新科・新属・新種のイソギンチャクを発表 -海の中に屹立(きつりつ)する富士山!?-
                                                                                            発表日:令和7年8月5日
 県立中央博物館
 
 
  
   
   
     県立中央博物館 分館海の博物館(勝浦市)の柳研介(やなぎけんすけ)主任上席研究員が一員となっている研究グループは、駿河湾・相模湾等から採集された異形のイソギンチャクを、新科・新属・新種として発表しました。その外見から「ウミノフジサン」と名付けられた本種は、イソギンチャクの中でも極めて珍しい形態を多数有しています。この成果は、本年6月19日付の国際学術雑誌 Diversity誌で公開されました。 
   
 
    
   
  

 
新種として発表されたウミノフジサン(右上)。論文HPより。
 
研究グループ(連名順)
 
 
  
   
   
     泉 貴人(いずみたかと)(福山大学生命工学部海洋生物科学科) 
   
 
    柳 研介(やなぎけんすけ)(千葉県立中央博物館 分館海の博物館) 
   
 
   
     幸塚 久典(こうづかひさのり)(東京大学大学院理学系研究科附属三崎臨海実験所) 
   
 
    
   
  
掲載誌・論文タイトル
 
 
 掲載誌 Diversity(国際学術雑誌), 17(6), 430.
 論文タイトル Mt. Fuji in the Ocean-Description of a Strange New Species of Sea Anemone, Discoactis tritentaculata fam., gen., and sp. nov. (Cnidaria; Anthozoa; Actiniaria; Actinostoloidea) from Japan, with the Foundation of a New Family and Genus.
 リンク先 (英文ページ)
(英文ページ)
 
  
当館職員の役割
 
 
 
   標本の採集、標本の観察、組織学的検討、原稿の執筆(担当部分)。 
 
 
  
  新種「ウミノフジサン」について
 
  
    今回発表したイソギンチャクは、イソギンチャクの中でも極めて珍しい形態を多数有し、今まで知られていたイソギンチャクのどの科にも属さないことから、新科・新属・新種※1として発表しました。ユニークな形状と採集場所にちなみ、「ウミノフジサン」という名前にしました。 
  
 
  
    ※1 生物の分類単位の「種」の一段階上のまとまりを「属」、その上のまとまりを「科」という。 
  
 
  
      
  
 
  
    【特徴的な点】 
  
 
   
   - 通常のイソギンチャク類で6対12枚あるはずの完全隔膜と呼ばれる隔膜が、本種では10枚しかない。※2
- 3つ組の触手が最大6組あり、触手の生えない場所がある等、イソギンチャクとしては極めて異質な形態を持っている。
- 収縮すると体は非常に扁平で中央にかけて徐々に盛り上がり、横から見ると富士山の姿を連想させる。
    ※2 イソギンチャクの体の内部は、2枚で1対となる隔膜が多数配列することにより区分されている。 
  
 
   
 本件に関する問い合わせ先
 
  
                  
                                          
                                                          
  
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