11日 (土曜日)
から令和7(2025)年12月7日 (日曜日)
開館時間:午前9時から午後4時30分(入館は午後4時まで)
休館日:月曜日(月曜日が祝休日の場合は翌平日)
開催場所
内容

葛飾北斎 富嶽三十六景 常州牛堀
(県立中央博物館大利根分館蔵)※パネル展示

利根川高瀬船5分の1模型(国登録有形民俗文化財)
(県立中央博物館大利根分館蔵)
国登録有形民俗文化財「利根川中下流域の川船及び関連用具」
県立中央博物館、大利根分館、県立関宿城博物館では、利根川の中下流域において水運や生活に用いられた川船と、船の操作や修理・製造などに使われた用具、造船や船大工の信仰に関する古文書等の収集を行ってきました。この3館が収蔵する資料656点が、令和7年3月に「利根川中下流域の川船及び関連用具」として登録されました。本資料は、高度経済成長期以前の利根川中下流域の水運を今に伝える貴重なものです。
本展示では、このうちの50点を展示します。
展示構成
利根川の水運
治水のための付替により、水運に適した河川になった利根川。高瀬船の航路や船上の生活、大量輸送が可能にした産業などを紹介します。
【主な展示資料】船箪笥(ふなだんす)、帳簿箱、お櫃(ひつ)、そろばん等

お櫃(ひつ)、そろばん(国登録有形民俗文化財)
(県立中央博物館大利根分館蔵)
高瀬船の姿
模型や船体部材(舵(かじ)や帆(ほ)、滑車など)から国内最大級の川船とされる高瀬船の構造を解説します。
【主な展示資料】舵、帆、滑車、碇(いかり)、利根川高瀬船の模型(実物の5分の1)等

滑車(かっしゃ)(国登録有形民俗文化財)
(県立中央博物館大利根分館蔵)
高瀬船の船大工
板同士を接合するための船釘(ふなくぎ)や、板の隙間からの水漏れを防ぐためのマキハダ詰めの道具など、船の製作に使われる道具とその技術を紹介します。
【主な展示資料】船大工の道具(鋸(のこぎり)、鍔鑿(つばのみ)、船釘等)、造船に関する文書等

鍔鑿(つばのみ)(国登録有形民俗文化財)
(県立中央博物館大利根分館蔵)
高瀬船をめぐる願い
安全運航を願う船頭の信仰を集めた「あんば様」、船大工の信仰を通じた同業者の結束を紹介します。
【主な展示資料】神棚、守護札等

神棚(かみだな)(国登録有形民俗文化財)
(県立中央博物館大利根分館蔵)
関連行事 ミュージアムトーク
担当学芸員による展示解説を行います。
日時 10月19日(日曜日)、11月15日(土曜日)、 12月6日(土曜日)各日とも午前11時00分から午前11時30分、午後2時30分から午後3時00分
参加費 無料(別途入場料が必要です)
費用
入館料 一般300円、高校生・大学生150円
※中学生以下・65歳以上・障害者手帳等をお持ちの方とその介護者1人無料
※11月3日(月曜日・祝日)文化の日はどなたでも無料
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