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更新日:令和3(2021)年4月21日

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くらし・福祉・健康

江戸川第一終末処理場供用開始施設の紹介

令和3年4月21日掲載

令和3年3月1日に江戸川第一終末処理場が供用開始しましたので完成した施設を紹介いたします。

動画の内容

はじめに

皆様の生活に欠かせないトイレや台所。そこから出される汚れた水、いわゆる汚水は、下水道管を通り下水処理場に送られ、きれいな水にして川に流します。

千葉県では、この下水道管や下水処理場の整備や管理を行っています。

そのうちの一つ「江戸川第一終末処理場」が、令和3年3月1日に供用開始しましたので、完成した施設を紹介いたします。

江戸川第一終末処理場の役割 

 江戸川第一終末処理場は、黄色着色部分の江戸川左岸流域の汚水を処理するために新しく建設している処理場です。

江戸川左岸流域下水道は、北は野田市から南は浦安市までの8市にわたる広い範囲の汚水を処理しています。今までは「江戸川第二終末処理場」の1箇所で昭和56年4月から汚水を処理してきましたが、8市の下水道整備や都市化が進み、汚水の量が増加してきたことから、平成18年度に「江戸川第一終末処理場」の建設に着手しました。

江戸川第一終末処理場の概要 (江戸一平面図)

 江戸川第一終末処理場は、東京メトロ東西線妙典駅の南西に位置し、敷地面積約30ヘクタール、水処理施設が9系列できる計画となっており、今回、第1系列を供用開始したことにより、1日平均、約2万立方メートルの汚水の処理が可能となりました。この量は、小学校などにある一般的な25mプールに換算すると、約40杯分となります。

それでは、江戸川第一終末処理場が出来るまでを航空写真で見てみましょう。

 

航空写真で見る江戸川第一終末処理場計画地の変遷 (江戸一航空写真)

事業開始前の昭和40年代は、周辺一帯に沼地や蓮田などが広がっていました。

このころ行徳地区を中心に土地区画整理事業による住宅開発が開始され、昭和44年には東西線が開通しています。

 平成に入る頃では、建設機械や資材置場、さらに残土置場などが徐々に増えて、事業開始前の平成17年頃は、さらに拡大しました。

その後、平成18年度から事業を開始し、用地を取得しながら造成や施設の建設を進めてきました。

工事の本格化に合わせて、周辺環境への影響を減らすため、このころから散水や道路清掃を行うようになりました。

平成26年頃には、主ポンプ棟、平成27年頃には、水処理第1系列の建設に着手し、平成28年は、それらの建設が進められています。平成29年頃は着水井、平成30年頃は汚泥処理棟の建設が進められている様子が見られます。

令和2年1月には、供用に必要な建物の建設がほぼ終わり、電気、機械設備の整備を行い。

令和3年3月1日に供用開始を向かえることができました。

下水道のしくみ (下水道のしくみ)

下水処理場には、どのような施設があるのでしょうか。下水道のしくみを見てみましょう。

家庭や工場などから排水された汚水は、8市が整備した下水道管から県が整備した下水道管に入り下水処理場に送られます。

下水処理場に送られた汚水は、ポンプ棟や沈砂池で大きなゴミや土砂を取り除き、水処理施設に送られます。

水処理施設では、最初沈殿池で大きな浮遊物を沈殿させた後に、反応槽で「活性汚泥」と呼ばれる微生物が含まれる泥を混ぜて、空気を送り込んでかき混ぜます。このとき、この微生物が有機物を食べることで水を浄化し、最終沈殿池で活性汚泥を沈殿させ浄化されてきれいになった無色透明の上水(うわみず)を塩素消毒して、河川に放流します。

このように、下水処理場は、家庭などから出た汚水をきれいで安全な水に変えて皆様の生活環境を守る役割を担っています。

江戸川第一終末処理場の施設の流れ 

 それでは、実際に供用開始する江戸川第一終末処理場の中を見てみましょう。

着水井

地下約30mの深さにある汚水管を通じ、着水井に汚水が到着します。到着した汚水は、主ポンプ棟へ送られます。

主ポンプ棟

主ポンプ棟には、入り口を入ってすぐに、除塵機という機械があり、ここで汚水のなかの大きなゴミを取り除き、その後、ポンプで沈砂池棟に送られます。

除塵機

こちらは、除塵機のスクリーンで、大きなゴミは、ここで取り除かれます。

主ポンプ

大きなゴミが取り除かれたら、今度はこの主ポンプで、高低差約30mの地下5階から地下1階まで、汚水を一気に汲み上げ、沈砂池棟に送ります。

沈砂池棟

こちらは、沈砂池棟です。沈砂池棟では、除塵機で取り切れなかった、ゴミや砂を沈めて取り除きます。

沈砂池棟の後は、導水渠を通り、水処理第1系列に送られます。

水処理第1系列

水処理施設は、3つの池に分かれています。

最初沈殿池

まずは、最初沈殿池です。ここでは、汚水を丸い穴の開いた整流壁に通し、ゆるやかに流すことで沈みやすい浮遊物を沈殿させます。

反応タンク

次に、反応タンクです。ここでは、先ほどご説明した活性汚泥と呼ばれる多量の微生物の入った泥をまぜ、空気を送り込んでかき混ぜます。

このように空気を送り込むと、微生物が活発に活動し、汚水の汚れを食べ、沈みやすい固まりになります

最終沈殿池

最後は、最終沈殿池です。ここでは、沈みやすい固まりになった活性汚泥を沈殿させ、ほとんど無色透明なきれいな水にし、流出渠に送られます。

流出渠

最終沈殿池できれいになった水は、流出渠を通過する際に塩素消毒します。塩素消毒した水は、放流幹線を通じて旧江戸川に放流されます。

中央監視室

下水処理場では、活性汚泥と呼ばれる微生物を使用しているため、汚水の量や気温などの変化に対応しながら、常に良好な状態を保ち処理していかなければならないことから、24時間体制で、運転状況などを監視しています。

そのため、こちらの中央監視室では、処理場の全ての施設の運転状況が一目(ひとめ)でわかるようなモニターを設置し、監視制御しています。

おわりに 

 水の汚れの代表的な指標であるBODは、流入する汚水で約200mg/Lであるのに対して、江戸川第一終末処理場での処理後は8mg/L以下となるよう設計しています。

 また、東京湾の赤潮発生の原因となる窒素やリンも除去する処理方式を採用しています。

 千葉県では、公共用水域の水質保全や皆様の生活環境の向上を図るため、引き続き、江戸川第一終末処理場の整備を進めてまいります。

 今後とも事業へのご理解をよろしくお願い致します。

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お問い合わせ

所属課室:県土整備部江戸川下水道事務所第一終末処理場建設課

電話番号:047-397-6342

ファックス番号:047-397-6321