羽田再拡張事業に関する県・市町村連絡協議会(定例会)の開催結果について(令和7年12月25日)
発表日:令和7年12月25日
総合企画部空港地域共生課
「羽田再拡張事業に関する県・市町村連絡協議会」(以下、「連絡協議会」という。)では、国土交通省に対し、羽田空港の離着陸機による騒音軽減策等の検討・実施を求めています。
本日開催した連絡協議会において、国土交通省から羽田空港の運用状況や騒音軽減策の状況などについて説明があり、連絡協議会から、本県上空の飛行ルート下の更なる騒音軽減の早期実現を図ることなどを求めました。
1 県からの主な説明事項
羽田空港の航空機騒音に関する苦情発生状況
2 国土交通省からの主な説明事項
(1)航空機騒音の現況について
○令和7年4月から8月までの間における航空機騒音の測定結果について
- 当該期間における県内各地の航空機騒音測定値(Lden)は、機能強化前である令和元年度の同期間と比較し、南風着陸経路下の測定局では増加又は同じ値、北風着陸経路下では減少又は増加が見られた。
- 一方で、新飛行ルート(南風時の新到着ルート(いわゆる「都心上空ルート」)及び北風時の新出発ルート)の運用時間中において、従前からの飛行経路下において騒音軽減効果があったことを確認した。
- 今後の騒音軽減状況については、滑走路の運用割合、機材割合等により数値が変動するため、今後の測定値とそれを踏まえた年間値について引き続き注視する必要がある。
- 今後も騒音測定を継続的に行い、千葉県下の騒音軽減状況について適切に検証していく。
(2)羽田空港の運用状況について
- 南風時の新到着ルートについては、令和7年4月から10月までの間に134日運用され、15,914機が同ルートを飛行して着陸した。
- 千葉県の陸域に影響を与える機数は、時間帯別(6時台、7時から18時台、19時から21時台、22時台)に見ても、富津沖海上ルートや都心上空ルートの運用等により、機能強化前の令和元年度に比べ、令和6年度は減少した。
(3)飛行ルート下の騒音軽減策について
○羽田空港に就航する航空機の機種割合について
- 令和7年(4月から10月)における低騒音機(A320neo・B787・A350等)の割合は約37%であり、平成31年1月時点の低騒音機の割合(約11%)と比較して約26ポイント増加している。
○第7回羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会の結果について
(4)総合的なコミュニケーションについて
(5)その他
- 航空機衝突事故を踏まえた国の取組状況について説明があった。
- 10月13日に発生した航空機と滑走路灯の接触事案について説明があった。
3 国土交通省に対する連絡協議会としての意見等
- 羽田空港の飛行ルートの運用及び騒音影響を軽減するための取組について記載した「確認書」(令和元年12月締結)の内容を今後も着実に履行すること。
(航空機騒音の現況について)
- 千葉県下の騒音影響が軽減されるようしっかりと取り組むとともに、羽田空港の機能強化に伴う影響を引き続き十分に検証し、令和8年度の連絡協議会でその結果を説明すること。
(羽田空港の運用状況について)
- 15時から19時までの間において3時間程度運用することとされている都心上空ルートについて、概ね3時間に達しない日もあり、気象条件の影響が大きいことは理解するものの、可能な限り積極的に活用するよう引き続き取り組むこと。
- 「富津沖海上ルート」を使用する北風好天時運用について、年間運用比率25%を恒常的に上回るよう、引き続き運用を徹底すること。
- 雷雲などによる悪天候などのやむを得ない場合を除き、深夜・早朝時間帯の着陸ルートを、富津沖を通過し東京湾内を飛行する「海上ルート」とすること。
- 令和6年度について、千葉県上空を飛行する機数は全ての時間帯で減少したことが確認できたが、気象条件等に影響されることから、単年度の結果のみで騒音影響を評価することは難しいため、今後、令和7年度の結果等も併せて示すこと。
(飛行ルート下の騒音軽減策について)
- 低騒音機導入を更に促進するため、より騒音が大きい中・大型機については、機体の騒音値に重点を置いた料金体系への見直しを検討すること。
- 本県上空の従前からの飛行ルートにおける降下角の引上げについて、検討を早期に進め、実現を図ること。
- 深夜・早朝時間帯の隣接時間帯(22時台及び6時台)について、生活環境への影響の大きさに鑑み、騒音に配慮した飛行方法の検討を着実に進めること。
- 都心側住民にも配慮しつつ、都心上空ルートの更なる運用も含めたあらゆる対策の可能性について検討すること。
- 東京都上空の新飛行ルートの固定化回避策の検討に当たっては、本県への騒音負担のしわ寄せがないよう徹底すること。
- 着陸機の交差の低減・解消、更なる高度の引上げなど千葉県上空の飛行ルートの更なる騒音軽減策、海上ルートを通過するルートへの移行、首都圏全体での飛行ルートの更なる分散化について、管制技術の進展や航空機の技術革新、航空機運用の現状分析なども踏まえ、あらゆる角度から検討し、早期実現に向けて取り組むこと。
(総合的なコミュニケーションについて)
- 羽田空港の航空機運用や騒音軽減に向けた取組等について、住民への詳細な説明と積極的な情報公開に、更に取り組むこと。
(その他)
- 損傷した可能性のある航空機が千葉県上空を飛行した場合、落下物などの安全上の問題が発生する恐れがあること、及び短期間で同様の事案が二度も発生していることから再発防止に取り組むこと。
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