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更新日:令和4(2022)年9月1日

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搾乳30頭規模でも稲ホールクロップサイレージを使っています!

香取地域では、耕畜連携による稲ホールクロップサイレージの栽培体系が確立しており、近年では、飼料価格の高騰や社会情勢の影響を受け、畜産農家の需要がさらに高まっています。ただし、稲ホールクロップサイレージは、牛1頭あたりの給与量が多すぎると消化不良を引き起こす要因となります。また、開封後に使いきれない場合、二次発酵や変敗が起こりやすく、小規模酪農経営での利用は少ない現状です。
そこで香取農業事務所では、搾乳牛30頭の小規模酪農経営で、稲ホールクロップサイレージとデントコーンサイレージを交互に給与し、飼料費の削減に取り組む経営体について調査しました。その技術について紹介します。

1.作業の流れ

  1. ミキサーに乾草を入れる。
  2. デントコーンサイレージ又は稲ホールクロップサイレージを1ロールを入れる。
  3. 配合飼料を入れ、2回分の完全混合飼料が完成。
  4. 当日の夕方と翌日の朝、1から3の手順で調整した完全混合飼料を給与する。
表1.給餌作業の具体例
区分 3月1日朝 3月1日夕 3月2日朝 3月2日夕 3月3日朝 3月3日夕 3月4日朝 3月4日夕
デントコーンサイレージ 飼料調整 給餌 給餌   飼料調整 給餌 給餌  
稲ホールクロップサイレージ     飼料調整 給餌 給餌   飼料調整 給餌

2.経営改善効果

この経営体は、24時間以内にデントコーンサイレージを1頭当たり10キログラム給与し、次の24時間で同量を稲ホールクロップサイレージに置き換えて給与しています。この方法により、年間で1頭当たり23,725円の飼料費削減ができることになります。
稲ホールクロップサイレージを利用し始めた当初は1ロールの半分の量を使っていましたが、残った半分のロールの置場を確保する必要があり、牛舎内の作業動線を考える必要がありました。現在は開封したロールを放置することなく全てミキサーに入れているため、牛舎内での作業性は改善されています。

3.経営主が気を付けていること

この経営体の乳量は、2022年1月時点で1日1頭当たり32キログラムであり、稲ホールクロップサイレージの多給を始める前と後で乳量に影響は出ておらず、稲ホールクロップサイレージ多給による食滞等の事故は起きていません。ただし、経営主は24時間以内に給与する稲ホールクロップサイレージは1頭当たり10キログラムを上限としており、次の24時間に続けて稲ホールクロップサイレージを給与しないよう注意しています。

作業のようす(JPG:193KB)

※画像をクリックすると、大きい画像が表示されます。
写真1 作業のようす

 

 

初掲載:令和4年7月
香取農業事務所改良普及課
西部グループ
普及指導員 谷本智里
電話番号:0478-52-9195

お問い合わせ

所属課室:農林水産部担い手支援課専門普及指導室

電話番号:043-223-2911

ファックス番号:043-201-2615

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