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更新日:令和4(2022)年11月29日

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第2回議事録:前半(「障害のある人に対する情報保障のためのガイドライン」改定のための会議)

(司会)
ただいまから、第2回「障害のある人に対する情報保障のためのガイドライン」改定のための会議を開催いたします。わたくしは、この会議の事務局を務めます、障害福祉課障害者権利擁護推進室長の川口と申します。よろしくお願いいたします。

《資料確認》

(司会)
議事に入る前に、皆様に3点お願いがございます。
まず、この会議には、視覚障害の方、聴覚障害の方が参加されています。御発言の前にお名前をおっしゃっていただくことで、どなたが発言されているのか伝わりやすくなりますので、御協力をお願いいたします。
二つ目として、皆様に発言が聞きとりやすくなるよう、はっきりと、また早口になりすぎないように、お話しください。
三つ目として、通訳等を介する方のために、長文で一気に話さず、文と文の間に適度な合間を取られるようお願いします。
なお、会議の途中でいったん休憩を挟む予定ですので、あらかじめお知らせいたします。
ここで、事務局として障害福祉課長から御挨拶申し上げるところですが、古屋が行事に出席しており到着が遅れておりますので、後ほど改めて御挨拶申し上げることとして、議事を進めてまいります。

まず、本日の御出席状況を申し上げます。
平下委員、村山委員、與那嶺委員におかれましては、御都合により欠席される旨、連絡をいただいております。
また、亀山委員におかれましては、御都合により遅れて来られるとのことでございます。

議題1「新しい情報保障ガイドライン作成に当たっての課題」

続きまして、議事に進んでまいります。
まず、議題1「新しい情報保障ガイドライン作成に当たっての課題」について、資料1を用いて進めてまいります。こちらは委員の皆様からの御意見をまとめた資料ですので、順番に御説明をいただき、それぞれお話し合いの時間を設けます。皆様の御説明は、それぞれ10分程度以内でお願いできればと思います。
それでは最初に、御園委員からお願いいたします。

御園委員

(御園委員)
千葉県視覚障害者福祉協会の御園と申します。私の提出した資料について説明させていただきます。
もともと私の関連分野としましては、視覚障害のICT、視覚障害者への生活支援相談、それから視覚障害に対する情報提供ということを専門としています。
チェック1の部分、配慮の必要な事項とガイドラインの記述についての部分ですが、従来のガイドラインにも記載されている部分もあろうかとは思いますが、最初に書いたところが、印刷物についてです。行政からの文書については、差出人の表示を点字や拡大文字等で印字することが合理的配慮になります。それから、行政からの文書の内容としては、視覚障害の当事者が個別に提供者に依頼すれば依頼者が要望する媒体で可能な限り申し出に応じる、ということですね。
この二つについては基本的に郵送物のラベルについては最近増えてきてはいますが、自治体の中には点字表示がされていないものが多くあります。新しいガイドラインでは確実にそういった項目を加えていただきたいと思っています。
また、点字が読めない視覚障害の方も今はだいぶ多くなっておりまして、特に中途失明の方です。そのような方の場合には点字が読めない、読みにくいということもあります。これも今の時代を反映しているのではないかと。糖尿病等で失明される方が多くなっていますので、点字以外の何か個別の対応が必要な場合には応じられる体制が必要であろうという意味でガイドラインに記載するとよいかと思っています。
それから、会議等の印刷資料についてです。出席者が確実に読める媒体で提供すること。特に、現在のガイドラインで説明が完全でないと思われるところとして、写真やグラフなど図表に適宜説明を行うことを書いています。このような会議でもそうですし、また県の会議で当事者が参加、出席するような会議は多くございます。そういったときに図表等の適宜説明、できる範囲でということになるかと思いますが、それをガイドラインに組み入れていただければいいかなと思っています。
また、次の部分は点字、拡大文字の提供、これは従来どおりですが、それに加えてスクリーンリーダーと呼ばれるものですね。読める、アクセシブルなPDFとかワード(DOCファイル)、テキストフォーマットで提供することも必要です。これも、先ほどお伝えした中途失明の方に対してということになります。
プレゼン資料の提供例として、同じく、主に3つの媒体ということでお願いできればと思います。
次にコンテンツのことです。これは、前回の第1回会議で話題に上がったことになろうかと思いますが、行政団体で活用され始めている動画について、視覚障害者が内容を理解できるようなナレーションを適宜挿入することが大事だと思います。今後の情報保障のあり方を考えると、こういった動画による情報提供は県だけでなく各自治体、公共施設等々で行いはじめるでしょう。そのときには、音声ガイド、ナレーションが含まれていることが望ましいと思われます。
それから、ソフトウェアということで、IT関係です。WindowsとかMacなど従来どおり使われているコンピュータがあり、それと現在では視覚障害の場合でもスマートフォン等の機器を活用する人が増えてきています。そこで、それぞれの端末、またはソフトウェア(アプリ)でアクセシブルな環境が確保されていることが望ましいと思われます。ソフトウェアとハードウェアということになります。その意味では、JIS-8341等の規格にのっとった形で県のガイドラインも策定されていくべきだろうと思います。この辺は完全に従来のガイドラインではない範疇になるかと思います。
それから、スマートフォン等で代表されるように、現在では各種機器、スーパー、コンビニエンスストア等々でもタッチパネルが採用されて、買い物をすることも多くなっています。銀行はもちろんそうですね。
そういった中で、テンキー等で操作できるような工夫、代替手段がされているケースも多くなっていますが、タッチパネルだけしかないような場所、お店も増えています。そういったときに、従来のようにテンキーで操作できる方式を代替的に設置するのも必要かとは思いますが、もう少し企業寄りの考えに立つならば、例えばタッチ方式をスマートフォンのように音声で操作できるような工夫もあってもいいのかなという意味で書いています。
その下の部分は従来どおりでお願いできればよいかと思っています。
会議室等の表示も、可能な範囲で点字表示等々していただきたいと思います。

従来のガイドラインで誤りと思われる部分については、「できるだけ添付ファイルを使用せず、メールの文章中にテキストで書くようにします」という記述があったと思いますが、これは誤りです。
やはり情報支援機器はソフトウェアも含めて当時とはかなり変わってきているような状況です。例えばワードとかPDFを読むにも、ある程度スクリーンリーダーで読めるような環境になっています。なので従来どおりテキストでの貼り付けもやることは、もちろんすべての人が安心して情報を受けられるようにするということで重要ですが、それに加えて、スクリーンリーダーにはワードやエクセルなど、オリジナルのデータで提供することも大事だろうと思います。

チェック2、ガイドラインに盛りこまれていない新しい情報についてということで概略を御説明します。
新しい配慮のための技術や取組についてということですが、資料1にあるように、音声・映像活用クラウドサービス「RECAIUS(リカイアス)」というサービスが登場しています。これはインターネット上にある電子データを、視覚障害者の多くが本を読むときなどに使っている形式で制作できるシステムで、東芝さんがやっているものです。例えば、今は企業等で取扱説明書がインターネットのホームページに必ずあるだろうと思うのですが、それらも今後は電子の形式で配布したらどうかと、合理的配慮の観点から検討している企業も出てきています。そういったときにこのようなサービスを使うと、特別なソフトは必要なく、契約するとインターネット上のサーバで使用できると。そういった意味で、電子書籍、電子フォーマットのユニバーサルデザインの一環かと思います。
それから、視覚障害者向けの音声による屋内外歩行者ナビゲーション、これはIBMと清水建設が取り組んでいます。例えば県庁の建物の中を視覚障害者が単独で歩けるようになるためには、こういうナビゲーションシステムがあると、例えばスマートフォンを持っていると、どこの会議と言われても歩けるようになるかと思います。
UDトークについては、今年のつい最近の話ですが、映画の音声ガイドについています。従来はバリアフリー映画というと、人が実際にその場で説明をして、FMラジオで電波を飛ばしてそれを聞くというスタイルでしたが、今年、つい1か月前からUDトークというものが登場してきています。これは、スマートフォンを持っていればUDトークというアプリを入れると、持っているだけでスマートフォンから音声ガイドが自動的に流れてくるという仕組みです。例えば県の何らかの鑑賞会、説明会、いろいろあると思いますが、そういったときにこのようなものが使えるかもしれないと思います。
どちらにせよ、スマートフォンがだいぶ普及してきている。一般社会でもそうですが、視覚障害者の中でもかなり広まってきている状況ですので、そういったものを柔軟に利用していく、そしてその中で合理的配慮を実現させていくという体制もあってもよいのではという提案をさせていただきました。以上です。

(司会)
司会の川口です。ありがとうございました。
ただいまのお話について、御質問や御意見等ありましたら
お願いいたします。

(事務局)
霜崎です。御園委員、ありがとうございました。
電子メールの添付ファイルのところの確認ですが、人によってはまだ添付ファイルを読めないソフトウェアで使っている方もいるので、その方にもっとも適したものを確認するのが望ましいという理解でよろしいでしょうか。

(御園委員)
御園です。そうですね、例えば今回のような資料の提供があった場合を具体的に言いますと、まずはテキスト形式があり、それからワード形式があり、それから可能であればPDFもあり、という、やはり提供できるものはすべて提供して、その提供したものから選択するのは当事者で、読みやすいやり方で読んでもらうのがよいかと思います。

(事務局)
わかりました。ありがとうございます。

(司会)
司会の川口です。他にはいかがでしょうか。
よろしいでしょうか。それでは、ここで、障害福祉課長が参りましたので、あらためてごあいさつを申し上げます。

(障害福祉課長)
皆さんこんにちは、障害福祉課長の古屋でございます。この前に行事がありましたもので、遅れてしまい大変申し訳ありません。
今日は、新しい情報保障ガイドライン作成にあたっての課題ということで、それぞれの委員の皆様方から出された課題について御説明いただきまして、議論を深めていこうというものでございます。
先ほど御園委員から色々と御指摘もいただきまして、誠にありがとうございます。まず当事者の方々にとって今のガイドラインで足りない部分を聞いていきながらガイドラインを新しく作っていくという作業がこれから必要ですので、今日いただく御意見、それから次回もヒアリングをしてまいりますので、いただく御意見、これをしっかり整理していければと考えています。
忌憚のない御意見を本日もいただければと思っています。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

(植野委員)
植野です。御園さんに質問させていただいてよろしいでしょうか。

(司会)
司会の川口です。お願いいたします。

(植野委員)
植野です。先ほどの御説明を伺いまして、私自身、見えない立場の環境についてわからないので、失礼があるかもわかりませんが教えていただきたいです。
今、スマートフォンなど結構新しい機器が進んでいますが、たとえば音声認識で字幕に直すという技術も進歩しています。お話にあった中でおそらく一つは、ワード、エクセル、PDFとかいろいろありますが、どれも見えないのは見えないですが、その選択には時間もかかるだろうと思っています。もし認識が違えば失礼なんですが、他の方でも、例えば一太郎でだいぶ違っていて検索できないということがよく起こったと聞きます。ですから、見えない方が例えば音声で分かるような何かそういう仕組みを作るということは、会社で検討している部分があるかどうか教えていただきたい。

(御園委員)
御園です。音声で使えるといいますか、これは概念的なことを申しますと、それがアクセシビリティといわれる範疇になるかと思います。そのアクセシビリティの概念の中では、例えばワード、エクセルがスクリーンリーダーできちんと読めるようになっていることが大切なことだと思います。

それからPDFの場合ですと一番わかりやすく説明できるのですが、PDFの場合、行政文書によっては全く読めないものがあります。どういったものかというと、スキャナから紙媒体のものを読み込んで、そのまま文字認識をかけずに画像のままPDF化しているもの、これは画面読み上げソフトではまったく読めません。なので、PDFで提供するときには、必ずその画像データをさらに文字化してPDFとして保存する必要があります。そうしないと視覚障害者は読めなかったりと。

なので、植野委員がおっしゃっているとおり、視覚障害者に情報提供するときは、最低限、どの媒体で提供するかという観点でフォーマットを選んでいくことが重要かと思います。私の個人的意見では、テキストと、ワード、エクセル、PDF、この4つがあればいいのかなと思います。そういった形で提供すれば。また、今のようなアクセシブルなPDFということについて配慮していけば必ず視覚障害者が読めるようになると思います。

(植野委員)
植野です。ありがとうございました。

(司会)
司会の川口です。それでは次に若菜委員からお願いいたします。

若菜委員

(若菜委員)
千葉県立中央図書館の若菜と申します。私からは、ガイドラインに盛りこまれていない新しい情報についてお話ししていきたいと思います。
今回、私から提案させていただいたものは、行政機関等が運用する公用車等の車両の安全対策について、視覚障害者が被害者となる交通事故の予防を目指して、についてお話ししていきたいと思います。
私は全盲で、外出する際には白杖を使用して単独で歩行しています。ここのところの自動車のトレンドは、
低燃費で航続距離が長くて静音性にすぐれていると言う環境に配慮したものを前面に押し出したものが増えていると感じています。昨年の8月には千葉県でも公用車としてトヨタのミライが導入されたということを先日千葉日報をチェックしながら確認しました。排ガスがなくて、環境がよくなるということについては、個人的には賛成です。しかし、このようなエコカーの普及によって、視覚障害者が単独歩行する際に、自動車に気づかないということが多々あるかと思います。歩車分離で大きな幹線道路や大きな交差点では、運転マナーは別として、交通量の多い場所については特に危険性を感じたことはないのですが、細い路地であったり住宅街では、ハイブリッドカーがすぐ横、腕をかすめるようなすれすれのところを通り過ぎていったり、一時停止中でエンジンがかかっていない状態で気づかずにぶつかってしまってヒヤッとした経験が多々あります。最近では国や自動車メーカーでも問題性を取り上げられつつありまして、疑似エンジン音ということで、エンジン停止中にエンジンを模した音を発する装置を標準で搭載する動きも出つつあります。
しかし、現在主なエコカーの主流メーカーであるトヨタや日産、ホンダ、三菱自動車といった自動車メーカーで採用している疑似エンジン音についても、それぞれ音が違っています。
個人的な主観になってしまいますが、トヨタの疑似エンジン音はプリウスに代表されるように出回っている台数が多いせいか、割と気づきやすい、耳になじんでいるものです。
YouTube等で他のメーカーの疑似エンジン音を耳にすると、一瞬、これが自動車のエンジンなのか、ハイブリッドカーの音なのか、気づかないことがあります。これは千葉県がどうこう言えることではないかもしれませんが、音の統一を図っていただけると、とても分かりやすいです。
今後は県の各機関においてもエコカーに代表されるハイブリッドカーの導入が増えることが予想されます。安全対策も含めてエコカーの対策について提案をさせていただきました。

続いて二つ目の、視覚障害者が被害者となる交通事故を減らして、ということについてお話しします。
これは昨年(2015年)10月、徳島県徳島市において、盲導犬を連れた視覚障害の男性が後退中のトラックに轢かれて死亡するという、とても痛ましい事故が発生しました。
後退時に注意喚起を促す音も切られていたということで、被害者にとっても車が後退してきたことに気づかなかったのではないかという指摘もあります。
私がとても驚いたのは、トラックの後退時に注意喚起をする警告音がドライバーの意思によって止められてしまうということです。
これは新聞記事で見たものですが、住宅街ということ、近所からトラックの後退時に騒音があるということで、それを配慮して止めてしまったという報道も目にしました。
そして、つい先日、都内の青山一丁目駅で盲導犬を連れた男性が銀座線のホームから転落して死亡するとても痛ましい事故が発生しました。人命を失ってからでは取り返しがつきません。これも、未然防止、何かしら対策を盛りこんだものとして千葉県で取り組んで全国的に普及を図れればと願いを込めて今回提案をさせていただきました。

(司会)
司会の川口です。ありがとうございました。
ただいまのお話について、御質問や御意見等ありましたらお願いいたします。

(植野委員)
植野です。たびたびで申し訳ありません。先ほどと同じような質問でよく分からない部分があるので教えていただきたいのですが。
今、新たな新車というのは、例えば相手とぶつからないように相手との距離、自動的なセンサーかレーザーがあって、衝突が近づくと止まるというようなそういった機能がついているようです。また、それとは逆に、視覚障害者の方が何か持っていればそこからレーザーか何かが発信されて運転中の車に対して何か動くものがあればそこで何か予知できる、音が鳴るというような工夫があるのかどうか、お分かりになれば教えていただきたいのですが。

(若菜委員)
若菜です。私も今の時点では勉強中で、確実なことは申し上げることができないかもしれませんが、レーザーによって障害物を回避することについては、自分の認識の中ではまだ不完全です。スバルのアイサイトに代表されるように、カメラで障害物を検知して、確かこれは時速30キロか40キロだったと思うのですが、一定の距離の範囲で障害物を検知すると自動停止をするという認識で、メーカーのほうでもまだこの自動ブレーキシステムには頼らないでくださいといった注意書きがあったかと思います。
もう一点の御質問、もう一度伺ってもよろしいでしょうか。

(植野委員)
ありがとうございます。まだ完成していないということなので、研究は進めているというような部分はあるのかどうか教えていただきたいのですが。
視覚障害者の方が何らかの機器を持っていればそのレーザーを発信すれば何か回避できる余地ができる、そんなものはどうでしょうか。

(若菜委員)
視覚障害者が何か機器を持って回避されるといったような研究は聞いたことがないです。まだ、車自身で障害物を回避するといったような研究に力が置かれていまして、例えば歩行者の機器と車の装置がリンクして自動的に停止するといったような研究は、自分の知識の中ではありますが、まだそういった研究はされていないと思います。

(植野委員)
そうですか。というのは、自転車もありますので、自転車のことも考えて……。ありがとうございました。

(障害福祉課長)
障害福祉課長です。たぶん、車のところについては、近年の技術が向上したとしても引き続きその技術がない車が走っている可能性があるので、実際に回避するための技術をどうやっていくのがよいかということは、警察のほうにもやり方は聞いてみたほうがいいかと思うので、こちらは私どもも聞きとって少し勉強させていただければと思っています。
あと、視覚障害のある人の側で、というのは、白杖につけて距離を測るようなものはあるようですが、車の側を止めるとかそういうのはできないと思うので、また、補装具として支給されていないという課題もあるようなので、そのへんも含めて、事故の回避ということは、他の方、他の機関とも相談しながら勉強させていただければと思っています。

(植野委員)
植野です。ちょっとついでにといいますか、例えば杖の場合は、見えなかったり聞こえなかったりすると、振動式の何かがあるといいと思いますが、見えない、聞こえない場合に振動があると触感で分かると。

(御園委員)
ありますよ。

(植野委員)
あ、ありますか、そうですか。

(事務局)
霜崎です。今、植野委員がおっしゃったのは、センサーに反応して電池などで振動して白杖の代わりに伝える装置ということでよろしいですか。

(植野委員)
そうですね。最近は測量などで、わざわざ手で測らなくてもレーザーで距離を測るという機器はもちろん使っていますから、それをうまく組み合わせていけばできないことはないかな、工夫があれば場所や位置関係がわかるものがでてくるかなと。

(若菜委員)
若菜です。杖は白杖というものですが、杖と、レーザーのもの、メーカーではソナーという言い方をしているそうですが、杖とその機器を取り付けて前方の障害物を検知するという機器は実際にあります。確か10万円以下で結構高額な装置ではあるのですが、これも個人的な主観で大変恐縮ですが、前方の障害物を捉えるというのも、例えば一点で前方の障害物を検知するのか、それとも壁のような面として捉えるのか、そういった区別がソナーを使った状態でもまだまだ難しいということもあって、個人的にはまだ実用性には乏しいかなと感じています。

(植野委員)
参考になりました。ありがとうございます。

(若菜委員)
今のことに関連しまして、例えば正面に壁があったとしてもその手前に誰か人物が横切ってしまうとまたさらに混乱を来してしまうということになるので、まだまだ実用性に乏しいかなと思いました。

(司会)
司会の川口です。ありがとうございました。
そのほかにはいかがでしょうか。

(石井委員)
交通安全のことで、視覚障害の方に確認したいのですが、私どもの従業員で視覚に障害のある方がいて、横断歩道のピッピとなる音が、時間によって押しボタン式に変わってしまうところではその音が切れてしまう。普段は時間で音が聞こえるのでそれに合わせて渡っていたのが、例えば夜遅くなるとその音が出なくなるので非常に不安定な状態になるということを聞いたことがあるのですが、皆さんそういう経験はないでしょうか。

(金子委員)
あります。

(石井委員)
ありますか。あれはやはり何か対策を考えていただいたほうが。普段、多いと思うのですよね。ちょっとこれは私のほうの確認ということでお話しさせていただきました。

(金子委員)
社会福祉法人あかねの金子でございます。今、石井委員の言われたように、住民の声が大きすぎるんです。私たちが朝一番電車に乗ろうと思うと、一番電車に乗る方はほとんど私たちは気にならないで走っていく、そこで信号機の音がついていないと今渡っていいのかどうかわからない。そして、住民が朝早くからあの音が鳴るとうるさいと言う。それと、夜7時になるとチャイムが消えるということは、やはり住民の方の声が、船橋市の場合ですと、大きいんです。だからといって、隣にあるパチンコ屋さんの音が気にならなくて、なぜあの横断歩道の音が気になるのかなと。極端に言うと、私も警察に言ったのですが、夜7時から9時まで止めてもいいですけれど、9時半から最終電車までは音が出るようにお願いしたいし、あんな天井から音が出なくても、私たちが信号機の横に立っている耳元で音がしていれば、あんなに響かないと思います。船橋市の、南口のスクランブル交差点のJRを背中にして右方に大きなマンションができたのですが、そのマンションができたために、あのスクランブル交差点の信号機の音がうるさいという住民の声が出たので、私たちも一緒に行って調べてみたのですが、やはり7階、8階に上がっていてベランダから音を聞いてみると、1階で聞いている以上に上の方に響いているんですね。ですからそういう方からの声が大きかったために、スクランブル交差点の信号機の音もずいぶん下げたんですが、またそうすると私たちが聞こえないんです。また少し音を上げていただいたんですが、やはり住民の理解がなければあの音が有効に使えないと私は思いました。

(司会)
司会の川口です。よろしいでしょうか。他には何かございますでしょうか。
それでは次に金子委員からお願いいたします。

(金子委員)
社会福祉法人あかねの金子でございます。よろしくお願いいたします。私の、視覚障害者の文字に関することは御園委員からお話ししていただいた内容とほとんど重複する内容ですので、そこのところ省かせていただきたいと思います。
ただし、一つだけですけど、最近、行政から来る書類について、視覚障害者に対しての読み取りコードというのがほとんどついてないようになってしまいました。最近目にするのは県で出している虐待防止とかのリーフレット。リーフレットには音声コードがついているのですが、行政から届く書類にはほとんど音声コードがついておりませんので、それを「できるだけ」ではなく義務づけて付けていただきたいと思います。
私どものところでは、多様な人たちが働いていらっしゃいますので、そこのところを中心的にお話しさせていただきます。特に最近気がついたのですが、盲学校の中学部、高等部の方たちの実習を受け入れています。中等部の方は何とか点字は読めるのですが、高等部の方はほとんど点字を読めなくなっている。聞いてみましたら、高等部では点字はあまり使っていないという話なのです。その方は全盲なのですが、では何を使っているのかというと、先生が読んでくれるとか何とかそんなことを言われていました。点字は一般社会では通用しませんが、
視覚障害者については大事な文字なんです。ですからこれを高等部の教育ではぜひ、高等部であろうが小学部であろうが、点字教育をしっかりしていただきながら、なおかつ一般社会に出て行くにはやはり点字では通用しません。本当にかわいそうなんですが。それで、ご自分のお名前などを聞くと、例えば「金子」と言えば「金曜日の金」に「子どもの子」というふうに説明していただくんですが、できましたら、最低限、小学校の高学年くらいの漢字を教えておいていただきなと思うんです。
それで、一般就労、一般就労と言うのですが、あまりにもそういうことに欠けていると、受け入れた企業さんが大変困っていらっしゃいます。企業さんのほうから、どのように漢字の勉強をさせたら、漢字を覚えていただいたらいいのだろう、という問い合わせがあります。私どものところでも、盲学校ばかりでなく養護学校から来て(就労継続支援)B型のところに就労されている方には、定年退職された学校の先生にお願いして、1週間に2時間ずつなんですが、最低でも漢字教育と数学、算数の勉強はさせていただいています。小学部からそういうことをやっていないとなかなか高校を卒業して成人に近くなってきてからの勉強というのは大変厳しいと思いますけれど、また先生方は楽しそうに、例えばお月見になると「お月さんはこういう字を書いて、月という字を書いて、どこにこういうのがつくと○○という字だよ」とか、いろいろそういうことを言いながら教えてあげているんですけれど、できましたら、学校教育の中に、高等部を卒業するまでには最低でも漢字教育を入れていただきたいと思います。
それから、お小遣い帳。お金のやりとりが最近ではほとんどカードを使ってお弁当を買ったり電車に乗ったりできますので、お金の感覚が全然ないんです。自分が実際に、これを「398円」というと、どのお金を渡すとこのお弁当が買えたのか、お財布の中から398円を出させようと思うのですが、なかなかそれができない子どもさんが多いのが現実です。そんなことで、学校教育にはぜひ入れていただきたいと思います。
今度、また別になりますが、情報障害に最近現実にぶつかったのですが、今回の行政のアンケート調査にも関係してくるのかもわかりませんが、あまりにも私どもの利用者さんの情報が、聞いていた情報だけでそれ以上の情報が全然わからなかったので、行政にお尋ねしても、これは個人情報ですから話せませんと。それで、その人の過去の職員、利用者同士の話を、点と点を結びつけていきながら、この人は福島県出身のどこどこだと、それで福島まで行って、高等学校の卒業生の方を何とか探して、卒業名簿からその人の住所を調べていったという、本当にこれが情報障害だということに出会ったので、ここのところもう少し何とかできないのかなと思いました。
それから、船橋市の場合ですと、生活保護を受けている人たちのところ、支援課さんというのですが、そちらの方たちと私たちのところに通ってきている人たちの情報をもうちょっと共有できないのかなと。個人情報、私たちも個人情報、行政から守秘義務に関わる大事なものを取らなきゃいけない。これはいつでも行政から閲覧させてくれという要請があれば速やかに見せなければいけないという大事なものを預かっているんですけど、私どものほうからも行政側に、そういう危機に立ったときにそういう情報を教えていただけるように、もう少し、やたらに緩和してくださらなくていいのですが、事情をよく把握して、これはあるところと、私どもと、支援課さんと、三つの中でやっていることですから、私たちが教えてくださいということは、そちらのほうからもこの支援課さんのほうには情報が届いていると思うので、そういうところをもう少し情報提供していただけるように、アンケートの中に、解決できたところ、できなかったところ、もう少し深く取り入れていただきたいと思います。

(司会)
司会の川口です。ありがとうございました。
ただいまのお話について、御質問や御意見等ありましたらお願いいたします。

(若菜委員)
若菜です。今回、金子さんにお話をいただいた就労支援のことで感じたことを私からお話ししたいと思います。
私も今回チェックリストのほうに記載したのですが、点字……これは行政機関、企業、さまざまな場所に関連することだと思うのですが、点字による受験や、拡大文字による受験、そしてパソコンの音声ソフトを使って問題文を読み上げて、それを聞いたものを書き込んで記載する試験、もしくは誰かに読み上げていただいてそれを口述で筆記をして回答する試験、様々な手法があるかと思います。
私も点字を使用しています。盲学校の幼稚部から専攻科まで過ごしました。国家試験も点字で受けました。その後、あんまマッサージ指圧師の資格を取り、現在は県立中央図書館に勤めていますが、千葉県の採用試験も点字で受けました。
千葉県では早い段階で点字の受験を実施しているかと思うのですが、市町村単位もしくは様々な県内の企業においても点字の受験を認めていただく、もしくは取り入れていただくことによって、就労の拡大が図れるのではないかと思います。
先ほども申し上げたように点字だけでなく、拡大文字や様々な手法で試験を受けるということが、様々な障害を持った方へ門戸を広げる手法になるのではないかと思い、お話をさせていただきました。

(司会)
司会の川口です。ありがとうございました。他にはいかがでしょうか。

(御園委員)
御園です。先ほどの若菜委員からの点字受験、採用試験に関することで補足です。
点字受験と拡大文字による受験は、千葉県と54市町村で確か100パーセントだったと思います。点字受験は1.5倍の時間延長が認められており、弱視、拡大文字の場合は1.3倍の延長が認められていると思います。今、その課題になっているのは、では点字が読めない人はどうするかという場合で、パソコンによる受験が認められていないケースが多いです。やはりこれからのことを考えれば、パソコンでも受験できる、または口頭で出題を受けてパソコンで回答できるというようなやり方も、最低でも公務員試験では採用すべき。これは私の所属している日本盲人会連合からも要望を出していることですが、必要かと思いますので、そのへんはぜひ検討して盛り込めた方がいいのかなと思います。

(司会)
司会の川口です。ありがとうございました。他にはいかがでしょうか。

(植野委員)
二つほど伺いたいことがあるんですが、金子さんのほうに。
船橋にお住まいと伺いましたが、今、船橋の地元の聴覚障害者団体がありまして、障害者差別解消法に伴う行政の対応要領について前もヒアリングがあったと聞いています。その内容が、又聞きの状況ではあるのですが、千葉県の作成した情報保障ガイドラインを対応要領の中に参考として盛り込んでほしいという話があったかどうか分かりませんけれど、残念なことにそういう部分はよくわからないという話になって、書いてはなかったらしいのですが、そのあたりのことはご存じでしょうか。ガイドラインが要領の中に入ったかどうか。他の市町村においては対応要領の中に、積極的に県のガイドラインというものの記述が盛り込んでいるというような、参考にしてほしいという形で積極的な取組の一つの文になっている場合もあるんですけれど、その辺は船橋がお分かりでしたら……

(星野委員)
すみません、もう少しゆっくりお願いします。

(植野委員)
二つ目は、点字についてですが、中途の、成人になって盲になった方で点字を覚えたいという方がどれくらいいらっしゃるのか。といいますのは、手話は視覚障害者の点字と同じように小さいときから覚える人もいます。その一方で、成人になった後に手話を覚えるのはなかなか厳しいということは言われますが、聞こえない人同士が集まった場合は便利であるということで、年齢が高くなっても手話を積極的に覚えようという人も増えています。点字の場合はどうでしょうか。そういう、成人になってから盲になった方で覚えようというグループの方はいらっしゃるかどうか教えていただきたい。

(金子委員)
金子でございます。最初に御質問のありました差別解消法の件について、そういうお話を伺いましたので、「そんな委員は誰が選考したんだろう」と、もっと自分たちでしっかり頑張らなければいけないね、というところで終わっています。よろしいでしょうか。

(植野委員)
まだ積極的にガイドラインについて要領の中に盛り込んでいないということでしょうか。

(金子委員)
うやむやみたいな話を私も聞いています。

(植野委員)
二つ目はいかがでしょうか。

(金子委員)
恥ずかしい話ですけど、私も点字は時間をかければ……、一、二時間で一行くらいしか読めません。中途視覚障害者です。40代半ばから強度の弱視になってきて、今は文字はほとんど読めないのですが、拡大読書器とかいろいろなものを試行錯誤しながら使っています。パソコンという音声でもって書類をスキャニングすればそのまま読めたりするので、なかなか私が点字のほうまでいくということがありません。それでやはり皆さん中途視覚障害者の方たちが点字を覚えるということは並大抵の苦労ではないと思います。私どものほうでもボランティアで中途視覚障害者の方に限って当事者に点字教室をやっておりますけれど、なかなか覚えることができず、よく私も教室に顔を出して背中が泣いているねというように声をかけるんですけど、本当に苦労して覚えていらっしゃいます。だからといってみんながそうかと思うと、ある50代の女性の方は、幸田露伴の「五重塔」を読みたいんだと、それを目標にされてすばらしく早く習得されました。そんな状況です。

(植野委員)
ありがとうございました。

(障害福祉課長)
障害福祉課長です。ちょっと補足をさせていただきます。職員対応要領については、まだ作っていない市町村が多少あるようです。県ではまず「作ってもらう」ことを呼び掛けているところで、あらためてまた作成の状況等を調べていこうと思っています。そういった意味で、実は中身まではまだ精査していない、作っているかどうかということが一番重要であったのでそこに力を入れています。御指摘のあった、ガイドラインに触れているかどうかという点でいえば、県の対応要領でも触れていないので、そのへんも含め検討していければと思います。ただ、もともとこのガイドラインの位置付け自体が、県の職員がしっかり守ってもらうというルールですので、これに職員対応要領で触れるかどうかという以前に、みんなが守ってもらえるようなルールにしていくということが必要なのではないかと思います。対応要領の各市の中身についてはまた調べて、次回に間に合うかはわかりませんが、少し報告できればと思っております。

(植野委員)
いくつかの市はガイドラインについて載せられているらしいんですね。

(司会)
司会の川口です。それでは、ただ今から約10分、休憩を取らせていただきます。4時15分になりましたら再開いたしますのでよろしくお願いいたします。

《休憩》

お問い合わせ

所属課室:健康福祉部障害者福祉推進課共生社会推進室

電話番号:043-223-2338

ファックス番号:043-221-3977

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