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更新日:令和5(2023)年1月6日

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「ちば文化的景観」(8)東京湾を望む上総丘陵のゾーン

1.東京湾岸の京葉工業地帯

東京湾岸の京葉工業地帯京葉工業地帯は、浦安市から富津市に至る海岸線を、約12,000ヘクタールを埋め立てて作られ、日本の高度経済成長の要として発展してきた。特に、千葉市、市原市から富津市にかけての地帯には、鉄鋼、化学、石油関係の工場や発電所などが並び、日本最大規模の素材・エネルギー供給地となっている。千葉県の現代産業を象徴する文化的景観と言えるだろう。

2.東京湾盤州干潟と東京湾内の潮干狩り(木更津市)

東京湾盤州干潟と東京湾内の潮干狩り小櫃川河口に広がる盤州(ばんず)干潟は、東京湾に残る唯一の広大な自然干潟であり、多くの生物が生息している。春3月を迎えると、木更津市内の木更津、江川、久津間(くづま)、金田、牛込(うしごめ)の各海岸では潮干狩りが行なわれ、関東近県から多くの人が訪れる、春の風物詩となっている。

3.木更津市金田の簀立景観

木更津市金田の簀立景観「簀立(すだて)」は、遠浅の海岸に網を張りめぐらし、潮の満ち干で移動する魚を網の中に追い込んで捕る伝統的な漁法である。小櫃川の河口部で干潟が広がる金田海岸では、大正時代の末期頃から、この漁法が始められ、現在では主に観光用に簀立が行われている。小櫃川河口の干潟に、簀立の網を張った竿が林立する独特の景観が広がっている。

4.君津市久留里地区の町並みと酒と水の景観

君津市久留里地区の街並み君津市久留里城は、戦国時代に真里谷武田氏(まりやつたけだし)により築かれた後、房総里見氏の手に渡り、義堯(よしたか)の代には、里見氏の上総地域における本拠地として重要な役割を持っていた。その後、江戸時代には、徳川氏譜代の大名の土屋氏や黒田氏の居城となった。また、久留里は、大多喜と並んで房総半島の交通の要衝としても栄え、久留里城の北西に広がった城下町は、江戸時代以来整備が行われ、目抜き通りに沿って「土蔵造り」の商家が並ぶ城下町の景観がつくられた。また、久留里は良質な湧き水に恵まれ、現在でも町並みの中に井戸から水が湧き出す様子が多く見られる。この湧き水を利用して、江戸時代以来酒造りが盛んで、その銘柄は現在でも千葉の地酒として親しまれている。

5.富津市富津の漁港景観

富津市富津の漁港景観南北朝時代には「古戸(ふっと)の津(つ)」と呼ばれた港で、富津岬に通じる道に沿って町並みが続き、その北側には東京湾漁業の拠点の富津漁港がある。町並みの東端の東福寺や長秀寺には鎌倉時代の仏像や南北朝・室町時代の石塔が残されている。江戸時代には俳人・小林一茶が訪れ、彼と親交のあった織本花喬(おりもとかきょう)の墓も残されている。

6.富津市富津の海苔養殖景観

海苔養殖景観千葉県内の海苔養殖は、近江屋甚平により小糸川河口の人見(ひとみ)村(君津市人見)で文政4年(1824)に始められた。明治以降、遠浅の地形を生かし、富津岬周辺が、上総海苔の代表的な生産地へと発展。現在は、10月から4月頃にかけて、富津岬の砂浜と松林を背景に、岬周辺の海面に海苔養殖用の網が浮かぶ景観が広がる。

7.袖ケ浦市山谷(字・三作、大曽根)周辺の鎌倉道の景観

袖ケ浦市山谷(字・三作、大曽根)周辺の鎌倉道の景観千葉県各地には、鎌倉へと通じる「鎌倉街道」といわれる道が残されている。その一つが、袖ケ浦市下新田から上泉にかけて残された古道で、「鎌倉街道」の地名が伝えられている。この道の一部では、発掘調査も行われており、鎌倉時代(13世紀頃)から街道として使われていたことが確認された。現在も、台地上の畑の中に、古くから道が残されおり、江戸時代の道標が建つ景観を見ることができる。

8.市原市の西広堰

市原市の西広堰養老川の下流の灌漑用水堰。板と角材で作られる農業用の羽目板堰(はめいたぜき)で、日本で唯一のもの。明治14年(1881)に、夷隅郡山田村出身の渡辺前右衛門(わたなべぜんえもん)が羽目板堰の技術を導入して作った。現在は、下流にコンクリート可動堰(かどうぜき)が作られているため灌漑用には使われていないが、かつての灌漑用水堰の様子を知ることができる。なお、現在、堰の組み立ては、毎年ではなく不定期となっている。

9.市原市平蔵地区の水田と農村景観

市原市平蔵市原から大多喜に通じる谷筋に残された谷津田と農村の景観。室町時代中頃(15世紀)に建立された重要文化財の西願寺阿弥陀堂、室町時代中頃におきた上総本一揆(かずさほんいっき)の舞台となった平蔵城が残され、その周辺の水田と丘陵の間に古くから屋敷が点在する。中世以来の歴史と文化を残す、文化的景観である。

 

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