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更新日:令和4(2022)年4月14日

ページ番号:3066

平成26年度第5回議事録(千葉県総合支援協議会)

1.日時

平成27年1月22日(木曜日)午後6時から午後8時まで

2.場所

県庁中庁舎10階大会議室

3.出席者

(1)委員

高梨会長、宮代副会長、飯田委員、池澤委員、石毛委員、植野委員、川上委員、刑部委員、倉田委員、小林委員、佐藤(彰)委員、佐藤(伸)委員、佐藤(尚)委員、鈴木委員、田上委員、田中委員、寺田委員、内藤委員、藤尾委員、吉田委員、吉野委員

欠席委員:小川委員、佐藤(恵)委員、佐藤(慎)委員、富沢委員、松井委員

(2)県(事務局)

古屋課長他11名

4.議題

(1)報告事項

千葉県障害者計画フォーラム等について

(2)審議事項

第五次千葉県障害者計画素案(案)について

5.議事概要

(事務局)
本日は、お忙しいところご出席いただきましてありがとうございます。ただいまから千葉県総合支援協議会(第五次千葉県障害者計画策定推進本部会)の第5回会議を開会いたします。私は本日の司会を務めます副課長の桜井と申します。よろしくお願いします。

≪資料確認≫

(事務局)
それではまず会議に先立ちまして古屋障害福祉課長から御挨拶を申し上げます。

(古屋課長)
皆さんこんばんは。障害福祉課長の古屋でございます。本日は大変お忙しい中、夜にもかかわらずお集まりいただきまして誠にありがとうございます。こちらの第五次千葉県障害者計画でございますが、これまで年度初めから精力的に皆様に御議論いただきまして、11月には5箇所に渡る地域フォーラムにも各専門部会長にご参加いただき、また12月23日には全体のフォーラムを開催いたしまして皆様から多くの意見をいただきました。今回、各専門部会での議論などを踏まえまして修正したパブリックコメントの素案をとりまとめております。よろしく御審議いただきましてパブリックコメントにつなげてまいりまして、最終的な計画策定に向けて進めてまいりたいと思います。
本日はそういった意味では計画策定に向けての最終素案の議論ということで、皆様によろしくご確認いただきましてパブリックコメントにつなげていきたいと思いますのでよろしく御審議のほどお願いいたします。今日の議論がよい計画の策定に向けてのきっかけとなりますことを祈念いたしまして私からの挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。

(事務局)
議題に入ります前に事務局からお願いがございます。御発言の際にはお名前を名乗っていただき、その後に御発言をお願いします。それでは議題に入りますので、進行を高梨会長にお願いします。

(高梨会長)
それではあらためまして皆さんこんばんは。冷たい雨のしかも仕事帰りのお疲れのところ出席いただきましてありがとうございます。ただいま古屋課長の御挨拶の中にもありましたが、今日のメインは先日まで行われましたフォーラムの報告と、今月の末から始まりますパブリックコメントにかける最終素案の確認ということでございます。精力的に時間内に終わるよう努力したいと思いますのでご協力お願いします。
それでは早速議事に入ります。まず、議題1、報告事項。千葉県障害者計画フォーラム等について、事務局より説明をお願いします。

≪事務局説明≫

(高梨会長)
ありがとうございました。ただいまの説明についてご質問等あればお願いします。各フォーラムのアンケートや意見を見ますと、出席されている方はかなり詳しく素案を見てくださっていると感じます。貴重な意見も出されていますが、何かお気づきの点があればお願いします。
よろしいでしょうか。一度に見るわけにもいかないと思いますが、特にはないようですので、もしございましたら最後に時間が残りましたらお願いしたいと思いますので、とりあえず議題2の審議事項に移ります。
それでは審議事項について事務局からお願いします。

≪事務局説明≫

(高梨会長)
ただいま第1部の総論について説明いただいたわけですが、この中で何かお気づきの点はありますでしょうか。

(田中委員)
今頃になって申し訳ないが、遷延性意識障害の方が、数は少ないがいる。千葉市に交通事故で植物状態になった人を終生お世話するという病院(注・千葉療護センター)、日本に3、4箇所しかないという病院があるが、その病院もできたときには終生お世話するということだったのが、今は3年とか5年とか年限を切られてかなり短いスパンで出されているようだ。出てどうするかというと、施設だと身体障害者療護施設に行くしかないということで、在宅で暮らしている方がかなりいる。重症心身障害でもないということで、その施設も利用できないが、呼吸器を付けて家にいるという、そのことが(記述に)抜けていたかと思う。

(高梨会長)
ありがとうございます。事務局はいかがでしょうか。

(美細津副課長)
交通事故でそのような状況になられた方で、重症心身障害の施設では対応していないということを、重症心身障害の入所施設の方から聞いたことはあるが、その辺の状況等について確認していないので、確認を踏まえて検討したい。

(高梨会長)
他にはありますでしょうか。

(吉野委員)
15ページの精神障害のある人の説明の「精神科の病院に1年以上入院している」の部分で、いわゆる長期入院患者の方が平成25年度で7,767人ということで平成20年度と比べると6.7%減、平均在院日数も徐々に短くなる傾向があるということで、ただこれだけ読むと長期入院の問題が徐々に解消されつつあるというふうに読めてしまうが、実態としては全国で死亡退院が毎年2万人いるという状況を陰に隠してはいけないと思う。ここに明記するかどうかは別として、ここにはいろいろな立場の委員がいらっしゃるので、精神科病院の1年以上の長期入院患者は減少傾向にはあるものの、並行して死亡退院の問題が陰に隠れてあるのだと、その人たちの地域移行をどう考えるかということは我々が注視していかなくてはいけない。意見というよりは視点として述べた。

(植野委員)
二つほどある。他の会議にも出しているが、ここでは初めてお話しする。
一つは、障害者条例について、名前を変えていただきたいということ。案としては「共に暮らしやすい条例」はどうかという提案をしたい。
二つ目は、現在、総合支援法で「意思疎通(支援)」という言葉の使い方になっている。あえて情報バリアフリーという言葉を記述された理由の説明がまだ十分納得できないのであらためてお願いしたい。コミュニケーションという部分を重視した形の文言に変えていただきたい。

(高梨会長)
一番目のご意見についてはこの場の検討事項と違うので改めてお願いしたいと思います。二番目の意見については事務局で何かありますか。

(美細津副課長)
情報バリアフリーについては、「3障害のある人への理解を広げ権利を擁護する取組の推進」の(5)の表記であり、この部分については基本的にこの計画の柱立てを総合計画に準ずる形で整理している。バリアフリーというよりは双方向のコミュニケーションということで内容は整理したところ。

(植野委員)
整理したことは分かったが、ほかの会議でも繰り返し発言しているものの相変わらず文言が変わらないので、検討をお願いしたい。

(高梨会長)
他になければ第2部に移ります。中心となるのは第2部ですので、それぞれ1から8までございます。担当分野について事務局から説明していただいた後、本日それぞれの部会長さんがご出席いただいていますので、検討状況について3分程度で補足をお願いしたいと思います。とりあえず1から4まで続けて説明いただいた後に質疑の時間を取りたいと思いますのでよろしくお願いします。

≪事務局説明≫

(高梨会長)
この1の部分、入所施設から地域生活への移行の推進についてはワーキングチームで座長を務めた。この中で一番議論に時間を割いたのはグループホームのあり方と、最後まで入らなかった入所施設の定員、これをどうするかということに、多くの時間と皆さんのご意見を使わせていただいたかと思う。グループホームについては、県では様々な支援策を講じながら建設の促進を図っているが、建設費が高騰する中、自前で作ることが難しい。どうしても既存の中古物件やアパート等の転用という方法が割としやすいが、消防法の問題もあってハードルが高くなってしまった。また、新しく建てたくても地域住民の理解という点が難しい問題が依然として根強く残っている。またグループホームそのものが、施設からの地域移行ということだけではなくて、在宅の障害者の自立生活の方法として捉えられるようにもなってきたので、やはり質の問題と運営の問題を障害の特性に合わせて考えていく必要があるのではなかろうかという議論が行われた。また入所施設のあり方、あるいは必要性について、特に知的障害の重度の方を対象にしている生活介護施設において、ショートも入所も含めて非常に充足していない、ニーズに対応できていない、待機者がたくさんいるという、なので施設の定員だけの問題ではなく、やはり質も含めて県としての必要量をきちんと把握すべきではないかということで、知的障害者福祉協会の資料等も提出を受けて検討した。その結果について、国では計画の最終年度において4%削減ということを求めているが、千葉県としてはやはり施設の役割は非常に重要でありニーズも高い、千葉県袖ヶ浦福祉センターの第三者検証委員会での意向も踏まえる必要があるということで、千葉県袖ヶ浦福祉センターの定員減の分だけを削減して、できるだけ現在の定員を維持していきたいと。一方でやはり、空いている、定員を充足していない施設もあるようだということから、県としてそれぞれの障害者支援施設の実態がどうなっているのか調査をして本当に必要な人に利用していただくということを進めるべきではなかろうかということで、これが来年度以降の一つの課題になっている。その他もいろいろ議論が出たが、多くのことはこれに割かれたかと思う。

(高梨会長)
それでは、2の精神障害のある人の地域移行の推進について説明をお願いします。

≪事務局説明≫

ありがとうございました。それでは、本日富沢部会長が欠席されているので、寺田副部会長にコメントをお願いします。

(寺田委員)
2の補足ということで、特に部会では退院促進、それも長期に精神科病院に入院している人の退院促進。さらにそれをもう少し絞り込んで積極的に具体的に何をやるかという方向性について、遠隔地に入院している人の退院促進を積極的に図っていこうということで議論のかなりの時間をその仕組み作りに費やした。本来住んでいる圏域ではなく、違う圏域の精神科病院に入院している人を、もともと居住していた圏域に帰ってもらおうと、入院治療が必要であれば本来の自分の圏域の病院に転院してもらう、そしてまた通院が必要な人は自分の圏域で通院治療を継続してもらおう、このような仕組み作りを行った。先ほどの事務局からの報告にもあったように、それについての医療機関の協力が不可欠である。しかしそれについてまだ医療機関の協力体制が十分とはいえないが、それに協力する医療機関名を公表・周知するという広報活動をするというようなことも含めて医療機関に対するインセンティブを実施するというような仕組みを考えた。また、実際にその仕組みを推進していくためのコーディネーターの配置等に取り組んでいくということで、これによって遠隔地、そして長期間、高齢になっても入院している人たちの地域移行を少しでも進めていきたいと考えている。

(高梨会長)
ありがとうございました。それでは、3の「障害のある人のへの理解を広げ権利を擁護する取組の推進」について事務局から説明をお願いします。

≪事務局説明≫

(高梨会長)
ありがとうございました。それでは佐藤部会長、コメントをお願いします。

(佐藤(彰)委員)
今事務局から説明があったのはこの間の修正点についてだが、権利擁護部会ではご存じのように千葉県袖ヶ浦福祉センターをはじめとする虐待問題について取り組んできた。修正はされていないが、今なお虐待事例集の作成にワーキンググループを作って取り組んでいる。これはまだ最終案ができていないが、この2月、3月の間に作成して全国に配布する。それから虐待については研修のあり方について毎回のように議論を重ねてきており、今回も修正点が少し入っている。今年度の研修も大きく変わったが、来年度に向けての研修のあり方について、次回、(年度内に)もう一度権利擁護部会があるので、そこで議論をしていく予定である。
あわせて差別の解消について、今、植野委員から条例の呼び方について訂正をしてほしいという意見があり、これは専門部会でも出ている。ここで議論するものかどうかはわからないが、名称はともかくとして条例の認知度が低いということはあるので、これをどう広めていくかということと、差別解消法との整合性、これは今日の修正点でも入っているが、条例と法との今後どう取っていくのかという、これは現在モデル事業を県が受け、浦安市でもモデル事業を受けているので、このモデル事業の進捗を見守りながら、どういう方向性を取っていくかということを検討していくということで。モデル事業自体は計画の中に入らないので、今修正点に出たような表現でとどまっている。
また、植野委員からの「情報バリアフリー」の件、事務局からも説明があり、植野委員の意見は誠にごもっともであるので、私も同意見であるので事務局でご検討いただければと思う。

(高梨会長)
ありがとうございました。それでは続いて4の「障害のある子どもの療育支援体制の充実」について説明をお願いします。

≪事務局説明≫

(高梨会長)
ありがとうございました。この分野については佐藤(慎)部会長が本日欠席されているので事務局のみの説明とさせていただきます。
それではこれより、ただいま説明いただきました1から4につきましてご質問ご意見がありましたらいただきたいと思いますが、時間が押していますので簡潔にお願いします。

(小林委員)
28ページ、入所施設の件で、一つ追加してもらえないかという部分がある。
地域移行の検討会で、本当に入所施設の定員が足りないのか多いのか、あるいは今現在170名空いているというがどこの施設に空いているのか等、全然わからない状態で議論していたような気がする。ただ、現実的には待機者はいる。しかしその待機者に本当に緊急性があるのか、実はわかっていない。その中で28ページの○7において「千葉県総合支援協議会や市町村等の意見を聴きながら地域の実態把握に努めます」と書いている。本当に困っている人はその把握に努めてもらうのはもちろん結構だが、調整をしてもらいたい。そこで、「実情把握に努めるとともに、調整する仕組み作りを検討する」というのを入れてもらえないだろうか。
事業団の定員を減らしたことで、余計一層本当に大変な人たちが行き場を失うということが出てくる。私が先日三重県に行ったところ、三重県では平成15年に契約制度になったときに重い子たちが行き場を失うのではないかと、県で調整会議を作ったという。圏域ごとに待機者を明確に市町村が把握し、市町村が入所施設を必要としているのかどうか確認した上で、圏域で空いた施設に緊急性のある方から紹介するという仕組みを作ったという話があった。それが入所施設で簡単に受け入れられるかどうかは微妙なところだが、何らかの形で実態把握だけでなく、本当に困っている方に対して調整をすることについて、県の中での機能やリーダーシップを取っていくべきではないだろうか。以上の理由から、「地域の実情把握に努めるとともに、調整する仕組み作りを検討する」ということを追加してもらえないか。

(高梨会長)
この点については前回のワーキングチームでも出ていた意見です。課長いかがでしょうか。

(古屋課長)
実態がなかなかわからない中での今回の計画というところはあるので、いただいた御意見を踏まえ、調整する仕組み作りを検討、という文言について検討させていただきたい。

(飯田委員)
入所施設のところで、先ほど田中委員がおっしゃった医療的なケアが必要な子が入る入所施設、医療型の子どものための入所施設について。これは子どもだけでなく、実は我々も交通事故で重い障害を負って医療的な配慮が必要になったときにはまさに行き場がない状態である。養護施設がその機能を担っているというが、現実的には担えていない。どうなっているかというと、療養型の病院に移るしかない。人数が少ないのであまりオープンにされていないがそういった現状があって、医療的なケアが必要な方、子どもも大人も含め、そういった方が利用できる施設も一括りにして、入所施設の定員を下げるというのはいかがなものかと思う。もう少し議論すべき点があるのではという気がする。
69ページの福祉型障害児入所施設の入所定員(の数値目標)は288人で変わらないが、現実的には希望している人がたくさんいる。しかし入れないのでもう無理だということで先に行かないだけで、本当は希望している人がたくさんいる。この辺をもう少し見ていただきたい。今、小児医療や新生児医療の進歩で、以前は亡くなっていた方が生きられる、障害を持って生まれてくるので医療的なケアも必要になってくる。これは医療の分野では課題になっている。NICUも一杯で次の行き場所もない。医療の進歩は重度障害の方にもまったく同じで、昔は亡くなっていた方が生きられるようになったので、地域福祉を進めるのであれば在宅医療も一緒に充実させないとうまくいかないと思う。訪問診療をしてくれる医者が非常に少ない。医療的なケアが必要な人が子どもも大人も在宅での暮らしを充実させるのであれば医療分野でも同時に検討していかないと充実していかない。どのように落とし込めるか難しいところだ。

(高梨会長)
ありがとうございます。田中委員、小林委員の意見も含めてのお話だと思いますので、一つ検討をお願いしたいと思います。他にはいかがでしょうか。
ないようでしたら先に進めさせていただきたいと思います。5の「障害のある人の相談支援体制の充実」につきまして、説明をお願いします。

≪事務局説明≫

(高梨会長)
ありがとうございました。それでは寺田部会長、補足をお願いします。

(寺田部会長)
相談支援専門部会として2点だけ説明する。72ページの基幹相談支援センター、○4前段の部分について、中核地域生活支援センターは健康福祉指導課の所管であることから、障害福祉課とどのように役割分担をし、整理していくかが大きな課題だろう。さらに中核地域生活支援センターを含む相談支援機関という点で、障害福祉関係では新たな法律、制度ができるたびに相談支援センターが一つ生まれるという状況が続いている。例えば発達障害については発達障害者支援センター、さらに障害児者の虐待防止法に関連しては各市町村に虐待防止センターが設置される、さらにこの4月からは生活困窮に関しては生活困窮者自立支援法に基づく相談センターが設置されるということで、社会の中では様々な相談センターが林立している状況。利用者からすれば、どこを使えば自分に適した相談を受けてもらえるのかがよくわからない。そういう意味で、とにかく困ったらここへ行けばよいという役割を持ってもらうところが、基幹相談支援センターであろうと思うので、現在のところ県内で14箇所にとどまっているが、この基幹相談支援センターの設置促進というのが当面の大きな役割、課題だろうと思っている。
もう一点、相談支援の現場にいると、どのような相談を受けても、どのような支援計画を作成しても、地域の中にその受け皿がないことにはどうしようもない。その受け皿に関してはそれぞれの部会に議論を譲っているところだが、その中で一点だけ申し上げると、住まいという点で、グループホームの問題がある。ワーキングチームで議論していただいたと思うが、27ページでグループホームは先ほどの報告でも触れられているように、消防法や建築基準法のため、民間の住宅を転用する場合に隘路がある。なかなか転用が難しい状況。ここでは「引き続き国へ要望します」という文言になっている。私はこの集まりで何度も言い続けてきたし、前課長も確認しているが、これは消防法本則ではなく別表の問題であるので、都道府県レベルで対応を決められる性質のもの。したがって、国へ要望するのも結構だが県レベルで関係部局が十分に協議して対策を立てるということが必要だろうと思う。

(高梨会長)
ありがとうございました。続いて、6の「障害のある人の一般就労の促進と福祉的就労の充実」について説明をお願いします。

≪事務局説明≫

(高梨会長)
ありがとうございました。それでは内藤部会長、コメントをお願いします。

(内藤委員)
今、報告があった内容と、部会での検討の内容について。部会での検討は基本的に、総合支援法に基づく就労移行支援やA型、B型就労継続支援といった事業別にどのように成果を上げていくかという視点が中心になってしまう。もしかすると、法律が変わっていくと、障害のある人の働き方に対する見方等も今後は変わってくるだろうと。ただ、そこのところをきちんと見越していた議論が部会の中でしっかりとできていただろうか。
ただ、この大きな6番が、障害のある人の一般就労の促進という、いわゆる民間企業で働くケースと、それから福祉的就労という、いわゆるA型・B型で施設の中で働くケースの二つを挙げていたので、どうしても毎回の議論の中で出てきたのは、障害のある人の権利擁護の問題。障害者虐待防止法の中で使用者による虐待も想定されるので、単に一般就労を進めるということと、その権利を擁護するということについて、どのように事業者としてあるいは計画の中で考えていったらよいのかというところは、これは権利擁護の専門部会でも議論されるのだろうかという話をしつつも、(当部会でも)悩んできた。
それから、施設の中で働くことについて一点申し上げると、大きく84ページの(5)で工賃あるいは賃金の向上という取組があり、これはずっと取り組まれてきたことだが、障害のある人が働くこと、働く目的は自らの自立というか、自らの人生を切り開いていくということになる。その素晴らしい人生、いい生活の評価の指標が工賃という金額だけでよいのだろうかということは一つあり、そこのところをしっかり残していきたいという思いもあり、86ページの(6)として載せてある。この自らの価値観に基づいた働き方、つまり重度の人であっても施設の中で働くことで幸せを感じる、それは工賃にはつながらないが工賃につながらなかったらよい働き方とは言えないのかというと、そうではないだろう。ただそこのところにどういう指標があるのか、あるいは目標数値が置けるのかは思いつかなかった。また皆様から御意見があればお願いしたい。

(高梨会長)
ありがとうございました。それでは続きまして7の「障害のある人一人ひとりに着目した支援の充実」と、8「その他各視点から取り組むべき事項」の二つの説明をお願いします。

≪事務局説明≫

(高梨会長)
ありがとうございました。それでは第二部の7と8については(ワーキングチームの)宮代副座長からコメントいただきたいと思います。


(宮代副会長)
今説明があったように、7と8は多岐にわたる事項が網羅されている。時間も限りがあるので、いくつかお話をする。
87ページの重症心身障害児者の医療費助成制度の現物給付化、これはずっと懸案になっていた。平成27年8月の実施に向けてということで明記されている。これは特筆すべきことではないかと思っている。
8については、95ページの人材の確保定着。これは喫緊の課題であり、福祉介護に関わる全般、医療職も含めて人材が不足している。これは県の部課を越えた取組もなされているが、なかなか一朝一夕では片付かない問題であるので、継続した施策が必要になってくるだろう。
98ページの高齢期に向けた支援。ここにあるように平成23年、つまり第四次障害者計画の施行後に県内の知的・身体・精神の3障害を中心に、手帳所持者数の割合で調査を行った。施設で暮らす人、病院で暮らす人、また在宅の人、今どこで暮らしているか、また今後自分の暮らしをどこに構えたいか等、ニーズを全般にわたって質問した。やはり施設入所あるいは病院生活が長くなればなるほど、地域に移行することに対する、抵抗やためらいが出てくることは当時のアンケートからうかがえたような気がする。やはり、若いうちからどこに暮らすかという選択の余地がないと、結果的に暮らしの場が狭められていくのではないかということは容易に想像できた。
それから介護保険との兼ね合いについて。ご存じのとおり65歳になると、国では原則は介護保険であるとしている。ただ実際54市町村にもアンケートをとったところ、確か2市町村が一律に介護保険に移行していて、その他の市町村は、介護保険にあるサービスは介護保険を使用してもらうが、介護保険でまかなえないものについては障害福祉サービスでまかなうという答えであった。割と柔軟に対応していただいているようだ。
高齢化の問題はここにいくつか施策も出ているが、当然これで片付く問題ではないので、これも第五次計画の進捗状況を踏まえてまた次のステップとしての新たな課題も出てくると思っているので、それも考えなくてはいけないと思っている。

(高梨会長)
ありがとうございました。それでは第2部の5から8までと第3部の見込み量について、御意見御質問があれば簡潔にお願いします。

(藤尾委員)
まず一点目、83ページのネットワークの構築の部分、数値目標が載った時点では、ネットワーク強化充実事業がある中で、その事業箇所で実施するということでの数値目標であったと思うが、その事業がなくなり、就業・生活支援センターを中心にこれは実施するという方向性の問題なので、そうであればこの数値目標はいらないのではないか。これは就業・生活支援センターを16箇所という見込み数を挙げているところに内包されると思うので、文言は残っていてもよいが、別立ての事業でなければ数値目標としてはそぐわないのではないか。
もう一点相談したいのは、78ページの○5、「チャレンジドオフィスちばをはじめとした障害のある人の雇用の取組や更なる職域の拡大に向けた研究を推進するほか」の部分だが、これはチャレンジドオフィスにすべてを任せるのではなく、いろいろな障害のある人の県庁での雇用のあり方を検討するということが含まれていると私は理解をしている。そうすると、職域の拡大に向けた研究を推進、というのは非常に分かりづらく、しかもその後に「入札等における……」と別のものが載っているので、ここがぼやけてしまっている。明確に「他の雇用のあり方を検討する」とは言いづらいと思うので、少なくとも、県庁での雇用のあり方というところで一文にしていただきたい。後ろの「入札等……」がここにくっつくことで、そこが明確に出てこない。書ける範囲ぎりぎりのところで、県庁でも障害のある人をきちんと雇用していく、それを模索していくというところがもう少し伝わる文面に変えていただけないだろうか。

(高梨会長)
御意見として承るということでよろしいですか。他にはいかがでしょう。

(吉田委員)
87ページの現物給付化の実施について。副会長から画期的なことというお話があった。私もそう思う。さらっと書いてあるが、前進したことをもう少し書き込めるとよいのでは。現物給付になることで、例えば今まで償還払いをしていない方がかなりいるので、その方たちにも恩恵がいくということは画期的なこと。また、300円の自己負担がいかがなものかという声もあろうかと思うが、なぜ300円にするかの根拠であるとか、現物給付でこれだけの人が簡便になるといった利点をもう少し書き込んでいただけるとありがたい。

(高梨会長)
PRが足らないということで。他にはいかがでしょうか。

(植野委員)
116ページ、マークに関しての質問と意見。このマークの書き方について、いわゆる「ちょうちょマーク」に、聴覚障害者「標識」とあるが、標識ということで「マーク」の統一性を確認したい。マーク「等」という言い方になるのか。いずれにしても、実際的に使い方というのは誤解を招きかねない部分があると思う。聴覚障害者だから(つける)マークというよりは、これは補聴器を付けて(例えば私のように)対応可能な場合には必要ないということで、クラクションも何もまったく聞こえない人に対してこのマークが必要なのであって、これは啓蒙というときに誤解を招きかねない部分がある。付けてほしいということではないので聴覚障害者標識ということについてもちょっと心配なことがある。「公共施設への掲示をするなど」、というが、これは道路交通法で車に表示するもの。公的施設につけるマークというのがどういう意味か分からないが、もう少し丁寧な説明が必要。

(池澤委員)
就労支援と定着支援の体制強化のところ。定着支援の体制を強化するというが、それに関わる指標がなく、それをどのように計っていくか難しいところだと思うので、今から計画に反映させるのは難しいだろうが、今後検討を進めていく中で、どうしたら定着支援というものを把握できるかの研究をお願いしたい。

(高梨会長)
ただいま、藤尾委員ほか4人の方からコメントがありましたが、これについて事務局から何かコメントはありますか。特にないということで、では御検討いただくということで。
他にはございますか。
もしなければ、時間がいくらも残っていませんが、全体を通じて御意見いただきたいと思います。ただし、ご存じのとおり専門部会での検討を尊重することとしていますので、時間の面からも大きな変更はなかなか難しいと思いますが、全体を通じて修正箇所等の御意見があればお願いします。

(高梨会長)
それでは、今までいただいた御意見、貴重な意見がいくつか出ました。是非事務局で整理、検討の上、修正が必要な箇所は修正をお願いしたいと思います。
ただ、パブリックコメントまでの時間があまりありませんので、成案になるまでのスケジュールについて事務局から説明をお願いします。

≪事務局説明≫

(高梨会長)
ありがとうございます。今のようなスケジュールで今後進んでいくということです。今日は全般を通じまして最終素案についての御意見ということで様々な御意見をいただきました。検討が事務局に一任されていますが、若干時間がありますので、これまでのところを含めまして、課長から何か御意見があれば伺いたいと思います。

(古屋課長)
計画については今年一年かけて議論いただき本当にありがとうございます。私は途中から課長で着任しまして、議論の途中からということでなかなかフォローし切れていない面があったことはこの場を通じてお詫び申し上げます。ただ、皆様方の御意見をいただきながら、よりよい計画作りをということで、ある意味で千葉県内の障害福祉関係者の方々の皆様で作った計画という趣旨はある程度引き続き達成できたかと思っています。まだこれから1月末にパブリックコメントを行いまして、またこれから県民の皆様の御意見を伺いながら進めていくような形になりますが、まだ3月の策定に向けて御意見等ありましたらまた引き続き私どもに御意見をお寄せいただければと思います。これまでの策定に向けてご議論いただきありがとうございました。

(高梨会長)
ありがとうございました。以上で予定されていた議論はすべて終了しました。続きまして事務局から何かあればお願いします。

≪事務連絡≫

(高梨会長)
本日は急いでしまい恐縮でした。時間の関係がありましたので、今日いただいた意見を踏まえて修正していただいた上でパブリックコメントにかけるということになるかと思います。
以上ですべて終了します。御協力いただきありがとうございました。
それでは進行を事務局にお返しします。

(桜井副課長)
本日は長時間にわたりご議論いただき誠にありがとうございました。以上をもちまして第5回総合支援協議会(第五次千葉県障害者計画策定推進本部会)を終了いたします。

≪閉会≫

お問い合わせ

所属課室:健康福祉部障害者福祉推進課共生社会推進室

電話番号:043-223-2338

ファックス番号:043-221-3977

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