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診療科・部門紹介

放射線科

放射線科とは

大人にとって簡単な放射線検査でも、子どもは検査を理解できず、不安になり泣いたり暴れたりします。

そこで放射線科では、安全面での努力はもちろん、お子さんの不安や恐怖を可能な限り無くし、親しみを感じられるよう心がけながら接しております。

しかしどうしても不安や恐怖を取り除けない場合は、検査の重要性を考慮し、お薬で眠って頂いたり、ご両親の介助が必要となりますので、ご理解とご協力をお願い致します。

業務内容

単純撮影検査

胸部、四肢など身体のさまざまな場所の撮影を行ないます。
もっとも一般的な胸部のX線撮影では呼吸器系、循環器系の病気の診断に役立っています。
その他の場所の撮影においても全身のさまざまな病気の診断に役立っています。
短時間の検査ですので眠っていただく必要はありませんが固定具など使用する場合もあります。

単純撮影装置
単純撮影検査装置

核医学検査

アイソトープ検査、RI検査ともいわれる検査です。
ある決まった臓器に集まる薬を体内に注入して写真を撮る検査です。この薬は極微量の放射線を出しますので、その放射線を大きなカメラで撮影します。
検査内容により検査開始までの時間や検査時間が大きく変わります。小さなお子様の場合はお薬を使用して眠った状態での検査になります。

核医学検査装置

血管造影検査

一般造影検査同様、造影剤というX線に写る薬品を使用して検査を行ないます。
一般造影検査と違う点はカテーテルという細い管を血管の中に通し、観察したい血管や臓器の近くで造影剤を注入して血管の走行や臓器の形態などを調べる検査です。

また、検査だけではなく手術に準ずる治療も行ないます。
長時間の検査になりますので麻酔などで眠った状態での検査になります。

血管造影検査装置

MRI検査

強力な磁場の使用とコンピュータ処理により身体の内部の様子を撮影する検査です。CT検査の様な輪切りの写真だけでなく、いろいろな方向からの写真を撮ります。

時間のかかる検査ですので小さなお子様はお薬を使用し眠った状態での検査になります。その際、寝不足気味の方がお薬の効きが良いので検査前日は睡眠時間を短くするようにして来院していただけるようご協力ください。

MRI検査装置

CT検査

X線とコンピュータ処理により身体の内部の様子を撮影する検査です。身体の周囲からX線を当て,身体を数mmの輪切りにした状態の写真を撮ります。
単純撮影検査の写真では得られない身体の内部が観察でき、立体的な画像も得ることができます。
MRI検査ほど時間はかかりませんが小さなお子様の場合は眠くなるお薬を使用する場合があります。

CT撮影検査装置

造影検査

造影剤というX線に写る薬品を使用することによって単純撮影検査では撮影できない場所の検査を行ないます。
口から直接造影剤を飲んでいただき食道、胃などの消化器系を観察する検査や点滴などで造影剤を注入して腎臓、膀胱などの泌尿器系を観察する検査を行ないます。
時間のかかる検査ですが検査中は医師、看護師がついていますので安心して検査を受けてください。

造影検査装置

放射線治療

身体の外から放射線を当てて腫瘍をやっつける治療です。放射線治療は数日間に渡り治療を行なうため放射線治療専門の医師が治療を計画して、それに従い専門の知識を持った技師が治療を行ないます。
一回の治療時間は短いのですが、お子様が治療中に動いてしまいますと目的以外のところに放射線が当ってしまい危険ですので固定具を使用します。
また、小さなお子様の場合には毎回お薬で眠った状態での治療になります。

放射線治療装置

スタッフの人数

  • 放射線科医非常勤:2名
  • 診療放射線技師:12名(常勤:11名、会計年度任用:1名)
  • 医療事務:4名

実績、各種認定資格と取得者数

被ばく低減への取り組み

放射線検査でうける被ばく量は、診断にとって線量が高すぎるかどうかを判断する目安である「診断参考レベル(DRL)」を利用し、検討することが推奨されています。また、各医療機関での平均被ばく量が診断参考レベルと大きく離れている場合は、検査条件の見直しが必要になります。

当院放射線科では、日々被ばく量が最適化されるよう考慮しながら検査に取り組んでいます。

下記の表1、2はCT検査と心臓カテーテル検査の線量の中央値を示したものです。

表1:2022-5-20 現在のCT検査線量中央値とDRLとの比較(単位:mGy・cm)

区分 頭部CT 胸部CT 腹部CT
年齢(歳) 0 1-4 5-9 10-14 0 1-4 5-9 10-14 0 1-4 5-9 10-14
患者数(人) 287 314 293 264 8 13 19 50 3 1 16 27
全国DLP 480 660 850 1000 70 95 175 230 110 190 265 450
当院DLP 321 522 496 519 29 54 78 130 77 65 183 316

表2:2022-5-31 現在の心臓カテーテル検査線量中央値とDRLとの比較(単位:mGy)

区分 診断カテーテル検査 IVR
年齢(歳) 0 1-4 5-9 10-14 0 1-4 5-9 10-14
患者(数) 49 76 23 24 24 24 23 10
全国Total K(air) 100 130 190 350 150 210 210 500
当院Total K(air) 50 61 68 277 43 84 78 141

CTの被ばく量は「DLP」、心臓カテーテル検査での被ばく量は「Total K(air)」で示されます。

「全国DLP」、「全国Total K(air)」に示される数値は診断参考レベルの被ばく線量であり、「当院DLP」、「当院Total K(air)」に示される数値が当院での被ばく線量になります。

表1と2に示されるように、当院でのCT、心臓カテーテル検査の被ばく線量中央値はすべて診断参考レベルを下回っています。

その他の検査でも診断参考レベルを利用しながら、被ばく線量の検討、管理を行っておりますので、安心して検査を受けていただくことができます。

なお、被ばく線量に関し何かご不明な点や不安なことがありましたら、お気軽にお声がけください。

各種認定資格と取得者数

  • 放射線取扱主任者:4名
  • 放射線治療専門放射線技師:1名
  • X線CT認定技師:2名
  • 血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師:1名

放射線科へのよくある質問

単純撮影検査、CT検査で体に放射線を受けることが心配です。体への影響は大丈夫ですか?

単純撮影検査やCT検査を行うことで、病気やけがの状態を把握出来たり、病状の経過を確認することができる、という大きなメリットがあります。また各放射線検査は、医師がこのメリットが被ばくによるデメリットよりも大きいと判断した場合のみ行われます。

当院の単純撮影検査やCT検査では、常に最小限の被ばく量で最大限の診断能が得られるよう設定し、検査を行っております。さらにICRP(国際放射線防護委員会)の勧告では、100mSv未満の被ばくにおいて発がんリスクを検出することは極めて困難としており、当院の単純撮影検査やCT検査において、この線量を超えることはありません。

入院中、連日放射線を使用する検査をうけています。体に何か影響しますか?

被ばくによる損傷は蓄積されず、修復されます。

また、この修復が間に合わないほどの多くの線量を当てる検査はありませんので、ご安心ください。

放射線科での検査を子ども1人で受けさせることが不安です。付き添いはできますか?

付き添い者の方の被ばくも考慮し、検査説明後、一人でできるお子さんは付き添いなしで検査を行っております。

ですが、検査への不安が強いお子さんに関しては付き添いが可能ですのでお声がけください。

MRI検査を初めて受けるのですが、子どもが怖がっており、どのようにお話したらよいのかわかりません。何か良い説明はありますか?

放射線科では、レゴブロックを用いて作成したMRI検査説明用動画(NPO法人 Medical PLAY提供)を用意しております。

下記の2次元コードよりご覧ください。

MRI検査説明用レゴビデオQRコード

また検査当日までにチャイルドライフ・スペシャリスト(CLS:Child Life Specialist)と共に、MRI室の見学や練習もできます。

さらに検査当日は、CDをご持参いただければそれを聴きながら検査を受けることが可能です。

検査は基本的にご家族の方と一緒に受けられますので、お気軽にお申し出ください。

核医学検査を初めてうけるのですが、子どもが上手に検査をうけられるか不安です。上手に検査をうけさせるために、検査中何かできることはありますか?

核医学検査では、基本的にご家族の方と一緒に検査を受けることができます。

また、検査によっては院内のDVDやご持参いただいたDVDを観ながら検査を受けることも可能です。

お気軽にお申し出ください。