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更新日:令和5(2023)年2月13日

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千葉地域若手酪農家の収益向上と仲間意識の醸成を目指して

千葉農業事務所では、若手酪農家の飼養管理技術・経営管理能力の向上を図るため、管内各市の若手酪農家グループの活動支援を行っています。今回、千葉地域で活動する『千葉市COW飼う会』と『市原市ホルスタイン改良同志会』が、「酪農の輪」を広げるために積極的な活動を行っている様子を紹介します。

1.『千葉市COW飼う会』

『千葉市COW飼う会』は、「同じ酪農に従事していながら、所属する酪農協同組合が違うために、ほとんど交流の機会がない」「市内若手酪農家同士、情報を交換したり、悩みを解決し合い、共に酪農について学んでいきたい」という思いから、平成25年に牛(COW)を飼っている千葉市の若手酪農家7名で結成されました。現在会員数は12名になっています。

(1)ロープワーク研修会の開催

今年度当初、活動内容の検討を行った際に、「知っているようで知らない、習ったようで習っていない、“もくし(※)”について、みんながどんな結び方、使い方をしているのか知りたい!」という会員からの意見があり、ロープワーク研修会を開催しました(写真1)。会員それぞれの結び方、使い方を交換し合い学びました。また、切れて使用できなくなったロープの補修やリサイクル法についても交換し、酪農家独自の使い方を交換する良い機会となりました。

※もくしとは、牛をつなぐために頭部を固定するロープまたはその結び方のこと。

写真1.ロープワーク研修会の様子

写真1.ロープワーク研修会の様子

2.『市原市ホルスタイン改良同志会』

『市原市ホルスタイン改良同志会』は、会員相互の親睦と酪農経営に関する知識技術の向上を図り、地域酪農の発展に寄与することを目的として、昭和56年に設立された歴史ある自主研修組織です。

これまで会員は市原市内の酪農家に限ってきましたが、離農等による会員の減少から、市外の酪農家も入会できるように、平成30年に規約を改正、現在袖ケ浦市の酪農家も含め、10名で活動しています。

(1)牛の毛刈り・リード講習会の開催

本県では、ホルスタイン種牛の改良増殖を図り、酪農の安定と発展を期すため、『千葉県乳牛共進会』が開催されています。出品にあたっては、牛を美しく見せるための毛刈り・リード技術が必要です。

昨年度は、他地域の酪農家を講師として、毛刈り・リード技術の向上を目的とした技術講習会を開催しました(写真2)。当日は他地域の酪農家と情報交換ができる貴重な機会となり、日々の飼養管理に関する意見交換も活発に行われ、相互に刺激を受ける有意義な時間となりました。 

写真2.毛刈り技術講習会の様子

写真2.毛刈り技術講習会の様子

3.3市合同台風及び停電対策に関する情報交換会の開催

今年度は台風15号及び19号によって、管内酪農家の多くが甚大な被害を受けたため、八千代市の八千代酪農農業協同組合青年部も含めた3市の若手酪農家グループを対象に「台風対策及び停電対策に関する情報交換会」を開催しました(写真3)。特に、台風15号による停電は、今まで経験した事のない長期間に渡るものであり、この間に搾乳ができなかった人、断水で水の確保に困った人、発電機は借りることができたが配線の仕方がわからず困った人等からの報告がありました。出席者の多くが、十分な対策がとれず、今後台風に対する早急な対応策が必要との意見が出されました。一方で、停電を免れた農家からは、「所有している発電機を貸してあげたかったが、情報がなく、電話も通じず、貸すことができなかった。」という声もありました。また、両会が、管内2酪農協の担当者から、被災当時の酪農協の動きについて話を聴いたところ、災害時の広域的な連絡系統の整備、災害時の対応マニュアルの作成が必要との意見でした。今回のような大きな災害は、今後も起こる可能性は十分にあります。今回の情報交換会は、災害に強い酪農経営に向けた基盤強化と、災害時の協力体制の構築について、参加者の意識を高める機会となりました。

写真3.情報交換会の様子

写真3.情報交換会の様子

4.今後に向けて

これまでの活動を通じて、組織活動の運営を会員が自主的に行い、会員同士が研鑽を深めてきました。その結果、個々の酪農経営はもちろん、地域酪農の発展に役立つ活動としたいという会員の意識向上が図られています。また、飼養管理技術も着実に向上しており、所属する全会員が経産牛1頭当たりの年間総乳量9,000キログラム以上を達成しました(令和元年10月時点・牛群検定実施農家15戸)。

今後も、組織活動を通じ会員相互が技術研鑽を行うとともに、自身の農場の経営改善に積極的に取組むことで、地域酪農業の担い手としての更なる活躍が期待されています。

初掲載:令和2年2月
千葉農業事務所
改良普及課
千葉・習志野グループ
普及指導員 君塚 時江
電話番号:043-300-0950

お問い合わせ

所属課室:農林水産部担い手支援課専門普及指導室

電話番号:043-223-2911

ファックス番号:043-201-2615

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