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更新日:令和5(2023)年4月14日

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21.勝浦藩と勝浦の朝市・カツオ祭り

海の幸、山の幸が行き交う町

勝浦の朝市

 勝浦の朝市は、1日から15日までは下本町、16日から月末までは仲本町で、毎朝6時ごろから11時ごろまで、水曜日を除く毎日行われています。市街地の狭い通りには、野菜や果物、魚介類、種苗、日用雑貨を商う露店が並び、近隣の買物客だけでなく観光客も訪れます。近年では、石川県の輪島、岐阜県の高山と並ぶ日本三大朝市と評されるようになりました。

 この朝市は、徳川家康の江戸入府に伴って勝浦に入った植村土佐守泰忠(うえむらとさのかみやすただ)によって始められました。覚翁寺には泰忠の出した市の定め書が伝えられており、これによると、酒の売買を勝浦城下だけに限定し、また勝浦で市の開かれる日は、近郊の松部(まつべ)・串浜・川津・新官(しんが)・吉宇(よしう)での市の開催を禁じています。勝浦城下の整備にあたり、市の開設を重要なものと位置づけていたのでしょう。勝浦以外でも、夷隅郡と長生郡内各地で、江戸時代からの六斎市が、今も続いています。大多喜城下の市は初代大多喜藩主本多忠勝が、茂原の市は大久保忠佐(おおくぼただすけ)が開設したという記録があります。この地域の市には、江戸開府に伴って房総へ入封した徳川家の重臣たちによって創始されたものが多いことがわかります。

 もっとも、勝浦ではごく小規模な市が続き、朝市として賑わうようになったのは、時代も下った明治から大正時代ころのことです。道路網の整備、鉄道の開通などで人や物資の流通が盛んになるにつれ、朝市も活況を示すようになりました。毎朝開かれるようになったのも、明治年間のことと伝えられています。

勝浦の漁業とカツオ祭り

 一方、勝浦漁港は千葉県では銚子漁港に次ぐ県内2位の漁獲金額を示し、外房漁業の拠点になっています。なかでもカツオの水揚げは日本有数で、黒潮の勢力が増す3月上旬から6月なかばまで、地元の漁船だけでなく、鹿児島や宮崎・高知などの大型漁船が勝浦沖で操業します。これら他県の船も東京に近い勝浦で水揚げするため、漁港は連日の賑わいをみせます。また、マグロ・キンメダイ・カジキ・イカなどの水揚げも豊富です。平成13年からは、6月初旬に勝浦港カツオまつりが開催されることになり、カツオの町としてのイメージPRに、一役買っています。

 勝浦の漁業も、その発展の端緒は江戸時代にあります。黒潮と親潮のぶつかる房総沖が漁場として注目され、関西漁民による出稼ぎ漁業が行われて、さまざまな漁業技術がもたらされたのです。また外海から江戸へ直接物資を運ぶ航路が開発されたことも相俟って、漁獲量は飛躍的に伸び、勝浦が漁業拠点、港町として発達する基礎が築かれたのです。

 「海中展望塔」「海の博物館」などの施設に恵まれ、近年は海浜リゾート開発が進む勝浦ですが、江戸時代からの長い歴史を持つ朝市や漁業の活気が、観光のひとつの魅力となって、多くの人々をひきつけています。

勝浦の朝市(下本町にて)

勝浦の朝市(下本町にて)

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