保安林に関するよくある問い合わせ

地目が「山林」であっても保安林に指定されていることはありますか？
保安林の木は伐採できないのですか？
どんな制限がありますか？住宅を建てることはできますか？
保安林に指定されてから地番が変わった場合や所有者が変わった場合も指定の効力は有効ですか？
保安林の売買はできますか？どのような手続きが必要ですか？
保安林の管理は誰が行うのですか？
保安林に指定されると所有者にメリットはありますか？
保安林はどのような場合に解除できますか？
木が生えていない状況でも保安林は解除できないのですか？

この他のお問い合わせや個別の保安林に関するお問い合わせは所管の林業事務所までご連絡ください、

地目が「山林」であっても保安林に指定されていることはありますか？

　あります。地目は不動産登記法に定められた土地の用途による分類ですが、保安林の中には地目が変更されていない土地もあります。保安林に指定されているかどうかを確認したい場合は、所管の林業事務所まで照会ください。

保安林の木は伐採できないのですか？

　伐採には都道府県知事の許可又は届出が必要です。伐採の方法や限度などは、保安林ごとに指定施業要件として定められており、その範囲内であれば伐採を行うことができます。

伐採方法別手続等一覧
伐採方法	手続きの種類	具体的な手続き方法
皆伐	許可申請	皆伐限度公表の日から30日以内に申請
択伐	許可申請人工林は届出	伐採を開始する日の30日前までに申請伐採を開始する日の90日から20日前までに届出
間伐	届出	伐採を開始する日の90日から20日前までに届出

どんな制限がありますか？住宅を建てることはできますか？

　保安林は、災害を防ぐなどの森林の持つ働きを維持するため、森林の状態で保全される必要があります。そのため、立竹木の伐採、家畜の放牧、土石の採掘、開墾、その他土地の形質の変更行為が制限され、事前に都道府県知事の保安林内作業許可を受けることが必要となっています。

　保安林内作業許可については、保安林の機能に支障がない範囲で許可を受けることができますが、保安林を造成して住宅を建てるなど将来に渡り森林以外の用途に転用する行為は許可することはできず、場合によっては保安林の解除が必要になる可能性もあります。

　なお、無許可での立竹木の伐採や土地の造成など土地の形質を変更する行為は森林法違反となり、監督処分の対象となります。

保安林に指定されてから地番が変わった場合や所有者が変わった場合も指定の効力は有効ですか？

　保安林の指定後に分筆や合筆などによって地番が変更された場合も、変更前の地番で指定された範囲について指定の効力は引き続き有効です。また、保安林の指定はその土地に関して行われるものなので、売買や相続によって土地所有者が変わった場合も指定の効力は有効です。

保安林の売買はできますか？どのような手続きが必要ですか？

　保安林であっても土地の売買には制限はありません。なお、森林の所有者となった場合は、森林法第10条の7の2の規定により森林（保安林含む）が所在する市町村長への届出が必要です。

森林の土地の所有者届出制度について（林野庁ホームぺージ）

保安林の管理は誰が行うのですか？

　通常の財産と同じように土地所有者が管理することとされています。植林や間伐など森林の整備を行う場合には補助金制度を活用できる場合がありますので、所管の林業事務所へご相談ください。なお、国や県は保安林が指定の目的のとおり機能するよう、保安林に関する許可手続きや保全のために定期的な巡視等を行っています。

保安林に指定されると、所有者にメリットはありますか？

　保安林は特に森林の保全が必要と認められる場合に指定され、指定後は立竹木の伐採等の行為に厳しい制限がかけられますが、固定資産税等の免除や相続税等の軽減などの税制優遇措置が設けられています。

保安林はどのような場合に解除されますか？

　保安林を指定する理由が消滅したとき、または公益上の理由により必要が生じたとき、の2つの要件に該当する場合に解除できるものとされています。

　指定の理由が消滅したときは、例えば、防風保安林で背後の農地や住宅を保全するもので、地区の集団移転等により守るべき対象がなくなった場合に解除できるものとされます。

木が生えていない状況でも保安林は解除できないのですか？

　現状、立竹木がない状況でも指定の理由が消滅したとき、または公益上の理由により必要が生じたときに該当しなければ解除することはできません。また、保安林は土地の所有者が管理するものであるため、保安林の機能が維持できるよう適切に管理していただくことが必要です。