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更新日:令和元(2019)年5月16日

農作業安全対策について

近年、農業機械の開発と導入は著しく進歩を遂げており、農業経営において生産向上に大きな役割を果たしています。その一方では、依然として農業機械の利用に伴う農作業事故が発生し、県内では毎年、10名程度の方が尊い命を失っています。全国的にみても、年300~350名の農作業死亡事故が発生しています。こうした農作業事故をなくすために、農業者一人一が、安全対策の意識を高めていく必要があります。

1.農作業事故の現状

(1)全国の概要

全国の農作業中の死亡事故件数は、10年間で3,550件発生しており、平成29年でみると、農業機械作業に係る事故は211件(69.4%)、農業用施設作業に係る事故は13件(4.3%)、機械・施設以外に関する事故は80件(26.3%)となっています(図1)。

図1全国死亡事故件数

図1.農作業中の死亡事故発生件数

(2)農作業死亡事故の発生原因

農業機械に係る事故の機械の種類をみると、乗用型トラクターが最も多く、次いで歩行型トラクター及び農用運搬車となっています(図2)。乗用型トラクターによる事故原因は「機械の転落・転倒」によるものが多く、次いで「ひかれ」、「回転部等への巻き込まれ」、「道路上での自動車との衝突」、「挟まれ」となっています。歩行型トラクターについては「挟まれ」が最も多くなっており、農用運搬車については、乗用型トラクターと同様、「機械の転落・転倒」によるものが最も多くなっています。

図2機種別の要因

図2.農業機械に係る事故の機械の種類別割合

(3)高齢者の事故

農業従事者の高齢化等により、農作業事故においても高齢者の被害が多くなっています。70歳以上の死亡事故発生割合の推移をみると、毎年高い状況にあり、平成29年は69.7%(212件)となっています(図3)。

図3全国高齢者死亡事故割合

図3.70歳以上の死亡事故発生割合(全国)

(4)県内の農作業事故の現状

千葉県では、5年間で56名の方が亡くなっています(表1)。死亡事故の多くは農業機械作業に係る事故で、機械からの転落、機械の転倒、機械への巻き込まれ、壁やビニールハウスと機械に挟まれる等によるものです。

表1.千葉県における農作業中の死亡事故発生件数(単位:件)

区分

H25

H26

H27

H28

H29
農業機械に係る事故

9

13

6

6

4

農業用施設作業に係る事故

0

0

0

0

0

機械・施設作業以外に係る事故

4

5

8

0

1

合計

13

18

14

6

5


また、高齢者の事故が多く、平成29年は5割を切ったものの、70歳以上の方の死亡事故が多くなっています(図4)。

図4県内高齢者死亡事故割合

図4.70歳以上の死亡事故発生割合(千葉県)

(5)ハインリッヒの法則

ハインリッヒの法則によると、農作業事故による死亡事故及び重傷事故1件が発生する背景には、軽傷事故が29件あり、その下には、ヒヤリ・ハットの無傷事故が300件あると言われています(図5)。


図5.ハインリッヒの法則

2.農作業事故防止に向けた県の取組

(1)農作業安全推進の取組み

県内において毎年10件程度の農作業死亡事故が発生していることから、農作業事故を減少させることは喫緊の課題となっています。そのため、千葉県農作業安全推進実施要領に基づき、関係機関が連携し、県内において統一の目標をもって農作業安全推進を図ることとします。

(2)農業機械士の育成確保

農業機械に優れた知識と技能を持ち、指導的役割を果たす農業機械士を育成確保するため、農業大学校機械化研修科において、農業機械士育成研修等を実施しており、毎年40名程度を認証しています(表2)。

表2.農業機械士の認証件数

年度

H21

H22

H23

H24

H25

H26

H27

H28 H29 H30

認定者数(人)

40

41

38

40

51

44

37

37

43

53

うち学生(人)

24

26

19

17

24

20

17

20

20

23

農業大学校機械化研修科HP

(3)農業機械に関する各種研修の実施

農業機械の基本操作、点検整備や安全知識を習得する、トラクター基本研修などの各種研修を農業大学校機械化研修科が実施しています。

(4)農作業事故ゼロ研修会の開催

農作業安全の重要性について再確認していただくとともに、農業機械に係る情報について理解を深め、農作業事故防止を図ることを目的として、毎年、水稲の作業が始まる前に研修会を開催しています(表3)。なお、30年度については、中央研修会1回、地域研修会1回の計2回開催しました。

表3.平成30年度の開催実績

開催日

開催場所

主な研修内容

参加人数

1月24日

千葉市

(中央研修会)

  • 農作業安全対策について
  • 刈払機(草刈機)でよくある農作業事故
  • 千葉県農業機械士協議会の取組について
  • 免税軽油制度について
  • 農作業安全啓発資材について

88名

2月14日

長生村

(地域研修会)

 

  • 刈払機(草刈機)でよくある農作業事故
  • 免税軽油制度について
  • 千葉県農業機械士協議会の取組について
  • チェンソーの事故原因と安全対策

227名

(4)春・秋の「農作業安全運動」の取組

毎年、農繁期となる春(水稲の田植え時期)と秋(水稲の収穫時期)に「農作業安全運動の実施期間」を定め、ポスター(図6)等を活用し、農業者へ農作業安全の啓発を行い、事故防止に努めています。

図6.農作業安全確認運動ポスター(出典:農林水産省)

令和元年千葉県春の農作業安全運動実施要綱(PDF:75KB)

3.農作業事故防止のための留意事項

(1)農業者自身の「注意」と「具体的な対策」が必要

農作業安全のため、今すぐ自分で出来る有効な手段は、作業者自身の「注意」です。また、作業に適した服や防護眼鏡の着用、緊急時の連絡手段の確保等、具体的な対策を一つ一つ実施することが必要です。

(2)農業機械作業の主な注意点

  • 〈1〉農業機械は年々新しくなっています。取扱い説明書をよく読んで機械の特性を知り、正しい技術を身につけましょう。
  • 〈2〉機械作業中に詰まった物を取り除く場合など、機械の点検整備を行う時は、必ずエンジンを止めて作業しましょう。
  • 〈3〉点検は安全作業の第一歩です。日常点検、定期点検は必ず行いましょう。
  • 〈4〉作業は体にピッタリあった服装で行いましょう。
  • 〈5〉コンバイン作業などの組作業では、声をかけ合ってから機械を動かしましょう。
  • 〈6〉作業開始後2時間が経過した頃から事故割合が高くなっています。疲労やあせりは事故につながります。こまめに休憩を取りましょう。

(3)安全フレーム・安全キャブの装着

乗用型トラクターの死亡事故の主な原因は、トラクターを転倒、落下させ下敷きになるというものです。万が一の場合に身を守る手段として、安全フレーム・安全キャブの装着が有効です。

(4)道路走行上の注意点

農業機械による死亡事故のうち道路移動中の事故が増加しています。事故の原因としては、一般車との追突、接触等があり、夕暮れ時から夜間時にかけて発生しています。速度の遅い農耕車が一般の道路を走る場合は、交通法令に基づいた走行と、反射材など危険を回避するための機材を利用して事故を未然に防ぎましょう。

(5)高齢者の注意事項

高齢者の農作業死亡事故が増えています。「気持ちは若くても体がいうことをきかない」年齢的にも、視力、聴力、皮膚感覚などの機能、平衡機能、筋力の低下など体の変化は止めることができません。
常に意識して、機械の作業速度を合わせ、こまめに休憩をとるなど無理のない作業を心がけることが大切です。

(6)夏季熱中症対策

夏季の熱中症事故は毎年数件発生しています。特に気温の高い7月、8月には、注意が必要です。休憩をこまめに取り、水分補給をすることや帽子の着用、通気性の良い服装を心がけましょう。

(7)保険の加入

事故を起こさないことが一番ですが、万が一起こしてしまった時のために、労災保険や損害保険などに加入しておくことも必要です。
事故の要因をよく知り、常に安全な作業を心がけましょう。

よくある質問

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お問い合わせ

所属課室:農林水産部生産振興課農産班  

電話番号:043-223-2887

ファックス番号:043-222-5713

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