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更新日:令和3(2021)年6月16日
ページ番号:21710
発表日:平成24年5月28日
千葉県総務部市町村課
電話:043-223-2131
千葉県内各市町村の平成24年度当初予算総額は、1兆9,627億45百万円であり、前年度と比べて、1.0%の増加となっている。
歳入においては、評価替えによる固定資産税の減収の影響を受け市町村税が、また、児童手当への制度見直しにより国庫支出金が減少する一方、地方交付税、地方債、繰入金が増加した。
歳出においては、人件費や児童手当への制度見直しによる扶助費の減などにより義務的経費が減少する一方、東日本大震災からの復旧・復興事業を当初予算から計上(※)したことや老朽化施設の改修など普通建設事業の増により投資的経費が増加した。
こうした中、平成24年度末における基金残高は、大きく減少することが見込まれている。
※平成23年度の東日本大震災からの復旧・復興事業費は、各市町村とも補正予算で計上したところである。
平成24年度の県内54市町村の当初予算総額は、1兆9,627億45百万円で、前年度に対し186億24百万円の増(対前年度比1.0%増)と、4年連続の増加となった。
予算総額が前年度に対し、増額した団体は30市町、減少した団体は24市町村である。
第1表当初予算規模の対前年度比較(単位:百万円、%)
区分 | 当初予算 | 対前年度 増減額 |
対前年度 増減率 |
地方財政計画 対前年度増減率 |
---|---|---|---|---|
平成22年度 |
1,874,274 |
74,150 |
4.1 |
△0.5 |
平成23年度 |
1,944,122 |
69,848 |
3.7 |
0.5 |
平成24年度 |
1,962,745 |
18,624 |
1.0 |
2.1 |
※百万円未満を四捨五入しているため、対前年度増減額が一致しない場合がある。
※「地方財政計画対前年度増減率」について、平成24年度の地方財政計画では、通常収支分とは別に、新たに東日本大震災分が設けられたため、通常収支分と東日本大震災分とを合わせた額で比較したものである。
第1図 最近5年の当初予算規模の推移
市町村税は、9,278億90百万円で、前年度に対し1.3%の減と、2年ぶりに減少した。
地方交付税は、1,559億68百万円で、前年度に対し13.4%の増と、4年連続の増加となった。
国庫支出金は、2,628億2百万円で、前年度に対し6.5%の減と、6年ぶりに減少した。
地方債は、1,792億35百万円で、前年度に対し8.8%の増と、2年ぶりに増加した。
繰入金は、587億41百万円で、前年度に対し17.7%の増と、3年ぶりに増加した。
(1)市町村税は、市町村民税が年少扶養控除の廃止等の税制改正や企業収益の回復などにより0.9%の増加(38億97百万円増)しているものの、固定資産税が評価替えなどにより4.4%減少(173億43百万円減)したことから、前年度に対し122億54百万円の減少となった。
(2)地方交付税は、市町村税の減収を反映し、普通交付税が10.6%増加(135億34百万円増)するとともに、新たに東日本大震災からの復旧・復興のための震災復興特別交付税が31億27百万円計上されたことにより、前年度に対し184億11百万円の増加となった。
(3)国庫支出金は、生活保護費負担金が受給者の増加により6.6%増加(59億19百万円増)、また、新たに東日本大震災からの復旧に係る補助金が42億87百万円計上されたものの、児童手当への制度見直しにより児童手当に係る交付金が32.1%減少(364億41百万円減)したことにより、前年度に対し184億12百万円の減少となった。
(4)地方債は、老朽化した施設の改修など普通建設事業や防災・減災事業が増加したことにより、前年度に対し145億73百万円の増加となった。なお、地方の財源不足のために発行される臨時財政対策債は、前年度に対し14億15百万円の増加となった。
(5)繰入金は、喫緊の行政課題に対応するため、基金からの取崩しが21.2%増加(96億69百万円増)したことにより、前年度に対し88億44百万円の増加となった。
第2表 主な歳入の内訳(単位:百万円、%)
区分 |
予算額 |
対前年度 増減額 |
増減率 |
構成比 |
---|---|---|---|---|
市町村税 |
927,890 |
△12,254 |
△1.3 |
47.3 |
地方譲与税 |
18,380 |
355 |
2.0 |
0.9 |
地方特例交付金 |
4,410 |
△6,646 |
△60.1 |
0.2 |
地方交付税 |
155,968 |
18,411 |
13.4 |
7.9 |
国庫支出金 |
262,802 |
△18,412 |
△6.5 |
13.4 |
県支出金 |
96,145 |
2,120 |
2.3 |
4.9 |
繰入金 |
58,741 |
8,844 |
17.7 |
3.0 |
地方債 |
179,235 |
14,573 |
8.8 |
9.1 |
その他 |
259,174 |
11,634 |
4.7 |
13.2 |
合計 |
1,962,745 |
18,624 |
1.0 |
100.0 |
<参考>一般財源(※) |
1,262,677 |
1,793 |
0.1 |
64.3 |
※一般財源とは市町村税、地方譲与税、地方交付税、その他(各種交付金、地方債のうち臨時財政対策債)を加えたものである。
※百万円未満を四捨五入しているため、合計が一致しない場合がある。
※構成比は、小数点第1位未満を四捨五入しているため、合計が100.0%にならない場合がある。
第2図歳入の構成比
義務的経費は、1兆113億25百万円で、前年度に対し1.9%の減と、7年ぶりに減少した。
投資的経費は、2,201億99百万円で、前年度に対し8.0%の増と、2年連続の増加となった。
(1)義務的経費は、人件費が、職員数削減や給与の見直し等の取組みにより2.1%減少(87億43百万円減)するとともに、社会保障関係経費である扶助費も、児童手当への制度見直しにより2.1%減少(87億29百万円減)となったことなどから、前年度に対し194億56百万円の減少となった。
(2)投資的経費は、東日本大震災を受けて、災害復旧事業費が大幅に増加(79億46百万円増)するとともに、老朽化した施設の改修など普通建設事業費が4.1%増加(83億34百万円増)したことにより、前年度に対し162億79百万円の増加となった。
(3)他の経費においては、特に、貸付金が、一部の市で厳しい経営環境にある中小企業への資金融資を行う貸付を増額したことや病院建設に関する貸付を増額したことなどにより、前年度に対し100億69百万円の増加となった。
第3表 主な歳出の内訳(性質別歳出)(単位:百万円、%)
区分 |
予算額 |
対前年度 増減額 |
増減率 |
構成比 |
|||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
義務的経費 |
1,011,325 |
△19,456 |
△1.9 |
51.5 |
|||||||||
|
人件費 |
399,645 |
△8,743 |
△2.1 |
20.4 |
||||||||
|
扶助費 |
408,765 |
△8,729 |
△2.1 |
20.8 |
||||||||
|
公債費 |
202,914 |
△1,983 |
△1.0 |
10.3 |
||||||||
投資的経費 |
220,199 |
16,279 |
8.0 |
11.2 |
|||||||||
|
うち普通建設事業費 |
212,040 |
8,334 |
4.1 |
10.8 |
||||||||
|
|
うち補助事業費 |
80,584 |
6,394 |
8.6 |
4.1 |
|||||||
|
|
うち単独事業費 |
130,756 |
1,940 |
1.5 |
6.7 |
|||||||
|
うち災害復旧事業費 |
8,159 |
7,946 |
※3,725.7 |
0.4 |
||||||||
物件費 |
312,760 |
△146 |
△0.0 |
15.9 |
|||||||||
補助費等 |
144,757 |
1,151 |
0.8 |
7.4 |
|||||||||
貸付金 |
55,618 |
10,069 |
22.1 |
2.8 |
|||||||||
その他 |
218,087 |
10,726 |
5.2 |
11.1 |
|||||||||
合計 |
1,962,745 |
18,624 |
1.0 |
100.0 |
※災害復旧事業費の増減率が大きいのは、当初予算比較のためである。(平成23年度の東日本大震災からの復旧・復興事業費は、各市町村とも補正予算で計上したところである。)
※百万円未満を四捨五入しているため、合計が一致しない場合がある。
※構成比は、小数点第1位未満を四捨五入しているため、合計が100.0%にならない場合がある。
第3図歳出の構成比
※構成比は、小数点第1位未満を四捨五入しているため、合計が100.0%にならない場合がある。
平成24年度末の基金残高は、2,467億82百万円で、前年度末に対し13.8%減と大幅に減少する見込みである。
(1)財政調整基金は、前年度末に対し21.3%と大幅な減少(331億47百万円減)が見込まれており、団体によっては、年度間の財源調整機能を十分に果たすことが困難な状態にまで減少する見込みである。
(2)減債基金は、前年度末に対し12.2%の減少(15億29百万円減)となる見込みである。
第4表 基金残高(単位:百万円、%)
区分 | 平成24年度末 (当初見込) |
平成23年度末 (決算見込) |
増減率 |
---|---|---|---|
基金残高 | 246,782 |
286,252 |
△13.8 |
財政調整基金残高 | 122,405 |
155,552 |
△21.3 |
減債基金残高 | 11,051 |
12,580 |
△12.2 |
その他特定目的基金残高 | 113,326 |
118,121 |
△4.1 |
※百万円未満を四捨五入しているため、合計が一致しない場合がある。
平成24年度末の債務総額(地方債現在高と債務負担行為翌年度以降支出予定額の合計)は、2兆4,625億78百万円で、前年度末に対し0.2%増加する見込みである。
市町村の債務総額は、本年度当初予算総額の125.5%に相当し、依然として将来にわたる大きな財政負担となっている。
第5表 債務総額(単位:百万円、%)
区分 | 平成24年度末 (当初見込) |
平成23年度末 (決算見込) |
増減率 |
---|---|---|---|
地方債現在高 | 2,022,858 |
2,009,373 |
0.7 |
債務負担行為翌年度以降支出予定額 |
439,720 |
447,592 |
△1.8 |
計 |
2,462,578 |
2,456,965 |
0.2 |
(1)各市町村においては、市町村税をはじめとした一般財源の大幅な増加が見込めない中、東日本大震災からの復旧・復興や防災・減災事業に取り組むことが強く求められており、国・県の制度を有効に活用して、災害に強いまちづくりを進めていく必要がある。
(2)また、社会保障関係経費は今後も増加することが予想されるとともに、老朽化した施設の改修など喫緊の行政課題にも対処していく必要があることから、引き続き、税収確保や事務事業の見直し、徹底した経費の節減合理化に取り組み、財政体質の強化を図るとともに、事業の計画的な実施に努める必要がある。
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