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更新日:令和4(2022)年11月29日

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第3回議事録:後半(「障害のある人に対する情報保障のためのガイドライン」改定のための会議)

(司会)
司会の川口です。それでは再開させていただきます。次に平下委員からお願いいたします。

(平下委員)
千葉県中途失聴者・難聴者協会の平下です。本日は遅れまして大変申し訳ありません。失礼しました。
今日、私が少し遅れてしまったのは、ある市の一般市民の方に筆談の仕方、例えば御家族に難聴の方がいらっしゃる、あとは介護施設にお勤めの方等、10名弱でしたが、市のほうから募集していただき、4回に分けて、筆談を、まずは御家族から、家庭からと。差別解消法ができましたが、そういう配慮、どうしたらコミュニケーションが取れるかということを、私たちの団体としては、一般の方に、まず筆談からということで活動していまして、午前中そのような活動をしていました。それで遅れてしまいました。
私たちはやはり中途失聴者で、途中で片耳、両耳が聴覚障害者のレベルになっている方もいますし、まだそこまでいかない、いわゆる補聴器を使い始めるのは30デシベルぐらいからはそろそろ聞こえにくくなっていますから、そういう方々も会員になっています。情報保障ガイドラインということで、あくまで聴覚障害者ということでしたが、やはり差別解消法というのは「障害のある方」という考えになりますと、そういう障害者に限らず障害を持っている、先ほどもいろいろな障害のお話がありましたが、県民の方の中にそういう、軽いといっては語弊がありますが、聞こえにくくなっている方はかなりの割合でいる、その中でまずは自分たち家族から、そういう筆談からそういうコミュニケーションの取り方を覚えていただいて、それを会社ですとかいろいろな社会の場で広げていくような活動をしています。それを踏まえて、私たちの団体としての意見を2ページ分書かせていただきました。
その中ではやはり手話の問題が一つあります。今日もその話が出たのですが、見えて話せると、なぜ聞こえないの、と言う一般の方の話がよく出てきます。社会では見えて話せると、「そうなの?」「聞こえないの?」「本当?」ということを言われるというのが、今日も一般の市民の方からお話が出ました。そういう面ではやはりろう者の方の手話もそうですし、中途失聴者のための手話というのを広めていっていただきたいと思います。それからどうしても必要になりますのは、今、OHPは古くなりましたから、機械的にはほとんどOHCになっていると思います。OHCには必ずプロジェクタがつくわけですね。今必ず、仕事でもそれ以外でも、パソコンにプロジェクタを使っていろいろな場面で会議をするというのはあるかと思いますが、どうしても情報保障としてOHCとプロジェクタはセットですから、必ずそれを用意していただきたい。後の話と重なりますが、最後に防災のところでまた話が出るかと思いますが、そういうのがあります。
それから、4ページの下の方に書いてありますが、例えばこういう部屋の会議の場合に、マイクを使うと難聴の方も聞こえます。ある市で、いろいろな障害のある方の相談員の方の会合がありました。20名、30名くらいいたでしょうか、部屋はもう少し狭かったのですが、マイクがありませんでした。それで、他の市でも同じではないかと思いますが、高齢の方が多いですね。私が若くて2番目くらいだったと思います。他の方は70代、80代くらいの方が多かったと思います。やはり会議の終わりの時に、会長さんが言っていましたが、「すみませんがこれからはマイクを用意してください」と。相談員それぞれの発言が聞こえない。どうしてもマイクがないと声が通りませんから、まず相談員の方にお話が通じていない。そういうこともありました。ですから、そういう会議での配慮ということですね、必ずこれを入れていただきたいということです。
次の5ページの機械のことは、今新しい情報機器が年々出てきています。10月上旬にビッグサイトで国際福祉機器展があります。私たちも毎年参加していますが、新しい情報機器というのはどんどん出ていますから、やはりそれを公的な場で取り入れてほしいということもいくつか挙げさせていただいています。一つは、一番上に書いてあるコミューンというのは難聴者向けです。テレビとか新聞で取り上げられてもいます。新聞に載ったのは、銀行です。銀行の窓口の方がそのマイクを使って、難聴者の方に直接スピーカーが向かうような形ですね。難聴者の方は聞こえにくくなっていますが、自分の声も聞こえにくくなっていますから、声の調整がだんだん難しくなってくる。そうするとプライバシーがなくなってくるわけですね。銀行の中で大声を出すようになりますから。そういう面ではやはりこういう機械を使っていただけるとプライバシーには大変よろしいかと思います。あと、スマートフォンですが、スマートフォンは確かにどんどん普及しています。ただ、問題は金額のほうですね。毎月の通信料が高いとなると、普通の会社勤めの方ならいろいろ調整できるかもしれないですが、そうでなくてこれからは高齢者になって、定年退職した方等が多いわけですね。特にこういうスマートフォンの機能を使いこなすにしても、やはりその金額的に生活がさらに苦しくなるということではおかしいですから、こういう配慮というのを考えていただくということもお願いできないかなと思います。それから、機器の最後にライブトークというのがあります。これは北区の区議会議員の方が聴覚障害者で、その方が議員になったことでこのライブトークというのはかなり有名になりました。難聴者の団体でも会議で使ってみてテストをしているというのがあります。ただ、全部完全ではありませんが、やはりこういうシステムを使って、どなたが発言している、どういうことを発言しているということを文字で確認もできるわけですから、これも、すべてがよろしいわけではありませんが、場合によってはかなり活用できるシステムではないかなと思います。ただ一般的にはさすがに金額が高いですから、はい、すぐ導入というのは難しいかと思いますが、広まってくればコストも下がるのではないかと私たちの団体では期待をしております。
それから最後になりますが、これは災害訓練のことです。ここに記載しているのは昨年参加したときの感想です。8月の最後の日曜日に市の防災訓練がありました。今回は初めて要約筆記がつきました。野外での訓練は、ホワイトボードに書いていただきました。それが、はじめのあいさつ等が終わってからは、それぞれにノートテイクをつけていただいて、いろいろな防災の体験をいたしました。それから第二会場に避難も一緒に行って、今度は避難所体験を実施しました。避難所には要支援者のブースがあって、そちらのほうに配置されて待機をしました。そこからは去年とほとんど同じです。意見は申し上げたのですが、よかったのは体育館に要約筆記でOHCプロジェクタで情報を映し出しました。したがってそれを見ることで、今どういう話が進んでいる、どういう状態であるというのを理解できました。一般の市民の方、避難訓練に参加された方は、今回初めて要約筆記を御覧になったと思います。声がマイクで通る場合もありますし、体育館の中は広いですし、話し声もしていますから、全部の方が分かるわけではありません。こういう文字で書くことは必要だなと、一般の方にも市の方にもわかっていただいたんじゃないかと思います。その辺は、去年の参加の状態とは雲泥の差でした。
ただし、これは課が違ってしまうかもしれませんが、要支援者という枠の中にいろいろな障害のある方が一箇所に集まります。私たち聴覚障害者もそうですし、視覚障害のある方、車いすで避難訓練に参加された方もいます。まず訓練ですからその訓練を主催している機関、拠点員でしょうか、担当の方がいると思うのですが、その人の勉強不足が直りません。今回もまた意見を出しました。色々なハンディのある方が待機するところに情報が入らないとわかりません。機関要員の方がいきなり話しかけてきます。そうすると要約筆記の方もあわててノートテイクに移動する。手話通訳の方もあわてて駆けつける。例として聴覚障害のことだけで言いますが、そういう配慮がないわけですね。聞こえない場合、まず手話通訳やノートテイクの方に声をかけて、それから私たちのほうに来ていただけるのならいいのですが、そういう考えがないですね。ですから市のほうには、障害者週間には障害者のことを考えることをしませんか、障害者のことを考えた防災訓練を別にしませんかという提案をしています。やはり一般市民が避難してきて避難所を運営する、拠点の方にそういう意識がなければ、避難してきた方に要支援者班の班長を任せるわけですが、全然話が通じません。一般の方が訓練でも時間がないので短縮してマニュアルを見ながら色々やっていましたが、その班長さんが選ばれたことは要約筆記でわかりました。しかしその方は、こちらで避難している方が、班長さんはどこに行ったのかと拠点員の方に話しかけて、終わりのころに初めてあいさつに来ました。要するに、避難するときは不安になっているわけですね。どなたが要支援班の班長で、その選ばれた方がハンディのある方のところに来て、私たちがいますよ、と言っていただかないと落ち着かないわけです。そういう、部が違うかも知れませんが、情報保障のあり方というのを考えていただければと思います。

(司会)
司会の川口です。ありがとうございました。ただ今の平下委員のお話につきまして御質問や御意見等ありましたらお願いいたします。

(植野委員)
平下さんと同じ市川に住んでいますので補足説明をしたいと思います。
防災訓練のことについてですが、例えば第一次避難所、必ず通訳がつくというわけではないです。意思疎通支援者がいるかどうかもわからない。それを前提にした訓練、これは市が設定していると思います。その中で、どう対応していくのか、地元の人が工夫しながら意思疎通を図るという目的もあるかも知れません。ところが、オリエンテーションも含めて通訳がつかなかったのですね、情報保障がなかったということがありましたので、ちょっとそこで色々あったんじゃないかと、意思疎通を図るべき部分と訓練との整理が、反省の一つとして必要ではないかと思っています。

(司会)
司会の川口です。他にはいかがでしょうか。

(金子委員)
社会福祉法人あかねの金子です。東日本大震災、5年半前のできごとですが、私たちの施設には三障害の方がいらっしゃいました。そのときには西船橋と下総中山駅の近くの、二つの施設に分かれていたのですが、両方の施設に三障害の方がいらっしゃいました。家族の方が迎えに来る方もいらっしゃったし、また(家族が)出たけれど全然動かないという方もいました。そういうとき、すぐホテルが確保できたので、ホテルに避難をしたのですが、障害のある方たちはとてもパニックになっていました。この人にはこの職員でないと絶対ダメだという障害の方もいます。そういうこともあって、家族に連絡が取れた方は、ホテルに行った人と、法人で保護しているので交通機関が動いたら迎えに来てくださいと連絡して、二つの施設にとどまった人もいました。
市の避難場所の小学校はあるのですが、周囲は昔からある町で道路は狭く建物も古いので、視覚障害者、車いす、松葉杖、精神疾患のある方、知的障害の方たち……、この人たちを連れて移動することはとても難しいです。ですから私たちは、法人本部と従たる施設に必ず避難していますから、ある程度落ち着いてから避難しますと市にお願いしてあります。市は、首は縦に振りません。避難場所があるのだからとそれだけで、いいとも悪いとも言っていないのですが、利用者さんたちをそちらまで連れて行くことはとても難しいですから、とりあえず施設でお預かりすることになっています。やはり障害のある方は、いつどこでどんなことがあったときにどういうふうに変化するかということを、東日本大震災の時には私たちも把握できていませんでした。意外と、落ち着いて作業でもリーダー的役割をやっていた人が、一番パニックになっていました。そんなことがありましたので、今のお話とはかけ離れた話かも知れませんが、行政もその人たちに合った避難の場所をお願いしたいと思います。
個人的なことですが、私は庁内の防災訓練に7年くらい参加しています。私が白い杖を持って防災訓練に出て行ったときに、皆さん驚かれました。私が白い杖を持ってここに来たので、いったいあの人が何ができるのだろうと。私はこういう視覚障害者ですが、こういうことを言っていただければそういうことをできると思いますので、誰か一人私のそばについていてくれませんか、急な話ですが、と地域消防団の方にお願いしました。ある消防団の方がついてくださり、消火訓練やいろいろな訓練に参加することができました。何年か後に、仕事が重なって私が参加できなかったときに、そのことを言っていなかったものですから、担当の方が迎えに来られたという、本当に大変失礼したことがあるのですが、やはり地域に自分から発信していかなければ、誰も支援はしてくれないし、助けてもくれないと思うので、そんなことを参考にお話しさせていただきました。

(司会)
司会の川口です。そのほかにはいかがでしょうか。

(植野委員)
平下さんに質問をしたいのですが、植野です。
難聴者の方たちは、手書きなどのノートテイクを要望される方もいらっしゃるし、パソコン要約筆記のほうがいいという方もそれぞれあると思います。そのニーズについて、御本人の希望があると思いますが、理由について少しお話しいただければと思いますが。行政の方にはパソコンには限らない、それぞれの希望があり事情があると思うので、その辺のことをお話しいただければと思います。

(平下委員)
平下です。
パソコンの情報保障をいただくのは、ある程度限られたテーマの時はパソコンでよろしいかと思います。また、すぐ近くで文字の大きさの調整もその場合にできますし、その前に十分に準備ができてはいスタート、という形で決まった時間帯で情報保障される場合にはパソコンは大変よろしいと思います。
ただ、先ほどの災害のときもそうですが、やはり色々な方から急に話かけられると、先ほど言い忘れましたがパソコンの電源の問題、避難するというときは、まず電気、水道が止まっているのではないかと思います。電気がつながっていれば避難も少ないのではないかなと思います。では、そういう停電した場合に発電機でパソコンが使えるのか、またOHC、プロジェクタが使えるのか。体育館の中でマイクを使っていますが、それも電源を使っています。市役所、県庁、警察などいろいろな通信手段も無線を使いますが、やはり電源を使います。その辺の訓練をされているかどうかというのがあるかと思います。
やはり急に声をかけられたらパソコンではそれを持って移動というのは無理ですから、どうしてもノートテイクのほうがいいと、そういうことは普段でもあるかと思います。いろいろな意見があるときにはノートテイクのほうがその場で考えて発言できますから、情報保障としては手書きのほうが希望する人が多いです。
繰り返しますが、決まったテーマなどであるならば、それはパソコンで十分情報保障ができるかと思います。その辺の違いは、やはりどうしても両方必要というのがあると思います。よろしくお願いします。

(植野委員)
ありがとうございます。年配の難聴者の方は手書きを好むという声もこちらに上がってきています。そのあたりはどうでしょうか。

(平下委員)
平下です。難聴者、中途失聴者が例えば会合とか何人かで情報保障をお願いする場合には手書きのほうが圧倒的に依頼が多いです。それは、やはり一方的なお話を聞くのであればパソコンで十分ですが、先ほどライブトークの機械の話もありましたが、いろいろな人が発言をする、その中で笑い声があったり携帯が鳴ったり、いろいろな情報がノートテイクではすぐ書けるわけです。パソコンでは書けません。その情報量は短いですが、その場の情報保障は手書きにはかないません。ですから、年配の方と言っては失礼ですが、自分ですぐ発言したい人の場合にはほとんど手書きのほうを依頼すると思います。

(植野委員)
ありがとうございました。

(司会)
司会の川口です。それではだいぶ時間も迫ってまいりましたので、次の御発言の方に移りたいと思います。
次に、與那嶺委員からお願いいたします。

(與那嶺委員)
発達障害者支援センターの與那嶺と申します。よろしくお願いします。
お手元の印刷資料ですと8ページからなりますが、記載されていること以外にこういうこともあるといいかなということも含めてお伝えできればいいかなと思っています。
まず1ページ目のガイドラインの記述についてです。「発達障害」という領域で自分がこの会に参加させていただいていると認識をしているのですが、私が今所属している「発達障害者支援センター」は、発達障害の方の相談・対応をするところではなるのですが、医学的な発達障害の枠組みと少し違うところがあるので、その辺をまず先に整理したほうがよいかと思っています。というのは、発達障害というくくりの中に、医学的には知的障害も入ってくるのですが、発達障害者支援センターの対象の障害としては、発達障害者支援法の中に規定されている発達障害というくくりの中で対応していますので、知的障害だけの方は実は対象になっていません。自閉症の特性を持ち合わせていて知的の遅れもある方は対象になるという枠組みでやっている点をまず整理したいと思います。
どちらかというと、我々の発達障害者支援センターでは今、知的な遅れのない発達障害の方がほとんど9割以上、97~98パーセントですので、これから自分のほうでお伝えする話については、知的な遅れのない、例えばアスペルガー症候群とか、今の表記ではないですが高機能自閉症とかMLD、ADHDというような領域の話になることを確認したいと思います。どちらかといえば知的な遅れのない方の情報保障という部分に入ってくるかと思います。
まず一番目の発達障害の概念図については、国のほうで発達障害・情報支援センターという発達障害に特化した国のセンターがあって、そこに概念図等についてはかなり正確に細かく記載されているので、そういうところから抜粋してもよいかと思います。
二番目の、障害程度によって必要な援助に差があるという、これは村山さんも先ほどお話をされていたのですが、そこの部分がすごく大事なことかなと思っています。まずは御本人に、この部分を、障害の程度によって必要な援助の度合いに差があるということを、どういうふうにして具体的に行政の窓口も含めお伝えをする、わかるような仕組みにしていけばよいかということを、具体的に考えてみます。
千葉県でチーパスというのがあります。育児をしているお母様方がそのカードを提示すると色々な配慮、サービスが受けられます。教育のほうではよくサポートブックとかコミュニケーションブックと呼んでいるものがあるのですが、名刺サイズで財布に入れられるような、名前は今思いつきですがチーコミュみたいな、自分にとって必要な配慮はこういうものですというふうなものが簡単に明記されたようなカードをみんなが持ち合わせていて、必要な窓口に行ったときに先にそれを確認する、提示をするということが普通になれば、それを見た時点でこういう配慮が必要だということが自分のほうから示していきやすいような環境を作っていくことがすごく大事かなと思っています。なので、情報保障のいろいろな配慮ということで話は進みますが、逆に発達障害の方々の場合には配慮をしないことも一つの大事な配慮だという観点で考えた方がいいかなと思っています。例えばある社会福祉協議会に相談に行ったときに、アスペルガー症候群であると事前に障害名をお伝えしてあったのですが、実際にお会いしたときに、その成年に向かって、ここに書いてあるようなゆっくりした口調で「お・は・な・し・は・で・き・ま・す・か」というようなことを投げかけられた発達障害の成年は、馬鹿にされてすごくキレたという、自分は話せないわけでもなく普通にできるのに、なぜ発達障害ということだけで腫れ物に触るような対応をされて憤慨をしたということも聞いたりしているので、そこの齟齬がないように整理できるといいかなと思っています。
あとは二番目の「ガイドラインに盛り込まれていない情報」等については、先ほど平下さんがおっしゃっていた国際福祉機器展とか、いろいろなアプリの活用等も含めて情報を提供するといいかなと考えています。世の中の考え方の変化については、今日現物を持ってきたのですが、防災支援ハンドブックという自閉症協会が出しているものがあります。こういうものもある、情報にアクセスできるような情報の提供も大事かと思っています。
実は、皆さんにお配りはしていないのですが、昨日の千葉日報を御覧になった方はいらっしゃいますか。オリンピックに向けてのものですが、例えば「成田空港まで4.8キロ(NARITAI.A.P)」という表示を飛行機のピクトグラムを入れた形で統一化すると。そういう動きが十分始まってきていると思うので、これは発達障害で視覚的な理解がしやすいという方にとっても、我々にとっても、理解しやすいものかと。こういう流れがどんどん加速していくといいと思っています。
あと避難所についてのことですが、先ほどから震災のことについてのお話もありました。熊本の地震があったときに、熊本にも発達障害者支援センターがあるのですが、いろいろな動きを見たときに、例えば千葉で起こったときに、我々の地域で福祉避難所という形で協定を結んでいるところはいったいどこにあるのだろう、どこの施設で、そこは例えば三障害対応しますとか、自閉症の方がメインですとか、身体障害の方がメインですとか、そういうふうな福祉避難所がまずどこにあるのか、そういう情報が自分の手元にもあまりない。本当はそういうことを日常的に把握しておいて、実際に災害が起きたときに避難をする際に、その障害に合わせた避難所になるべく迅速に行って、そこで適切な対応ができるようにするためには、まずどこにあるかわからないとどうにもならないので、どういう種別でどのような配慮ができる避難所かというリストがあるととても助かると思っています。
9ページ目については、具体的にどのように確認をするのかということで、先ほどの自分の意思表示ができる、こういう配慮が必要だというカードを常時持ち合わせていることも一つの方策であるし、そこまで行かなければ事前に確認をする、例えばタブレットのようなものにいくつか質問項目、配慮が必要な項目があって、それにタッチをするだけで窓口でわかる、それに沿って対応していくということが大事かと思います。
最後に、色々な表記のことですが、このガイドラインの中に、37ページで「発達障害、高次脳機能障害、精神障害のある方への配慮」ということで、主な特徴などでLDも含めて書いてあるのですが、「こういうことができません、こういうことが不得意です」と。情報保障ガイドラインなのでそういう書きぶりになってしまうかもしれませんが、ダメ、ダメ、ダメ、できません、できません、できません、という書きぶりがすごく気になっていて、「こういうことならできます」と。先ほど金子さんがおっしゃっていたように「誰か隣に一人ついてくれれば私はこういうことができますよ」という感じで、もっとストレングスというか、こういうことができます、こういうコミュニケーションがとれます、中にはこういうことができない方もいますが、という書きぶりで書かないと、全部バツ、バツ、バツしかここには書いていないので、そういう配慮も必要かと思っています。

(司会)
司会の川口です。ありがとうございました。
ただいまのお話につきまして、御質問や御意見等ありましたらお願いいたします。

(植野委員)
植野です。二つほどありまして。
一つは、白いカードに赤い十字がついたようなカード、名前は失念しましたが、自分に障害があるということを説明するためのアピールとしてそういうカードがあったように記憶しています。それとの関係はどうなのかということも含めて伺いたいと思います。
二つ目は、発達障害という方についてもいろいろな方がいらっしゃると思います。特徴も違うと思います。聴覚障害を持った発達障害の人たちもおります。意思疎通に関しての配慮の部分というのがありまして、なおかつ発達障害も兼ねているということになりますと、その辺の配慮も必要があります。紙ベースで、文字で、一つ一つ確認しながら手話で話をしていくとうまくいくということも多く、そのあたりも教えていただければありがたいと思いますが。

(與那嶺委員)
與那嶺です。御質問ありがとうございます。
まず白に十字のカードとの関係性のこと、実はそこのカードがあること自体も存じ上げていなかったので、ただ単にこういう示せるカードがあればお互いにいいかなと提案させていただいたと御理解いただければと思います。
もう一つが、発達障害で重複障害のある方、ナビゲーションブックというのが発達障害の就労支援の際に企業の方によく渡されます。言葉を換えると「ぼくの、私の、取扱説明書」というようなものです。これは先ほどのカードの中に、発達障害と例えば聴覚障害を併せ持っているので、聴覚障害の支援と発達障害のコミュニケーション的な支援のこの部分も配慮していただきたいのですが、というようなことが書き込めるとよいかと思っています。

(植野委員)
ありがとうございました。もう一つ、聞こえない人の世界といいますか。少し気がついたことがあるのですが、言い回しというものが非常に苦手な世界なんですね、聴覚障害は。そのあたりの調整といいますか、配慮があればということで、何かアドバイスをいただければありがたいのですが。

(與那嶺委員)
與那嶺です。言い回しについて、植野さんの御質問の具体的なエピソードがあると非常に嬉しいのですが。

(植野委員)
そうですね、例えば、聞こえない人の場合には、ダイレクトに、「このようにしましょう」というような間接的な言い方がろう者は非常に苦手です。意味がわからなくなってしまう場合があります。間接的な言い回しで相手とずれてしまうことがある。ですから、聞こえない人と聞こえる人が初めて話をするときに、「聞こえない人は言い方がストレートだ」という言い方をよくされます。よく怒られますけれど。その辺もアドバイスがあれば教えていただきたいのですが。

(與那嶺委員)
與那嶺です。言い回しと言ったときに、どう伝わるかの表情の部分かと思ったのですが、それとはちょっと違うようですよね。婉曲、遠回しに物事は伝えないで、よく発達障害の世界で言うと、廊下はうるさく走らないででなく、ゆっくり歩きましょうと、やってもらいたいことを具体的に行動のベースで端的に書き込むというふうな理解でよろしいでしょうか。そういうふうな配慮が必要だということかなと感じますが。

(植野委員)
ありがとうございました。

(司会)
司会の川口です。他にはいかがでしょうか。

(若菜委員)
若菜です。與那嶺さんのお話とは関連したことでなくて大変恐縮ですが、身体障害者手帳をはじめとする各種手帳のことで最近思ったことがあります。
身体障害者手帳について、、自分も目が見えないため、必要な場面にて、手帳全体を触っても、手帳番号をはじめとする各種情報がわかりません。先週もSPコードの話題が出ていたかと思いますが、手帳を所持している当事者が自分の手帳の番号や障害の種別がわかるように、点字で表示をするか、SPコードに番号等必要な情報を収録し印刷することができないか御検討いただけたらと思いました。
それから、近年では運転免許証をはじめとする様々な証明書がカードタイプになっているかと思いますが、手帳のデザインについても時代に即したものを取り入れたものに改善できないかと思います。
千葉県は障害者条例という国内でも先進的な取組をしているので、こういった部分でも是非取り組んでいただけたらと感じました。

(障害福祉課長)
実は、障害者手帳のデザイン、点字、SPコードなど様々な意見をいただいているところです。ただ、形を一つに定めないといけないということもあるので、いただいた御意見を含めて今後宿題とさせていただければと思います。
それから、植野委員から出てきた赤のハートマークに白十字のカードは、東京都で出しているヘルプカードというものでして、実際にどういった配慮をしてほしいかと後ろのほうに書き込むというものになっています。難しいのは、メインで使っているのは内部障害など、それだけではないのですが、妊婦も含め、いろいろな方向けで使われているということです。千葉県では内部障害の方向けには別のマークを使っているので、ヘルプカードがどれだけ取り組んでいけるかということをこれから考えていければと思います。今、千葉県ではホームページでヘルプカードを少し紹介するということをやっていますが、これも與那嶺委員の御意見も踏まえ何かできることがないかと考えさせていただければと思います。

議題2「ガイドライン見直しに際してのヒアリング予定団体について」

(司会)
司会の川口です。大変恐縮ですが、時間がなくなってしまいましたので、委員の皆様方からの御意見、御発言は以上をもちまして終わりにさせていただきたいと思います。
続きまして議題2「ガイドライン見直しに際してのヒアリング予定団体について」御説明いたします。

(事務局)
事務局の霜崎です。資料2で御説明いたします。
これから、皆様御参加いただいている団体の他に、様々な障害当事者あるいは支援者の方々に御意見を伺うことを予定しています。こちらに挙げましたのは現時点での候補です。本来であればこちらでどういったところにどういったことを聞いてほしい、あるいはこういった団体、組織にも声をかけてほしいということを伺おうと思っておりましたが、時間が足りませんので、御意見があれば、来週末9月16日までに私あてにメール、手紙、FAX、電話、どういった形でも結構ですので、聞き取り先や聞き取り内容について御意見いただければ可能な範囲で対応したいと思いますので、ぜひ皆様のお考えをお聞かせいただければと思います。資料2については御説明を終了いたします。

(司会)
司会の川口です。本日の議題は以上でございます。全体を通して何かお話等ございましたらここでよろしくお願いいたします。

(若菜委員)
若菜です。先週の会議の終わりに報告があったかと思いますが、県庁の職員向けのアンケートが今日締切でしたよね。回収率はどの程度なのか、参考までに教えていただけますか。

(事務局)
霜崎です。今日の昼間見ましたところ、職員のパソコン利用での回答が2,200名ほど、それから若菜委員にも御指摘いただいたように、パソコンを使わない嘱託職員や臨時職員が結構県民の方と実際に接しているので紙のアンケートも並行して行っていて、まだ数えていないのですが、紙の厚みを見ておおざっぱにおそらく500人くらいは来たのではないかと思います。本庁もありますし出先機関もありますし、中には特別支援学校で調理員をされている方、そういった方々まで含めていろいろな方から御回答いただいています。

(若菜委員)
ありがとうございます。私が入庁した頃、新任研修のときに、正規の県職員は警察や公立学校の教職員も含めて4万か6万かそのくらいだったかと聞いたと思うのですが、やはりちょっと寂しいですね。

(司会)
司会の川口です。他にはいかがでしょうか。
本日は長時間にわたりまして御参加いただきありがとうございました。これをもちまして本日の会議を終了したいと思います。
なお、次回の会議は10月下旬を予定しております。皆様の御都合をもとに日程を調整し、決まり次第お知らせいたしますので、よろしくお願いいたします。
以上で、第3回「障害のある人に対する情報保障のためのガイドライン」改定のための会議を終了いたします。本日は誠にありがとうございました。

お問い合わせ

所属課室:健康福祉部障害者福祉推進課共生社会推進室

電話番号:043-223-2338

ファックス番号:043-221-3977

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