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更新日:令和3(2021)年11月11日

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稲刈り後から始める来年の水稲栽培

稲刈り直後は土づくりや雑草対策のチャンスです。来年の水稲栽培に向けて対策をしましょう。

1.土づくり

(1)稲刈り直後の耕うんによる土づくり

稲わらはすき込むことで地力が高まり、気温による生育量の変化に応じ、地力窒素が供給されるため、肥料切れ等による収量減少や品質の低下を防ぐことが期待できます。稲わらは気温が高い時期にすき込むと分解が促進され、すき込み時期が遅くなると、気温が上昇する翌年の水稲生育期に分解されます。分解の際に発生するメタンガスや硫化水素は、初期生育の遅れ等を招く恐れがありますので、稲刈り直後の耕うんを目指しましょう。

(2)ケイ酸施用による土づくり

ケイ酸資材は1)日照不足による収量低下の軽減、2)高温条件下での品質向上、3)倒伏の軽減、4)いもち病の軽減の効果が確認されています。耕うんの前(稲刈り後~春)にケイ酸カルシウム等を10アール当たり100から200キログラム施用しましょう。ケイ酸カルシウムはアルカリ成分も含んでおり、稲わらの分解を促進する効果も期待できます。

2.雑草対策

移植後の除草剤だけでの防除が難しい雑草には、稲刈り後の耕うんや除草剤による秋季防除を組合わせた対策が効果的です。

(1)マツバイ、ミズガヤツリ、オモダカ、セリ、クログワイ等の多年生雑草

塊茎から発生する多年性雑草は、発生が長期間に亘るため移植後の除草剤だけでは防除しきれません。図1に示したように塊茎の形成初期(9月中)にロータリー耕で植物体を切断することにより、塊茎の形成を抑制できます。多年生雑草は稲刈り後にも茎葉が伸長し、塊茎を増やすため、秋季に非選択性除草剤を散布することも有効です。地上部が自然に枯死する前に散布する必要があるため、ミズガヤツリ、クログアイ、オモダカには10月上旬までに、マツバイ、セリに対しては11月までに散布しましょう。

ただし、コウキヤガラは7月から塊茎の形成が始まり、稲刈り時には地上部が枯死するため、秋季防除は困難です。

水稲刈り取り後早期の耕うん(PNG:248.4KB)

※画像をクリックすると、大きい画像が表示されます。

図1.水稲刈り取り後早期の耕うん

(2)イボクサ、アシカキ、キシュウスズメノヒエ等のほふく性雑草

ほふく性雑草は畦畔から水田に侵入し、収量に影響するだけでなく、収穫作業の障害となります。8月中に収穫を行う場合、稲刈り後に雑草が再生し、種子が生産され、翌年以降の発生源となります。稲刈り後、種子が形成するまでにほ場を耕うんすることで、再生及び種子生産を防ぎましょう。秋季の発生量が多い場合は、非選択性除草剤を散布しましょう。

ナガエツルノゲイトウは、稲刈り後の耕うんにより切断された植物体が来年度の発生源となります。発生ほ場では耕うんの前に非選択性の除草剤を散布し、植物体に十分に除草成分を浸透させましょう。

 

 

初掲載:令和3年9月

千葉農業事務所

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普及指導員 小野英吾

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