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更新日:令和6(2024)年2月6日

ページ番号:404862

「ダミ声が、人を呼び寄せてくれた」(令和2年度心の輪を広げる体験作文入賞作品)

「ダミ声が、人を呼び寄せてくれた」

一般区分

千葉県知事優秀賞

無職

吉田 久乃(よしだ ひさの)

 

「もしや、食道発声ですか?」

声をかけてくれたのは、若い女性でした。私の食道発声・永久気管孔についての質問でした。

私は5年前に喉頭がんにより声を失い喉元に永久気管孔を開け、食道発声で声を出す身体障害者となっていました。

コーヒーショップは、通院の合間に良く寄っていたので顔見知りの店員の方が声をかけられた様子を見て心配し、

「どうかされましたか?」

「いや、わたしの声を耳にして、食道発声と同じ気管切開のお子さんがいらっしゃるママが、声をかけてきてくださったようです。」

話すと

「こんな出逢いを店内でして頂けるのが、一番うれしいいですよ!!」と。

そして、ママは、お子様の為にいろいろ奮闘しており、今でも時折連絡をとり、同じ店でお茶をしています。

 

また、私のダミ声が・・・

いつものように定期通院でした。

診察も終わり、診察室の外で看護師と話していました。会計へ周り待っていると。

「すみません。」とご婦人が声をかけてきました。

片手にはメモ帳に「すみません。食道発声でしょうか?」

私は「はい。大丈夫ですよ。」と声を出すと、「先程、看護師さんと話をしているのを聞き、もしかして食道発声では?主人が同じ手術し今日が退院後初めての診察でした。」

「失礼ですが、今の声が出るまでに何年くらいかかりましたか?」と、私は「術後ようやく5年になりました。」お答えすると。お父様を心配されたお嬢様も付き添われており、話を聞いていました。

新型コロナウイルスの影響で手術後一回も面会できず、入院と退院時のみ付き添い。と聞きビックリした私は、すぐさま「是非、食道発声教室の銀鈴会(東京・三田)があります。一緒に頑張りましょう!」ご本人は、すでに病棟内にあった銀鈴会の案内をご覧になったようで、食道発声より電気式人工喉頭(EL)でと話していたようで、「大丈夫ですよ!必ず声が出るようになりますよ!食道発声から頑張りましょう。次回の開催日をお知らせしますね。」連絡先を聞き、三田までの交通機関を案内し、お別れしました。

後日、一緒に頑張りましょう!と言っていた当の私は欠席してしまい。ご本人は、教室を受講してくださったとのことです。

新型コロナウイルスの影響は、いまだに授業の妨げになっているようです。

 

最近、整形外科で腰痛除圧・固定手術の為入院生活を余儀なくされ過ごしていたら、耳鼻科病棟から異動になった看護師さんからは、「この手術(喉頭がんで喉頭摘出)した人は、本当に強いね!!!」術後で動けない私は意地でも頑張らなくては、と勇気づけられたひと言でした。

リハビリ室では、喉頭摘出者のおじいちゃまが車椅子に片手には尿パックを持ち、歩行訓練中、私が同じ永久気管孔とわかると、お互いに親近感を感じ、会話する事は無いのですが、毎日リハビリ室で会うたびに手を振り「頑張ろう!」「今日も頑張ろうね!」と笑顔の挨拶が日課となり、辛いリハビリが楽しくなった始まりになりました。

 

女性で食道発声このダミ声だと目立つのでしょうか?

声をかけてくださる方がいらっしゃる。

このダミ声が少しでも食道発声教室・銀鈴会の案内、そして、喉頭摘出者の方達に、頑張れば食道発声の声が出るチャンスがある事を広めたいと日々思うこのごろです。

お問い合わせ

所属課室:健康福祉部障害者福祉推進課共生社会推進室

電話番号:043-223-2338

ファックス番号:043-221-3977

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