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更新日:令和7(2025)年12月3日
ページ番号:808917
中学生区分
千葉県身体障害者福祉協会理事長賞
いすみ市立国吉中学校3年
秋田 琴美(あきた ことみ)
「みんな違ってみんないい。」私はこの金子みすゞさんの詩の中の言葉が一番好きだ。私と同じ性格の人などいないし、全く同じ考えをもっている人もいない。生活の送り方だってみんな違う。私はその「みんな違う」をみんなで分かち合えたらいいなと思う。
「障害」という言葉を初めて耳にしたのは、小学1年生の頃。その言葉に好奇心を抱いた私は、障害について調べてみることにした。掲載されていたのは、私と違う生活をしている人達だった。「みんな私と同じ生活を送っている」と、この時まで思っていた。その衝撃と同時に、私は「障害のある人とない人でふれあえたらいいな」という思いが心に浮かんだ。
小学校の頃に、特別支援学校との交流会があった。支援学校の人たちは、一人ひとり個性であふれている。私が普段過ごしている学校の雰囲気とは違い、とても新鮮な感覚になった。
この交流会では、班になっての活動だった。一緒の班になった子は私と同じくらいの年齢で女の子。車いす生活で言葉を発することが簡単ではない子だった。
「よろしくね。」
私は、緊張の中挨拶をした。車いすの子の口角が少し上がり、笑ってくれたような気がした。
「喜んでいますよ。」
車いすの子を担当している支援学校の先生が言った。私は、少し車いすの子の心を読みとれたようで嬉しかった。この他愛ないコミュニケーションが距離を縮めるきっかけになると思った。
パラスポーツであるボッチャを班対抗でやることになった。このスポーツは障害のある人とない人関係なしに楽しめるスポーツだ。ルールは、赤と青のボールを、白い目標球に向かって投げ、近づけるというルール。一チーム、六球投げることができる。最初にボールを投げるのは私。初めてやる球技でうまくできるか不安だった。投げると、ボールは白い目標球の隣に転がってく。
「上手!」
車いすの子を担当している支援学校の先生が言った。振りかえると車いすの子も手を叩いているのが見えた。拍手だった。そのおかげで私の不安も解け、ボッチャを心から楽しめた。次に投げるのは、車いすの子。投げると、ボールは白い目標球にくっつく距離まで転がっていった。
「すごーい!白い目標球に近い!」
とても上手だった。車いすの子は、ボッチャが得意らしい。障害があってもなくても、人にはそれぞれの得意分野があることに嬉しく思った。一チーム、六球投げ終わりボッチャは終わった。私はこのボッチャが、障害のある人とない人関係なくみんなで楽しめて幸せだった。
交流会が終わりに近づいたとき、車いすの子が一枚の絵を見せてくれた。家族の絵だった。車いすの子と両親。背景にはいろんな色を使っていた。私にはそのいろんな色が「幸せ」、「楽しさ」、「喜び」、いろいろな気持ちが読み取れた。自分とは違う表現の仕方に心惹かれた。
お別れの時になり、寂しい気持ちでいっぱいだった。こんなに時間が進むのが早いのは初めてだ。
「今日は楽しかった!また会おうね!」
挨拶をして特別支援学校を出た。車いすの子は手を振って見送ってくれた。
私は、みんな違うのが当たり前だと思っている。みんな違うからこそ人の性格を受け入れたり、受け入れられたりできる。障害がある人とふれあってみて、気持ちが通じ合えるか不安だった。けれど、車いすの子と通じ合えて障害があってもなくても心は通じ合えることを知った。
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