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更新日:令和4(2022)年10月31日

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ナガエツルノゲイトウの秋季防除について

1.ナガエツルノゲイトウとは

ヒユ科に分類される南米原産の多年草です。繁殖力、拡散力が高く生態系や農業へ悪影響を及ぼす恐れがあることから「特定外来生物」に指定され、栽培や運搬等が規制されています。令和3年10月時点で千葉県を含む、関東以西の21府県で侵入が確認されています。

茎はストロー状でわずかな力でも節から簡単に折れます。国内の系統は種子をつけませんが、節がついていれば数センチメートル程度の茎や根の切れ端からでも再生することができる拡散力の強い植物です。

川や池の水底に根を張り、水上に茎や葉を伸ばす抽水植物と呼ばれる水草に分類されますが、乾燥にも強く陸地でも生育します。折れた茎は水に浮きやすく、河川や水路で下流に流れ、流れ着いた場所でマット状の群落を形成し、分布域を拡大します。

水田では主に水口から侵入し、畦塗りにより茎や根が断片となり、畦畔へ拡散されます。断片が再生し、畦畔や水田内へ伸びた状態で耕うん等を行うと、水田内部にも断片がすき込まれます。また、刈払い機による畦畔除草は断片化し、飛散することで水田内へ侵入するため、畦畔は除草剤で防除することが重要です。

水田内部でナガエツルノゲイトウが多く発生すると、作物との競合による収量の減収や収穫時にコンバインに絡まり作業性の低下をもたらす恐れがあります。早期に発見し、断片を残さないように丁寧に取り除くとともに周囲への拡散を防止することが重要です。

写真1.水田畦畔で増殖するナガエツルノゲイトウ(JPG:392.2KB)
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写真1.水田畦畔で増殖するナガエツルノゲイトウ

2.見分け方のポイント

(1)葉

1つの節から1対の葉が生えています。葉の長さは2.5から5.0センチメートル、幅は0.7から2.0センチメートルで先が少しとがっています。

(2)花

直径1.0から1.5センチメートル程度の白い花で、小さな花が集まった球状花です。1.0から4.0センチメートル程度の長い花柄があります。

(3)茎

断面は中が空洞でストロー状になっています。表面はなめらかで節からよく分枝します。

写真2.葉と花の様子
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写真2.葉と花の様子

写真3.茎の断面
写真3.茎の断面

3.ナガエツルノゲイトウの秋季防除について

秋の耕うん前に水田内で発生していないか確認しましょう。

(1)発生量が少ない場合

  • 手作業で根元から丁寧に取り除きましょう。

(2)発生量が多い場合

  • ラウンドアップマックスロード(使用回数:水田作物(水田刈跡)1回)を降霜期までに散布しましょう。
  • 霜が降りてナガエツルノゲイトウが凍ると除草剤の効果が発揮できなくなるため、霜が降りる前に散布しましょう。本剤を散布しても完全に枯死させることはできないため、地上部が枯れた後、残った株を根元から手で丁寧に取り除きましょう。
  • 農機に付着した茎断片の拡散を防止するため、発生のないほ場から先に耕うんしましょう。発生ほ場での作業後は農機をよく洗浄しましょう。

ナガエツルノゲイトウは特定外来生物のため、処分方法は各市町村へお問い合わせください。

 

写真4.除草剤散布により葉が枯れたものの、生き残った茎から芽が再生している様子(JPG:249.6KB)
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写真4.除草剤散布により葉が枯れたものの、生き残った茎から芽が再生している様子

初掲載:令和4年9月
東葛飾農業事務所
改良普及課北部グループ
普及指導員 川口 真穂
電話番号:04-7162-6151

お問い合わせ

所属課室:農林水産部担い手支援課専門普及指導室

電話番号:043-223-2911

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