ここから本文です。
更新日:令和7(2025)年9月9日
ページ番号:797954
令和7年8月7日(木曜日)午後2時から午後4時まで
千葉県自治体職員福祉センター(オンラインとのハイブリッド開催)
委員10名中9名出席
議事に先立ち、以下のとおり役員を決定。
会長 市川 陽一朗(会長がその後の議事を進行)
副会長 駒田 房江
市川会長)「千葉県動物愛護推進員の委嘱と活動支援について」事務局から説明願う。
事務局)資料「千葉県動物愛護推進員の委嘱及び活動支援について」説明
市川会長)事務局から説明があったが、御質問・御意見があれば頂戴したい。
駒田副会長)適正飼養に関する資料作成、活動について、具体的なものがあれば伺いたい。
事務局)昨年制作した適正飼養に係るYouTube動画について各種ノベルティから二次元コードを使用し誘導する形になっている。しつけや災害の備えなどについて広く啓発をしていきたい。また、今後については機会をとらえて啓発を行いたいと考えており、特に、多頭飼養問題については社会的な問題となっているため、対応を検討していきたい。
市川会長)事務局から説明があったが、御質問・御意見があれば頂戴したい。
林谷委員)事前の資料としていただいた、「地域猫のパンフレット」の内容について確認したい。猫から人に感染する病気が多くあるが、そのことについて触れられていないと感じる。最近ではSFTS等、猫から感染し人が死亡している事例もある。動物愛護推進員がこの活動に参加し、猫を取り扱う際に、人獣共通感染症に感染する可能性があると考えるが、パンフレットで触れなくてもよいのか。
市川会長)SFTSに関しては昨年から注目され、獣医師会でも猫に対する取扱いが非常にセンシティブになっている。厚生労働省の指針に従い動物病院の従事者に対しての講習会は行っているが、一番の懸念はボランティアになると思われる。事務局の方で何か対応は検討しているか。
事務局)地域猫活動に関してSFTSという部分まで踏み込んでいないのが現状である。厚生労働省が発行している動物由来感染症ハンドブックはあるが横断的なものが無かったので、対応を検討してきたい。
林谷委員)本年5月に猫を診察した獣医師が亡くなったという事例もあることから心配なので対応をお願いしたい。
市川会長)全国的に獣医師に対しては講習会を実施している。千葉県としても部署が違うが野生動物に対しては一般市民も含めたセミナーを開催している。他に獣医師会の大会でも扱っていきたいと考えているが、一番接触しているボランティアへの対応について、年一回行っている講習会などに入れる必要があるのではないかと考えている。
牛島委員)ボランティアに対する啓蒙活動も重要であるが、内容には注意が必要と考える。自己判断で対応すること、「猫白血病について猫の毛を媒介して感染するので保護してはいけない」、「猫パルボウイルスに感染している猫を保護した場合、すべての動物に感染してしまうので、一度その場所で保護している猫すべて譲渡すべきである」等の噂を信じて病気を怖がることもある。ボランティアの中にはたくさん勉強している人もいるが、やはり素人なので、獣医師の立場から正しい病気の知識について正しい情報発信をしていただけると誤解もなくなり、偏見もなくなると思う。他にも消毒薬の選択について、知識が無くアルコール消毒薬を使い続けているだけ、雑巾がけをしているだけの人もいると思うので、衛生面の勉強会も必要と考える。
今井委員)安易に恐怖をあおるような情報発信も見られ、怖がりすぎてしまっていることもある。この病気にはこの予防を行うという発信をするならばよいが、そうでないものも多い。メーカーではノミやダニの対応について、「つるつるした素材の服を着る」、「ノミ、ダニ除けのスプレーをする」というきちんとした対応を発信しているが、一部の獣医師は野良猫を入れない、触らない、少しでも触ったら病気になるといったような、不安をあおるような発信をしている。獣医師も正しい知識を発信していただかないと活動しているボランティアが肩身の狭い思いをすることがあるため、セットで考えていただきたい。
事務局)啓発資料を作成する際に恐怖をあおりすぎず、猫に手を出せないような状況とならないように注意する。現状も保護した個体について、すぐにノミ、ダニに対しての駆虫薬を使用していると思うので正しい知識の啓発に努めていきたい。
市川会長)SFTSについては健康な猫ではなく、具合の悪い猫から感染する。正しい情報発信が必要と考える。
駒田副会長)以前、自身が猫を飼養していた経験で話をすると、猫の飼い主として野良猫には一度も触らなかった。野良猫はノミ、ダニに限らず何を持っているのかわからない。一般の飼い主とボランティアとは違うと考えている。一般の飼い主には「必要が無ければ外にいる猫は触らない方がよい」と言い続けている。これは、野良猫が汚い等と言うことではなく、自分の猫を守りたいならリスクは犯さないということ。ここはボランティアとの違いになると思う。
今井委員)その考えは地域猫のガイドラインから外れていると思う。実際にやらなければいけないことは予防をして活動をするということ。触らないということも予防ではあるが、それは正しい知識ではないと考える。私たちの活動は、地域猫をゼロにすることが目標なので、触らないという考えとは話が違うと思う。
駒田副会長)動物愛護推進員として話をするならば、動物愛護推進員は、地域猫活動を行っている人のための動物愛護推進員ではなく、一般の飼い主に適正飼養を普及することも動物愛護推進員の役割である。そこは分けて考えないといけない。
今井委員)その話はその話で、ガイドラインはガイドラインとして考えないといけないと考える。正しい知識でないといけないため、安易に恐怖をあおらない、あおらず何を対策する、何を予防するかを発信していってほしいと考える。
市川会長)正しい知識を得るということについては誰にでも共通して必要なことである。このことについて専門の林谷委員から何か意見はありますか。
林谷委員)様々な立場があるが、地域猫については病原体を持っている可能性はあると考えている。ボランティアの立場や獣医師の立場でも異なるが、動物から人に感染する、という明らかな事例が報告されると、動物を飼うのをやめるという話にもなってくることがある。以前、新型コロナウイルス感染症が流行した際、フェレットを大学に捨てた人がたくさんいた。これは、動物から病気がうつるのではないか、という話が原因であった。そのようなことを考えると、動物に触れる人が適正に管理をし、病気に罹らないということが重要であると考える。また、地域猫については様々な立場があるが、この協議会の立場は将来的には地域猫をゼロにするために必要な活動であるという認識で間違いないか。地域猫は病気を持っているのではないかと考えるべきであり、実際にそのような例も多い。昔は野良猫を飼い猫としていたが、いまは状況が違う。そのようなことを含めてガイドラインに入れ込むとよいのではないか。特にSFTS等は感染した高齢者のうち、3~4割の人に対し致死的に働いている。そのような知識はしっかりと広めていかなければならないと考えている。
市川会長)動物病院をやっている臨床立場から発言すると、正しい知識ということについて、臨床の中で注意が必要なものは、具合の悪い猫で外に出ている猫、あるいは地域猫であったりする。こうなると一番守らないといけないのは従業員ということになる。そうすると、厚労省のホームページにあるように個人防護具を着用し、手袋して対応することが必要。事例として獣医師の知り合いが皮下点滴の処置を行った際におそらく結膜から病原体が入り、かなり重篤になったことがある。SFTSについては致死率も非常に高い。野良猫が全部ということでなくても、具合の悪い個体や、まだ発症してない個体もいる。感染する可能性のあるようなアプローチ、接触の仕方をしないということについて、特にボランティアの皆さんは知識として持っている必要がある。他に御質問・御意見があれば頂戴したい。
清水委員)SFTSの問題が発生してから、以前は地域猫の不妊去勢手術が可能であった船橋市内の病院から、「野良猫は保護、捕獲してから2週間は保管してください」、と言われた。猫を保管する場所の問題もあり、この動物病院には今後手術をお願いするのは難しいと考えた。現状そのような病院が出てきている。また、地域猫活動についての説明会に、県のパンフレットを持っていったが、会場では感染症を懸念する声が聞かれた。感染症について口頭での説明になってしまったため曖昧な言い方しかできなかった。人獣共通感染症についてパンフレット等を探すと厚生労働省から発行されている冊子があるのだが、そういうものではなく一枚紙でいいので地域猫に関する手引きに挟めるようなものがあるとよい。
市川会長)御意見として承る。
今井委員)ガイドラインについて、最後まで読むと野良猫ゼロということが書いてある。このガイドラインは地域猫活動に関して書いてあるが、目標は地域の猫を増やすのではなく、最終的にゼロにするということ、邪魔者にするのではなく、手術をして最終的にゼロにする、目的は地域猫を増やすことで、野良猫を増やすということではない、という理解で間違いないか。
事務局)飼い主のいない猫を減らしていく過程であると考えている。地域猫活動を進めて、野良猫がいなくなれば、動物から人にうつる病気もなくなる。感染症の防御にもつながる。そういった意味で今は過渡期という形になる。啓発資料の作成についていただいた意見を参考に考えてみたい。
市川会長)意見、質問については議事録を作成、整理し動物愛護推進員の活動支援等を検討する際の参考にしていただきたい。
市川会長)続いて、「千葉県動物愛護管理推進計画の進捗状況について」事務局から説明願う。
事務局)資料「千葉県動物愛護管理推進計画の進捗状況について」説明
市川会長)事務局から説明があったが、御質問・御意見があれば頂戴したい。
駒田副会長)議題1と重なる部分もあるが、県で作成した適正飼養に関するYouTube動画は素晴らしいと思う、1分くらいの動画、これが5分や10分では見ないと思う。動画は素晴らしいが、実際に適正飼養をしていない、マナーを守らない、そのような人にこの動画を見ていただくのは非常に難しいと思う。千葉県としては、いろいろ活動し、グッズを提供してくれているので、私たちも気軽に「こういったものがある」と言えるが、なかなか当事者には届かないのではないか。それに対し、今何かアイディアがあるわけではないが、動物愛護推進員から現場の目線で啓発に関するアドバイスをもらうのもよいのではないかと考える。
事務局)啓発については課題であると考えている。YouTube動画も再生回数があまり伸びていない。できれば子供等これからの世代に見てもらいたいが難しい。
市川会長)千葉テレビを使っての放送をお願いするのも一つか、他にも動物病院の待合室でいつも流されているような映像を使う方法もあるのでは。映像はその動物病院のプログラミングとなっているので、おそらく動画を提供していただければ組み込んでいただけるのではないか。
事務局)参考にさせていただく。
清水委員)船橋市主催によるマッチング会が行われた。自分たちの活動を体験してほしいと考える市民団体とボランティアに興味がある学生との「団体と学生のマッチング会」である。弊会では9月23日に「地域猫、保護猫、飼い主のいない猫に私達ができる事」というイベントを開催し、ボランティア体験してもらうプログラムで募集したところ、学生にとても人気が高く、すぐ定員いっぱいとなった。学生が飼い主のいない猫に関して大いに興味がある事がわかった。学生に対し、一週間に1時間でも2時間でも良いので、学校の道徳の時間にそういった教育はできないか。教育委員会にお願いすることができないのか。
事務局)過去にDVDを配ったりしたことはある。今回のポスターとチラシなども教育委員会を通じて小学校に送っている。今、学校のカリキュラムはかなり詰まっておりプラスアルファの内容を入れる余裕がないのが現状であるが機会をとらえて進めていきたい。
市川会長)全ての学校に対してではないが、獣医師会も学校飼育動物についての訪問活動を行っている。また学校教育法の中で動物を飼うことがカリキュラムとなっていて、そういった活動をしている学校もある。
今井委員)現在、学校の飼育動物についてインターネット上で大炎上している。先生も忙しく世話をする時間がない、子供も忙しい。子供は学校で命の大切さを教わっておらず、飼育動物はいるだけという状況である。動物の世話をすることに時間を費やすのであれば、その時間に動物を増やさないこと、きちんと飼うこと等について学んでほしい。子供はきちんと理解しているので、手術をして、ちゃんと家の中で飼わなければいけないのはなぜなのか、動物由来感染症を防ぐにはどうすればよいか、なぜ適正飼養が必要なのか、なぜ増やさないのか、ということをきちんと教えた方がよい。
市川会長)学校の飼育動物については、学校教育法の中に含まれている。県獣医師会でも訪問活動を行っているが、簡単に一言で終わるものでもない。この活動が無ければ命に触れ合わない子供もいる。他に御質問・御意見があれば頂戴したい。
林谷委員)犬と猫の多頭飼養についてかなり問題になっており、人獣共通感染症の問題が発生したという報告がある。千葉県では多頭飼養に関する問題は発生しているのかどうか教えていただきたい。
事務局)何頭から多頭飼養崩壊なのかというような定義はないが、県内各地で多頭飼養に起因する問題は発生している。
林谷委員)それは個人か?ブリーダーか?両方か?
事務局)明確なデータはないが個人が多い印象である。ブリーダーは法律改正に対応してきちんとできている業者、改正に追いつけていない業者が二極化してきているように思う。
林谷委員)多頭飼養問題に関して啓蒙活動していくことも必要なのではないかと考える。
今井委員)個人、ブリーダーどちらの現場にも入ることがあるが、ブリーダーの現場に入った際に、相手から改善するから様子を見てほしいという話をされ、しばらく様子を見ていると、その間に仲間のブリーダーに動物を渡し、頭数が減少し、状況が改善したと言われてしまうことがある。また、ブリーダーに関しては獣医でない人間が投薬をしたり注射をしたりしているという内部告発も入っている。法改正をしても問題は発生しているのではないか。
上地委員)私はブリーダーをやっている。現在、12頭飼養しておりそれ以上は飼養しないようにしている。2年前に法律の改正があり、6歳以上、6回以上の繁殖についての制限ができたが、とてもいい法律であると思う。私のところは5歳くらいになると、里親としてもらってくれるところを探している状況で、これ以上は絶対に増やさないようにしている。法律の中では1人で飼養できる頭数が制限されていると思うが、私の感覚だとそれでも多すぎる。犬も大きさがいろいろあるが、多いと思う、そこの改正が必要ではないかと考える。
今井委員)現在、ブリーダーからの動物を請け負うボランティア、団体、NPOも増えてきて、譲渡会を開いている。不適切な人たちがブリーダーの繁殖引退犬、障害のある個体を引取り、譲渡している現状もある。
上地委員)埼玉の知り合いの業者は200頭ほど飼養していた。しばらくして伺うと80頭、70頭位に減っていた。話を聞くと、どんな個体でも持っていってくれるところがあると言っていた。そのような引取り手がいて、現実的には助かったと思うが、病気の個体でも喜んで持って行ってくれたようである。本当にそのようなことがあるのかと疑問に思ってしまった。
今井委員)逆にそういう活動団体がテレビに出たりする。こんなかわいそうな子が繁殖犬に使われている、ということになると寄付がものすごく集まる。それに利用されている。インターネットで報告するとお金がものすごく集まる。引取り屋のようなところもある、そういったところはブリーダーと提携している。それを注意するとどんな命も大切だと反論される。事実ブームになってきて、問題が多すぎる。
上地委員)一人で飼養する動物の頭数をもう少し減らさないといけない。実際にやってみるとなかなか管理できない、増やそうと思うとすぐ増える、一回の繁殖で5頭増える。でも、今はなかなか売れない、売れないと繁殖家にとって在庫になる。そうすると増えていってしまう。
今井委員)それをボランティアが引き取る。譲渡に出す。純血種ばかりの譲渡会もあるし、病気ばかりの個体を抱えている人もいる。千葉でも保護犬カフェのようなところが多くある。引退した繁殖犬を取り扱っている。それもすごく問題。
上地委員)過去に里親をお願いしたこともあるが、お願いした後は連絡が取れなくなったこともある。そういうことも多いから里親探しは難しい。私は高齢者にこそ里親になってほしいと考えている。
今井委員)年齢にあった個体の里親ということか。
上地委員)そのとおり。うちで飼っている動物は大事に世話をしているし、貰われていったときに大事にされるようにしたい。
今井委員)そのような考えのブリーダーが増えるとよいが、ケージの中に入っぱなしで、繁殖を繰り返す業者も多いので問題だと感じる。
上地委員)ブリーダーの質を上げる必要があるが難しい問題である。
市川会長)他に別の問題、御質問・御意見があれば頂戴したい。
今井委員)地域猫活動に関する不妊去勢の件について、市町村が出したお金を県が補助する形になっていると思うがそのような理解で間違いないか。実際問題として市町村にお金がないので使えないという現状がある。
事務局)市町村が予算を確保して、かかった費用の2分の1を県から補助している。
今井委員)実際に利用できていない自治体も多い。この補助が使えないと代わりにどうぶつ基金を選択するということになるが、そうなるとハードルが上がり、行政がやりたがらない。やはり独自のお金、基金のようなものを県が用意するのが理想的。多頭飼養に関する対応についても行政が主体となり、現場を理解して行政主導で対応する必要があると考えている。
市川会長)市町村によって対応はさまざまであると思うが、地域猫活動に関する知識を県から市町村に伝えていただき活動していただく必要がある。県からの補助金については平等性もあることから、ここには全額出す、ここには出さないということがあってはいけない。私は30数年地域で見てきているがブリーダーもいろいろな部分が変わってきている。皆さんから見るとまだまだと思われるかもしれないが、変わってきてはいる。地域猫に関しても同様に変わってきており、関心は高まっている。昔、市町村は相手にしてくれなかったが、今は市長が公約に掲げているところもある。
事務局)県としても地域猫活動が千葉県全体広がっていくようにしたいと考えており引きつづき市町村に働きかけていく。動物愛護に関する基金については、県がふるさと納税などを実施することで市町村のクラウドファンディング等と競合してしまうことが無いようにしたいと考えている。
市川会長)他に御質問・御意見があれば頂戴したい。
牛島委員)動物愛護センターに収容された動物の診療事業を開始したようだが、どのような事業で、予算はどの程度なのか。
事務局)県に収容された動物の診療事業を臨床獣医師に行ってもらうもので、県獣医師会に委託している。令和6年度の当初予算は1000万円を確保した。収容動物の状況によるためすべて使い切っているということではない。
牛島委員)私は、動物愛護センターの東葛飾支所によく出入りしているが、センターでは設備的な限界で治療が行えない個体について、手術費用等のサポートをしている。診療事業が行えるようになったのは素晴らしいと思う。この事業について他の自治体等でも同様の取組みはあるのか。
事務局)今回、事業を計画するにあたり、調査をしており、他の自治体でも実施しているところはある。柏市も実施しているのではないか。
柏市)実施している。
牛島委員)素晴らしい取組みであると思う。今度、八千代市の地域振興財団と協力して県立公園でドッグフェスを主催する。そこで啓蒙活動を兼ねて譲渡会とマルシェを行い、募金を募る。集まったお金を野良猫のTNR活動に役立ててもらおうと考えている。クラウドファンディングもそうだがボランティアと市が協力してお金を集める。予算は限られているので、それぞれ知恵を出し合って、それぞれができることをやっていけばよいと思う。
今井委員)今はボランティアに頼る時代ではないと考えている。私も保護活動から始めているが、ボランティア活動はボランティアの時間、お金、体力すべてを奪ってしまう。実際に自殺しているボランティアもいる。動物に関する取組みが進み、様々な状況が改善されているが、ボランティアありきではなく、次の段階に行かなければいけなくなっている。今の若い人たちは共働きが多く、ボランティア活動をする人が今後増えることはない、使えるお金もそんなに多くない。そうなると活動のための資金を確保するために少ない寄付を争うようになり、ボランティアが過大なパフォーマンスを始めて、動物をどんどん保護した、保護したのでお金をくださいという流れになってしまう。社会的な問題として生活困窮とペットの問題、野良猫の問題、等があるが、次は生活困窮等の問題に対して違う仕組みを作らないといけない。今後、少ないボランティアが活動し資金は一時的に集まるかもしれないが、継続的なものではない。猫の問題としてではなく、人の問題として取組むべき。殺処分ゼロも通過点であって目標ではない、ボランティアありきではなく行政が主体となってやるべきである。現在、状況は良くなっているかもしれないが、それはボランティアが苦しい思いをした上に成り立っているのではないか。
市川会長)関連した質問があれば頂戴したい。
清水委員)多頭飼養の届出件数は増加しているか。県として、多頭飼養崩壊の予防策、届出があった後の対応はどのように行っているのか。
事務局)多頭飼養の届出件数は増加している。届出があった施設については現地確認を行い飼養状況の確認を行っている。飼養状況が良好であれば立入の頻度を減らして、問題のある届出者については頻度を上げていくことになる。状態によるが基本的には年に1回程度調査を行っているという状況。
市川会長)他に御質問・御意見があれば頂戴したい。
信濃委員)千葉市では地域猫の問題、しつけのこと、高齢者の飼い方について講習を開いて啓蒙活動を行っている。そのようなことを各保健所で対応することは難しいのか。その講習会に動物愛護推進員やボランティアが関わっていけると交流もできるのではないか。以前、四街道の祭りでビラ配りを行ったがそのようなことでも顔見知りの人ができた。
事務局)コロナ前には一部でそのような活動を行っていたが、最近は活動できていない。各保健所では基本的に獣医1名が動物業務を行っており、管轄内に複数の市町村を抱えている状況なので、地域ごとというのはなかなか難しいところではある。課題として検討させていただく。
市川会長)現状、公務員獣医師はなり手がいない現状である。千葉県も募集をかけているが、定員割れの状況である。地方では59歳を上限として募集しており、誰でもいいからという状況だが、それでも人が集まらない。本協議会で検討しているようなセンシティブな問題は大学を出てすぐの獣医師では経験がないので対応するのが難しい。時間をかけて職員を育てていく必要がある。また、獣医師会としても様々な問題について何年も取組み、いろいろ話をしながら少しずつ進めている。皆さんの協力をいただきながらやっていければよいと思っている。また、ボランティアの大変さは40年近く見ていてよくわかっている。本当に疲れてしまっているということは感じている。私からは無理をせず、できる範囲のことをやっていただければと伝えている。他に御質問・御意見があれば頂戴したい。
市川会長)続いて「その他」として御質問・御意見があれば頂戴したい。
今井委員)多頭飼養について現場対応しているが、私は行政ありきという考え、行政主導でまずは飼育動物のリストを作ってから対応している。しかし、一部ではボランティアが問題を見つけ、ボランティアのみで対応している現場がある。生活保護受給者等、人の福祉が既に介入している現場は、特に行政と連携をして対応すべきだが、ボランティアのみで進めてしまい、トラブルになり最後まで手術を行えないということもある。また、いろいろな自治体と活動することがあるが、行政はよく「自分たちに権限がない」ということを言う、人の福祉関係部署の課長等を含めて会議を行うこともあるが、最初は動物部局に丸投げをする。それを受けて保健所が頑張る、ボランティアが頑張るということがある。実際は他にも重要なことがあってSOSが出ているときに入らなければいけないが、「権限がない」、「苦情はないのでちょっと現地確認をしてきた」と言ってそれ以上対応しないことが多い。そのような状況では社会問題に取り組めない。しっかりとした仕組みを作って、どこが何と連携をするのか、手術費用はどうするかという計画を立てないと、同じことの繰り返しになってしまう。多頭飼養については環境省が人の福祉部門の部署と連携して対応すべきということを何年も前から言っている。きちんとした仕組みを作って、ボランティア主体ではなく行政が主体となってやるべきである。人が動物を繁殖させている。ペットの問題は人の問題である。窓口がないではなく、きちんとした仕組みをつくり、問題どのように収束させるのかを考えないといけない。動物愛護センターが保護し、そこからボランティアへ譲渡するという流れが必須であると考える。動物愛護センターが特定の団体を窓口としてしまい、その団体が処理に入ると、そこが力をもってしまう。あとから動物愛護推進員が入っていくことができない。せっかく動物愛護推進員がいるのであれば、行政が様々な部署と協力した後に、ボランティアに協力してもらう。ボランティアが主体で対応すると行政に情報を出さないという場合もある。ボランティア主体ではなく行政が主体となり対応する仕組みづくりが必要。
市川会長)この件について動物愛護センターから御意見があれば頂戴したい。
動物愛護センター)飼い主の指導は保健所が行っており、動物愛護センターにはどうしようもなくなってから情報が入ることが多い。そうなると、動物愛護センターとしてやれることは限られてきてしまう。仕組みとして早い段階で動物愛護センターもしくは保健所と連携できる仕組みがあると、準備できるのではないかと考えている。
事務局)この件について、今年の2月に社会福祉関連部局と動物部局に対しアンケート調査を行った。動物関係部局としても、対応しているケースについて、どこに相談すべきなのかを理解するために、社会福祉の仕組みの把握が必要であり、社会福祉担当者にも動物に関する問題を知ってもらう必要があるため、高齢者、障害福祉、民生委員、社会福祉協議会等を対象に県の担当部署を通じて「動物、地域に向き合う多頭飼育対策ガイドライン」「共に生きる高齢ペットとシルバー世代」「ペットと暮らすシニア世代の方々へ」の周知もかねてアンケート調査を行った。途中経過になるが、とりまとめの結果について報告をしたい。
「社会福祉と動物愛護管理の多機関連携に向けたアンケート結果について(とりまとめ案)についての報告」説明
市川会長)御質問・御意見があれば頂戴したい。
今井委員)この件に対する対応として、やはりボランティア主体ではなく行政が主導となるべきである。行政が現状把握をした後にボランティアにお願いをする等の仕組みが必要。動物愛護推進員を知らない、うまく使えない行政が多く、動物愛護推進員が何をやっているのかわかっていない人も多いと思う。動物愛護推進員とは何か、何をすべきなのかということを教えるべきであると思う。また、社会福祉担当者から動物愛護推進員に連絡が来ることも多く、地域包括や社会福祉協議会とやり取りをしている動物愛護推進員もいる。そのような状況なので、保健所を含めた情報共有の仕組みづくりができるのではないかと考えている。
清水委員)引取りをお願いされた場合、生活困窮者でも一般の引取り金額と同じ額か。
事務局)ケースバイケースではあるが、生活保護受給者の場合、減免措置がとれることもある。
清水委員)千葉市、船橋市、柏市についても同様か。
千葉市、船橋市、柏市)同様の対応がある。
清水委員)一つの事例であるが、ある人が生活困窮者から数十匹の動物を手放したいと言う相談を受けた。しかし保健所に相談したら殺処分されてしまう可能性がある、と言う事で私のところに相談してきた。私はまず保健所に相談するよう伝え、保護されるかどうかその先の流れは保健所との協議次第と伝えた。私に相談を寄せてきた人にその後の状況を聞いたところ、「保健所に相談したが、保健所は通さず愛護団体がすべての猫を引き取ったらしい」との話を聞いた。生活困窮者は多額の引取り手数料を払えないから保健所を通さず、直接愛護団体に引き渡すように保健所が取り計らったのか。もしくは保健所の引取り数が多くなってしまうのでそれを抑えるためにその対応をしたのではないかと思ってしまった。私は引取り・譲渡はすべて、保健所を通してカウント・管理し、愛護団体に振るなどの流れが本来であると考える。その障壁となっている部分に引取り手数料があるのであれば、減免措置の対応ができることについてきちんと保健所が把握している必要があると考える。引取り手数料が払えない人は絶対にいる。今現在、県内でも100頭を超える猫の多頭飼育崩壊が起きていると聞いている。これからも起こると思う。まずは保健所を通す。そこから采配する必要がある。
今井委員)動物愛護団体が入っている多頭飼養の現場について、その団体が飼い主と契約を交わしてしまうと、「他の人が入れない」、「情報共有ができない」という状況が発生してしまう。その後、トラブルになり、手術費用は払えない、猫は残っているという状態になることもある。行政が最初からきちんと対応していればよかった事例が多くあり、丸投げされてしまって、同じ状況を繰り返してしまうこともある。そのような問題があるので、行政ありきで情報を共有する。動物愛護推進員が動く、団体に対応してもらう必要がある。
駒田副会長)繰り返しになるが保健所にしっかりしていただきたい、地域猫のマニュアルを作るときにも話をしたが、地域猫活動について「保健所に相談してください」と私から言ったあとに「相談したが保健所には知らないと言われた。」と言われてしまうと、地域猫活動を行おうとしている人が、その先に進めなくなってしまう。動物愛護推進員のアンケートを見ても「保健所に相談しても現場に入ってくれない、適切な対応をしてくれない」という意見がある。地域猫、高齢者、いろいろな問題があるが、保健所がしっかりして、リーダーシップをとってやっていただきたい。中には保健所の動物担当が市町村の動物担当に丸投げをするところもある。
市川会長)人の福祉の担当課はどこになるのか。
事務局)地域包括センターが窓口になってくれることもあるが、縦割りになっており、事案によってさまざまである。複数要因が絡めば複数課で一緒に対応することもあるが、1対1の場合、例えば子供の問題であれば児童相談所が対応となってしまう。重層支援事業という福祉の関係を一つの窓口で行う事業を国が進めているが、対応できているところと対応できないところがある。県として相談できる窓口を把握できるようなものをまとめて提供できればと考えている。
今井委員)児童相談所の関わる事例として、子供が親からDVを受けていてもペットがいて逃げられないことがある。私たちが動物を保護するが、子供はそれまで誰にも話せず、大人を信用していない。その子たちが自分の状況を把握した時にはペットがいてそこから逃げられないという状況もある。人の福祉との連携はすごく大事であると感じる。人の福祉部門が動物の問題を行政のどこに相談すればよいかを知ることが人を助けることにつながることでもあると思う。
市川会長)本日は沢山の意見をいただいたので、ここで出された意見については、議事録として整理し、衛生指導課で、今後の関連施策や推進計画策定の際に、反映してもらいたいと思う。以上で本日の議事は全て終了とさせていただく。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください