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更新日:令和7(2025)年8月14日
ページ番号:14292
発表日:平成26年9月17日
環境生活部水質保全課
県では、地下水及び天然ガスかん水の採取等による地盤沈下の状況を把握し、その防止対策を図るため、県内47市町村において、3,204.7平方キロメートルを対象に地盤変動調査を毎年実施しています。
今回、平成25年1月1日の標高と平成26年1月1日の標高との差から、1年間の地盤変動量を取りまとめましたのでお知らせします。
(1)調査対象地域のうち地盤沈下が認められた地域の面積は2,039.7平方キロメートルとなり、前年(1,107.6平方キロメートル)と比較して増加しました。
(2)最大沈下量は2.41センチメートルで、長生村本郷にある水準点(前年はいすみ市荻原の1.29センチメートル)でした。
(3)最大隆起量は1.84センチメートルで、横芝光町木戸にある水準点(前年は銚子市三宅町の2.32センチメートル)でした。
なお、前年の数値については、東北地方太平洋沖地震後の余効変動(地震後の緩やかな地殻変動)の影響があったものと考えられますが、本年の結果についてその影響は明らかでないので、今後の水準測量結果の推移を注視していきます。
今後も、引き続き地盤変動状況の監視を行うとともに、地盤沈下の防止に努めていきます。
地盤変動調査は、地下水及び天然ガスかん水※の採取等による地盤変動を把握し、地盤沈下防止対策を図るため、昭和35年から毎年実施している。
※天然ガスかん水
地下にある、天然ガスを含んだ太古の海水。
(内訳)
千葉県実施:979点、1,768キロメートル
千葉市実施:163点、248キロメートル
※1級水準測量
水準測量とは、水準点等を基に、基準となる点の高さを測定する作業。その中でも1級水準測量は、地盤変動調査、トンネルの施工、ダムの施工など特に高精度を必要とする場合に実施される。
千葉県及び千葉市は地盤変動量を把握するために設置した水準点について水準測量を実施し、平成25年1月1日の標高と平成26年1月1日の標高との差から、1年間の地盤変動量を求めた。
その結果、
ア)調査対象地域のうち地盤沈下が認められた地域の面積は2,039.7平方キロメートルであり、前年の1,107.6平方キロメートルと比べて増加した。また、前年は2センチメートル以上の沈下がみられなかったのに対し、今回は一部の地域で2センチメートル以上の沈下がみられた。(表1及び図1)
イ)最大沈下地点は、長生村本郷にある水準点で、その沈下量は2.41センチメートルであった。(表2及び表4)
ウ)最大隆起地点は、横芝光町木戸にある水準点で、その隆起量は1.84センチメートルであった。(表3)
なお、前年の数値については、東北地方太平洋沖地震後の余効変動(地震後の緩やかな地殻変動)の影響があったものと考えられるが、本年の結果についてその影響は明らかでないので、今後の水準測量結果の推移を注視していく。
長期的な地盤変動量を把握するため、直近の5年間(平成21から25年)の状況を累計し、前5年間(平成16から20年)の状況と比較したところ、直近の5年間の累計で10センチメートル以上沈下した面積は96.1平方キロメートルであり、前5年間の6.3平方キロメートルと比較して増加している。
これは、平成23年に発生した東北地方太平洋沖地震の影響によるものと考えられる。(表5)
地盤沈下の原因は、地質環境条件など当該地域の状況について詳細な検討を要するが、主として、地下水の採取、天然ガスかん水の採取による人為的要因、若しくは、地震、自然圧密等の自然的要因又はこれらの要因が複合されたものと考えられる。
地盤沈下は不可逆的な現象であることから、これを防止するために長期的に沈下状況を把握し、適切な対策を継続的に実施することが必要である。そのために、今後とも次の施策を講ずることとする。
地下水及び天然ガスかん水採取に伴う影響を把握するため、水準測量による地盤変動量及び観測井による地下水位等の測定を継続する。
地下水の採取による地盤沈下を防止するため、工業用水法、ビル用水法※、千葉県環境保全条例により、図3のとおり指定地域(28市町村)を定め、規制を行っている。許可後は各揚水施設の揚水量の報告を求め、より一層、地下水の合理的利用が図られるよう指導する。
天然ガスかん水採取による地盤沈下を防止するため、本県内で天然ガスかん水を採取する企業と県の間で、地盤沈下の防止に関する協定を締結し、この協定に基づき天然ガスかん水地上排水量※の削減等を指導している。(図3)
本県内の天然ガスかん水採取地域(15市町村)
茂原市、東金市、山武市、いすみ市、大網白里市、九十九里町、横芝光町、一宮町、睦沢町、白子町、長南町、大多喜町、長生村、千葉市、成田市
※ビル用水法
「建築物用地下水の採取の規制に関する法律」の略称。
※天然ガスかん水地上排水量
地下からくみ上げた天然ガスかん水の量から、天然ガスやヨードを採取した後に地中へ戻した水量を差し引いた、地上に排出する水量。
単位:平方キロメートル
地域 | 地盤変動 調査面積※ |
(1)地盤沈下が 見られない地域 |
(2)【沈下量別地盤沈下面積】 1.99センチメートル以下 |
(2)【沈下量別地盤沈下面積】 2.00から3.99センチメートル |
(2)【沈下量別地盤沈下面積】 4.00センチメートル以上 |
地盤沈下が 見られる地域合計 |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|
東葛 |
358.2 (358.2) |
115.6 (31.7) |
242.6 (326.5) |
- (-) |
- (-) |
242.6 (326.5) |
|
葛南 |
253.9 (253.9) |
182.3 (137.1) |
71.6 (116.9) |
- (-) |
- (-) |
71.6 (116.9) |
|
千葉・市原 |
617.7 (617.7) |
251.0 (595.6) |
366.7 (22.2) |
- (-) |
- (-) |
366.7 (22.2) |
|
君津 |
264.3 (264.3) |
10.0 (247.3) |
254.3 (17.0) |
- (-) |
- (-) |
254.3 (17.0) |
|
北総 |
643.8 (643.8) |
289.5 (306.5) |
354.3 (337.4) |
- (-) |
- (-) |
354.3 (337.4) |
|
九十九里 |
1,066.8 (1,066.8) |
316.7 (778.8) |
749.7 (287.8) |
0.4 (-) |
- (-) |
750.1 (287.8) |
|
合計 |
3,204.7 (3,204.7) |
1,165.0 (2,097.1) |
2,039.3 (1,107.6) |
0.4 (-) |
- (-) |
2,039.7 (1,107.6) |
注)()内は平成24年
面積は四捨五入しているため、各地域の数字と合計が異なる場合がある。
※調査範囲
法・条例に基づく地下水採取規制区域及び天然ガスかん水を採取している九十九里地域を中心に県全体(5,156.60平方キロメートル)の約6割に当たる3,204.7平方キロメートルを調査した。
調査を実施した市町村は以下のとおりである。
東葛地域:野田市、柏市、流山市、我孫子市、松戸市
葛南地域:浦安市、鎌ケ谷市、市川市、船橋市、習志野市、八千代市
千葉・市原地域:千葉市、四街道市、市原市、長柄町
君津地域:袖ケ浦市、木更津市、君津市、富津市
北総地域:成田市、栄町、印西市、白井市、佐倉市、酒々井町、富里市、芝山町、八街市
九十九里地域:銚子市、多古町、旭市、匝瑳市、横芝光町、山武市、東金市、九十九里町、大網白里市、白子町、茂原市、長生村、長南町、一宮町、睦沢町、いすみ市、大多喜町、勝浦市、御宿町
【水準点】 所在地 |
【水準点】 名称 |
【地盤変動量 (センチメートル)】 25年 |
【地盤変動量 (センチメートル)】 24年 |
||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
長生村本郷 |
CH-2 | -2.41 |
-0.28 |
||||
睦沢町大上 |
MT-20 | -1.95 |
-0.83 |
||||
睦沢町上之郷 |
MT-17 | -1.87 |
-0.67 |
||||
睦沢町上之郷 |
MT-26 | -1.86 |
-0.58 |
||||
いすみ市市野々 |
MI-14 | -1.81 |
-0.52 |
||||
大網白里市南横川 |
O-7 | -1.79 |
-1.08 |
||||
睦沢町下之郷 |
MT-6 | -1.78 |
-0.41 |
||||
茂原市萱場 |
48 | -1.74 |
-1.02 |
||||
いすみ市荻野 |
IS-11 | -1.70 |
-1.29 |
||||
茂原市西野 |
44 | -1.69 |
-0.61 |
【水準点】 所在地 |
【水準点】 名称 |
【地盤変動量 (センチメートル)】 25年 |
【地盤変動量 (センチメートル)】 24年 |
||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
横芝光町木戸 |
HI-6 | 1.84 |
1.02 |
||||
大網白里市北今泉 |
O-12 | 1.37 |
1.11 |
||||
船橋市高根台 |
F-34 | 1.30 |
-0.71 |
||||
横芝光町木戸 |
HI-7 | 0.89 |
0.88 |
||||
九十九里町作田 |
KU-8 | 0.73 |
0.86 |
||||
横芝光町尾垂 |
HI-8 | 0.70 |
1.53 |
||||
銚子市常世田町 |
3960 | 0.69 |
2.26 |
||||
旭市八木 |
3959 | 0.68 |
2.25 |
||||
銚子市八木町 |
CHO-8 | 0.64 |
2.12 |
||||
東金市家之子 |
TO-15 | 0.64 |
-0.09 |
年 |
地盤変動 調査面積 |
【地盤沈下面積(平方キロメートル)】 1.99センチメートル以下 |
【地盤沈下面積(平方キロメートル)】 2.00から3.99センチメートル |
【地盤沈下面積(平方キロメートル)】 4.00センチメートル以上 |
【地盤沈下面積(平方キロメートル)】 計 |
水準点数* の沈下のあった点数 |
【最大沈下地点】 所在地 |
【最大沈下地点】沈下量 |
|||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
25 |
3,204.7 |
2,039.3 |
0.4 |
0.0 |
2,039.7 |
1,142 (1) |
長生村本郷 |
2.41 | |||||
24 |
3,204.7 |
1,107.6 |
0.0 |
0.0 |
1,107.6 |
1,145 (0) |
いすみ市荻原 |
1.29 | |||||
23 |
3,204.7 |
7.2 |
295.1 |
2,902.4 |
3,204.7 |
1,122 (1,117) |
市川市塩浜 |
30.89 | |||||
22 |
3,204.7 |
2,820.5 |
0.0 |
0.0 |
2,820.5 |
1,126 (1) |
習志野市藤崎 |
2.16 | |||||
21 |
3,204.7 |
2,630.9 |
22.3 |
0.0 |
2,653.2 |
1,125 (9) |
八街市八街ろ |
2.40 | |||||
20 |
3,204.7 |
1,890.1 |
0.6 |
0.0 |
1,890.7 |
1,058 (1) |
東金市松之郷 |
2.04 | |||||
19 |
3,204.7 |
2,942.8 |
61.4 |
0.0 |
3,004.2 |
1,059 (37) |
東金市松之郷 |
2.80 | |||||
18 |
3,204.7 |
1,142.3 |
11.7 |
0.0 |
1,154.0 |
1,172 (6) |
東金市松之郷 |
2.36 | |||||
17 |
3,204.7 |
1,101.7 |
0.3 |
0.0 |
1,102.0 |
1,170 (1) |
いすみ市岬町市野々 |
2.08 | |||||
16 |
3,178.5 |
2,927.9 |
149.2 |
0.0 |
3,077.1 |
1,174 (56) |
東金市酒蔵 |
3.39 |
*水準点数は、全点数のうち変動量を計算した水準点数の合計
表4について、初出時の数値に一部誤りがあったため、平成26年9月18日に修正しました。
単位:平方キロメートル
地域 |
地盤変動 調査面積※1 |
(1) 地盤沈下が見られない地域 |
(2) 【沈下量別地盤沈下面積】 1.99センチメートル以下 |
(2) 【沈下量別地盤沈下面積】 2.00から3.99センチメートル |
(2) 【沈下量別地盤沈下面積】 4.00から5.99センチメートル |
(2) 【沈下量別地盤沈下面積】 6.00から7.99センチメートル |
(2) 【沈下量別地盤沈下面積】 8.00から9.99センチメートル |
(2) 【沈下量別地盤沈下面積】 10.00センチメートル以上 |
(1)(2)に含まれない地域※2 |
地盤沈下が見られる地域合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
東葛 |
358.2 (358.2) |
- (300.1) |
- (45.1) |
- (13.1) |
82.9 (-) |
177.7 (-) |
97.6 (-) |
- (-) |
- (-) |
358.2 (58.1) |
葛南 |
253.9 (253.9) |
- (181.3) |
- (65.3) |
16.0 (2.5) |
140.7 (4.8) |
60.9 (-) |
0.3 (-) |
- (-) |
36.0 (-) |
253.9 (72.6) |
千葉・市原 |
617.7 (617.7) |
- (34.4) |
- (467.0) |
61.3 (97.2) |
417.9 (17.6) |
94.9 (※3) |
5.3 (※3) |
- (-) |
38.4 (-) |
617.7 (583.3) |
君津 |
264.3 (264.3) |
- (44.8) |
- (219.5) |
- (-) |
264.3 (-) |
- (-) |
- (-) |
- (-) |
- (-) |
264.3 (219.5) |
北総 |
643.8 (645.3) |
- (151.2) |
- (328.1) |
- (74.9) |
20.6 (54.5) |
344.6 (※3) |
196.1 (※3) |
82.4 (-) |
- (-) |
643.8 (494.1) |
九十九里 |
1,066.8 (907.6) |
- (100.3) |
29.0 (218.1) |
131.7 (192.4) |
236.0 (230.1) |
513.0 (※3) |
143.6 (※3) |
13.7 (6.3) |
- (-) |
1,066.8 (807.3) |
合計 |
3,204.7 (3,047.0) |
- (812.1) |
29.0 (1,343.1) |
209.0 (380.0) |
1,162.3 (307.0) |
1,191.0 (※3) |
442.9 (※3) |
96.1 (6.3) |
74.4 (-) |
3,204.7 (2,234.9) |
注)()内は平成16から20年累計
面積は四捨五入しているため、各地域の数字と合計が異なる場合がある。
※1調査範囲
法・条例に基づく地下水採取規制区域及び天然ガスかん水を採取している九十九里地域を中心に県全体(5,156.60平方キロメートル)の約6割に当たる3,204.7平方キロメートルを調査した。
※2平成23年において浦安市から千葉市における埋立地域においては全ての水準点で4センチメートル以上の沈下が確認されたものの、東北地方太平洋沖地震による液状化の影響が入り組んでおり、他地域のように沈下量別地盤沈下面積を算出することが困難な地域(74.4平方キロメートル)。
※3平成16から20年累計の沈下量6.00から7.99センチメートルと沈下量8.00から9.99センチメートルの地盤沈下面積(平方キロメートル)は、個別の数値がない。合計値は、千葉・市原1.5、北総36.6、九十九里160.4、合計198.5。
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