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更新日:令和5(2023)年3月3日

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ナシ園に棲む虫を最大限生かした環境に優しい害虫防除~害虫ハダニは農薬の使用を減らし、天敵カブリダニを増やして退治~

全国一の生産量を誇る千葉県の日本なし栽培では、害虫のハダニによる葉や果実の被害が問題となっています。ハダニは農薬のみでは防除が難しく、また、本県は都市近郊に立地するなし園も多いため、農薬のみに頼らないハダニ防除技術の開発が求められていました。そこで、ハダニの天敵カブリダニを活用した環境に優しい防除技術を開発しました。

1 研究期間

平成28年~平成30年

2 担当研究室

病理昆虫研究室

3 成果の概要

  • 1)多くのなし害虫類に効果のある農薬の使用を控えると、なし園に土着する天敵カブリダニ(写真1)が多く発生するようになります。
  • 2)この天敵カブリダニをハダニ防除に活用するには、なし樹株元の雑草を生やしておく株元草生(写真2)が有効です。
  • 3)以上の取り組みにより、土着の天敵カブリダニが活躍しやすい環境を整えたうえで、市販の天敵カブリダニ製剤(写真3)をなし園内に設置すると、土着天敵と天敵製剤の<w(ダブル)天敵>による相乗効果でハダニ密度を低く抑えることができます。

ミヤコカブリダニ写真

写真1 害虫ハダニを食べる天敵カブリダニ

株元草生栽培

写真2 株元草生栽培

設置された天敵製剤

写真3 設置された天敵製剤

白いパックの中で天敵カブリダニが増殖して外に出てくる

4 期待される効果

ハダニの発生に悩まされるなし園では、これら天敵カブリダニを活用したハダニ防除技術を導入することにより、より安定的な日本なし栽培が可能となります。

5 現在の状況

農薬だけに頼らず、園内の土着天敵による害虫抑制機能を活用して日本なし栽培に取り組む生産者が増加しています。現在、東葛飾地域などの若手生産者による実証試験を行っています。また、東葛飾農業事務所やJA市原市による本技術の勉強会が開催されています。

*本研究は、農研機構生研支援センター「イノベーション創出強化研究推進事業」
(土着天敵と天敵製剤<w天敵>を用いた果樹の持続的ハダニ防除体系の確立)で実施しました

お問い合わせ

所属課室:農林水産部農林総合研究センター研究マネジメント室

電話番号:043-291-0151

ファックス番号:043-291-5319

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