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更新日:令和4(2022)年6月3日

ページ番号:19400

第三者加害行為の災害について

第三者加害行為災害とは、公務遂行中又は通勤の途上において第三者による加害行為によって身体に損害を加えられた場合で民法等に基づく損害賠償請求権が生ずるものをいいます。
その典型的な災害例は、交通事故、殴打事故などです。第三者加害行為災害の場合には、被災職員は基金へ補償請求ができると同時に、第三者にも損害賠償の請求ができます。
なお、第三者とは直接の加害者だけではなく、「事故の結果生じた損害について、民法その他法律の定めるところに従い、その損害を賠償する責任を負う者」をいい、おおむね次のとおりです。

  • 事故の直接の加害者
  • 動物の占有者等
  • 責任無能力者の監督者
  • 自動車の運行供用者
  • 使用者及び事業監督者
  • 国・被災職員の属しない地方公共団体等
  • 土地工作物等の占有者及び所有者

基金からの補償と損害賠償との調整

第三者の加害行為によって生じた損害について、被災職員は次の請求権を得ます。

  1. 加害者等の第三者に対する損害賠償請求権
  2. 交通事故については自動車損害賠償責任保険への請求権
  3. 基金への補償請求権

しかし、同時に損害の補てんがなされると、同一の事由に係る損害賠償等が二重に行われるという不合理が生ずることになります。
そこで、地方公務員災害補償法第59条では、基金の行う補償と第三者の行う損害賠償の請求権の調整を図っています。

第五十九条
基金は、補償の原因である災害が第三者の行為によつて生じた場合に補償を行なつたときは、その価額の限度において、補償を受けた者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。
2 前項の場合において、補償を受けるべき者が当該第三者から同一の事由につき損害賠償を受けたときは、基金は、その価額の限度において補償の義務を免れる

「求償」と「免責」について

「求償」とは、基金が第三者に代わってその損害の補償を受ける者に補償した場合に、その補償した額を第三者に請求することをいいます。
一方、「免責」とは、補償を受ける者が基金から補償を受けず第三者から損害賠償を受けた場合に、基金が補償を免れることをいいます。
両者の決定的な相違は、基金の補償には慰謝料がないことと、損害額(補償額)の算定方法が異なることです。また、基金の補償が身体的損害の填補だけを目的としているのに対し、損害賠償は精神的損害や物的損害も対象となります。

「補償先行」と「賠償先行」について

事務取扱上、先に基金が補償する場合を「補償先行」、先に加害者が賠償する場合を「賠償(示談)先行」と称しています。
第三者加害事案の処理に当たり、補償方針(補償先行とするか賠償(示談)先行とするか)の選択は最終的には被災職員の判断によることになりますが、基本的には以下の条件に照らし合わせて選択することとなります。

補償先行

  • 第三者に賠償能力がない場合
  • 第三者が不明又は特定できない場合
  • 自動車事故において、第三者が任意保険未加入で、かつ、損害総額(療養費、休業費、慰謝料等)が自賠責保険の支払限度額(原則120万円)を超える見込みがある場合や、自転車による事故で、被災職員の長期療養が見込まれ、かつ、第三者が個人賠償責任保険未加入の場合等、第三者から損害の全部の補てんが見込まれない場合
  • 被災職員の過失が大きく、過失相殺がなされた損害分について自己負担しなければならない場合
  • その他、基金が補償先行とすることが妥当と認めた場合

賠償(示談)先行

第三者(保険会社も含む。)が示談に応じる意思がある場合には、基金の公務(通勤)災害の認定を待たずに補償対象外である慰謝料や物損についても一括して迅速な賠償金の支払が受けられる等のメリットがあることから、通常、下記のようなケースでは、賠償(示談)先行を選択するよう依頼してください。

  • 被災職員の過失が比較的少ない事案で、任意保険会社等、支払能力が十分にあるものが損害の支払に応じている場合
  • 被災職員の負傷の程度が軽微な事案で、第三者が損害の支払に応じている場合
  • 自動車事故において、損害額の総額(治療費、休業費、慰謝料等)が自賠責保険の範囲内(原則120万円)で収まると見込まれている場合

事務手続について

「補償先行」を申し出る場合には、事前に支部に連絡の上、「補償先行申出書」(支部様式第7号)及び「確約書」(支部様式第7号の2)を、公務(通勤)災害認定請求書に添付して提出することとなります。

なお、「補償先行」を実施する場合、基金が主体となって第三者と示談締結をすることはありません。また、「補償先行」の場合は、被災職員が行う示談交渉等に平行して、支部において各種補償や求償処理を実施していくことになりますので、交渉の状況・内容については、随時受給権者に確認し、適宜支部へ連絡してください。

支部が補償を行う前に被災職員が第三者との間で示談を締結する等、第三者に対して有する損害賠償請求権の全部又は一部を放棄した場合、支部はその放棄した部分について行った補償については第三者に請求できない(求償権を取得しない)こととなるため、支部が補償を行う前の示談締結は絶対に行わないよう、お願いします。

また、「賠償先行」とする場合は、被災職員の治療費は加害者が賠償することになりますので、各種補償依頼書・請求書類は提出しないでください。

第三者加害行為現状(結果)報告について

次の場合には、「第三者加害行為現状(結果)報告書(支部様式第9号)」の提出が必要となります。

  • 災害発生日から6カ月経過して示談が成立していない場合、6カ月ごとに示談が成立するまで
  • 示談が成立した時(示談書の写しを添付すること)
  • 治ゆしたとき
  • その他支部が提出を求めたとき

お問い合わせ

所属課室:総務部総務ワークステーション公務災害班

電話番号:043-350-2112

ファックス番号:043-350-2980

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