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更新日:令和6(2024)年3月7日

ページ番号:8287

特産果樹研究室 Evergreen Fruit Trees Laboratory

研究の基本方向

県南地域の自然環境を活用した暖地性果樹の栽培の研究を進めています。暖地特産果樹の品目として、地域の基幹作物として大きな役割を担っている常緑果樹のビワ(県内の平成27年度栽培面積162ha)、カンキツ(同170ha)の品種の導入や栽培技術の確立を行っています。ビワでは食味に優れ栽培しやすい品種を目指して、新品種の育成に取り組んでいます。また、カキの新品種導入に関する試験も行っています。

一方、東京湾横断道(アクアライン)や館山道、圏央道の整備が進み、県南地域を中心に観光・直売農業が注目を集めています。関係機関と連携をとりながら、観光・直売の果樹栽培を支援する品目・品種の導入や栽培技術を開発しています。

現在の主な取組

千葉県オリジナルのビワ新品種の開発

南房総特産のビワは果実が大きく、外観美麗で、食味が良い特徴があり、露地や加温施設で栽培されています。これまでに築いたブランドを維持し、安定生産を実現するため、露地栽培では耐寒性、施設栽培では耐高温性を有する本県オリジナル品種の開発を行っています。

千葉県オリジナル品種「富房」

[写真]千葉県オリジナル品種「富房」 

世界初の種子なしビワ「希房」

[写真]世界初の種子なしビワ「希房」

「希房」(左)の断面(右:「富房」)

[写真]ビワの断面(左「希房」 右「富房」)

ビワの栽培適地判定マップの開発

本県はビワ栽培の経済栽培地域の北限であり、露地では寒害(冬の寒さでビワの幼果が枯死するなどの障害を受けること、写真参照)を避けるため、主に冷気が溜りにくい山の急傾斜地で栽培が行われていますが、生産者の高齢化に伴い作業性の良い平坦地で栽培が望まれています。そこで、冬季の低温とビワの寒害の関係を詳細に調査すると共に、産地の圃場の寒害発生リスクをマップで示す栽培適地判定マップの作成に取り組み、平坦地での栽培の拡大を目指します。

ビワ幼果の寒害、健全果

寒害被害果

[写真]ビワ幼果の寒害、健全果(左)、寒害被害果(右)

ビワの台風による災害からの復興に関する試験研究

ビワの樹は根が浅いため強風で倒れやすく、令和元年の台風15号では多くの樹が倒れ、産地は大打撃を受けました。今後も強い台風の襲来が懸念されるため、強風により樹が倒れた場合の対処方法と、強風でも樹が倒れにくい栽培技術の開発に取り組んでいます。また、植えなおした苗木をなるべく早く生育させるための試験も行っています。

台風により倒れた樹

[写真]台風により倒れた樹

植えなおした苗木の生育を良好とする盛り土式改植

[写真] 植えなおした苗木の生育を良好とする盛り土式改植

観光・直売に適した熱帯・亜熱帯果樹の品種選定と栽培技術の確立

気候が温暖で観光農業が盛んな南房総地域では、熱帯・亜熱帯果樹の導入が始まっています。特産果樹研究室では近年栽培が増えているパッションフルーツの試験研究に取り組んでおり、パッションフルーツは苗木を毎年植え替える必要があるため、生産者が安定した生産ができるように挿し木による苗木の育成技術の開発を行っています。

パッションフルーツの果実

 [写真]パッションフルーツの果実

パッションフルーツの花

[写真]パッションフルーツの花

千葉県に適したカンキツ類の優良系統の選定

(国研)農研機構果樹茶業研究部門で育成している中晩生カンキツ類の品種特性を明らかにして、千葉県に適した系統を選定しています。登録された品種は、更に、栽培特性を明らかにして観光・直売が盛んな産地に速やかな導入を図ります。

県南地域で生産されている「はるみ」

「不知火(しらぬい)」

[写真] 県南地域で生産されている「はるみ」と「不知火(しらぬい)」の果実

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お問い合わせ

所属課室:農林水産部農林総合研究センター暖地園芸研究所暖地園芸特産果樹研究室

電話番号:0470-22-2603

ファックス番号:0470-22-2604

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