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更新日:令和5(2023)年4月14日

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06.東京湾漁業と千葉の貝塚遺跡

生物の楽園とその恵みに育まれた漁業文化

生物の楽園

 浦安から富津に至る東京湾沿岸地域には、かつて広大な干潟が広がっていました。干潟はゴカイ類、カニやシャコなどの甲殻類、アサリやハマグリ、アカニシ、ウミニナなどの貝類、ハゼやキス、イワシ、ボラ、カレイ、スズキ、クロダイ、アナゴなどの魚類の良好な生息地であるとともに、それらを食べるサギなどの鳥類が集まる生物の宝庫です。昭和30年代に始まった埋め立てにより、多くの干潟は失われてしまいましたが、現在でも海苔養殖やアサリ漁業、スズキ、カレイ、コノシロなどを捕る曳網漁や巻網漁、刺網漁が行われています。中でもスズキ漁業は、全国第1位の漁獲高を誇ります。また、東京湾で捕れたアナゴなどは、江戸前ブランドとして、高値で取引されています。

全国一の貝塚密集地帯

 この地域は、全国一の貝塚密集地帯でもあります。千葉市の加曽利貝塚、荒屋敷貝塚、市川市の堀之内貝塚、姥山貝塚など国指定史跡が数多く所在します。

 これらの貝塚遺跡からは、土器や石器のほか、貝殻や動物の骨が多数出土します。加曽利貝塚の貝層を調べたところ、イボキサゴ、ハマグリ、アサリ、シオフキ、オキシジミ、カキなどの貝殻や、クロダイ、マダイ、アジ、イワシ、サバ、スズキ、ボラ、イシダイ、フグ、エイ、サメなどの魚の骨が見つかりました。また、これらの魚を捕まえるための道具類(ヤスや網のおもり)も多数出土しています。

 1万年もの長い間、豊かな海の恵みに支えられて千葉の文化は育くまれてきました。

東京湾に広がる干潟

東京湾に広がる干潟

加曽利貝塚

加曽利貝塚空撮

千葉市 加曽利貝塚

東京湾の漁

昭和30年代の東京湾の風景
(故・林辰雄氏撮影写真・県立中央博物館蔵より)

東京湾の風景

昭和30年代の東京湾の風景
(故・林辰雄氏撮影写真・県立中央博物館蔵より)

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