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更新日:平成31(2019)年4月8日

イネばか苗病の徹底防除にご協力ください!

1.イネばか苗病の特徴

イネばか苗病は昔から知られている病気ですが、近年全国的に問題化しています。この病気に感染したイネは葉色が淡くなり、菌の産出するジベレリンの影響で徒長して枯死し、薄桃色の胞子を多数形成します。この胞子が健全な籾に感染して翌年の発生源となり、育苗時から発病します。主として浸種、催芽、出芽時に蔓延し、多量に保菌した種籾をは種すると、育苗箱でも写真1(写真左の無処理)のような状態になってしまいます。このように育苗時から発病した苗は水田に移植されてもやがて枯死します。

採取ほ周辺では、特に防除にご協力ください!

ばか苗病は、水稲採種ほの審査で「発生していないこと」が合格基準となっている重要病害です。胞子が広範囲に飛散するため、千葉県では採種ほの周囲100m以内に発生ほ場がある場合、その採種ほは不合格となってしまいます。健全で良質な種子供給のため、採種ほ周辺を含めたばか苗病の徹底防除にご協力ください。

 

イネばか苗病の種子消毒効果

写真1.イネばか苗病に対する種子消毒剤の防除効果

左:無処理、右:ヘルシードTフロアブル200倍24時間浸漬処理

2.防除のポイント

ばか苗病は主として種子伝染で蔓延します。また、収穫した籾の調製中に菌が飛散し、作業舎内で翌年感染します。化学合成農薬のDMI剤(ヘルシードTフロアブル等)は高い防除効果があります(かつて卓効があったベノミル剤(ベンレートT水和剤)は耐性菌が発生しています(第1表参照)。また、他県では一部のDMI剤で耐性菌の発生が報告されています)。温湯消毒の防除効果は、化学合成農薬と比較して不安定です。これらの知見を基に、以下に防除のポイントを列挙します。

(1)種子は健全なものを用いる。特に前年ばか苗病が発生したほ場から自家採種しない。

(2)浸種~育苗を行う場所やその周辺を十分清掃し、伝染源となる稲ワラ、籾殻、米ぬか、粉塵等を除去する。消毒前と消毒後の種籾を、同じパレットやシート等に置かない。

(3)浸種、催芽で使用する機器や容器はあらかじめ十分洗浄する。特に前年にばか苗病の発生があった場合は、育苗箱・シートをケミクロンG又はイチバンで消毒する。

(4)種子消毒はDMI剤(例:ヘルシードTフロアブル、モミガードCドライフロアブル、テクリードCフロアブル)を使用基準に従って処理する。浸漬による種子消毒を行う際は、薬剤の効果を安定させるため、目の粗い袋にゆったり入れた種子を所定濃度で十分な量の薬液(容量1:1以上)に浸し、袋をよく振り空気を追い出した後浸漬する。薬液の温度が低すぎると効果が低下するため温度を10℃以上に保つ。24時間処理のときは途中1~2度袋をゆすって薬液をかく拌する。薬液の使いまわしはしない。処理後は水洗いせずに浸種する(第2表)。

(5)温湯消毒や微生物農薬による種子消毒は、それぞれ単用では効果が劣るため、これらを組み合わせた体系的な処理を行う(第1図)。また、採種ほ周辺のほ場に植えつける苗は(4)で示した化学合成農薬を使用する。

(6)浸種時の水温は10℃を目標に管理し、水交換は種子に付いた薬剤が流れ落ちないよう静かに行う。

(7)育苗箱内のばか苗病発病株は見つけ次第直ちに抜き取り、育苗場所から離れたところに埋設するか焼却する。

(8)育苗時にばか苗病が発生した育苗箱の苗は、水稲採種ほ周辺に植え付けない(採種ほ周辺には、採種ほが近くにあることや、本病の発生に留意することを周知するため種子組合が標札を設置している)。

(9)飼料用米やWCS用稲も種子消毒を徹底する。

 

※農薬は初掲載(平成31年2月)時点の登録内容をもとに作成しております。農薬の使用に当たっては、ラベル及び最新の登録内容を確認し、安全に使用してください。

 

第1表_イネばか苗病に対する各種薬剤の浸漬処理による防除効果

各種薬剤の浸漬処理による防除効果

第1表の拡大画像(PNG:13KB)

注1)前年に本圃でばか苗病が発生した県内7ほ場(A~G)の籾を翌年試験に供試した。

注2)発病株率は1区15cm×8.3cmの小型育苗箱3反復の平均。Gほ場はベンレート水和剤耐性菌と考えられる。

注3)細菌性病害が発生して枯死株が発生したため、残存株のみ調査した。

 

第2表_イネばか苗病に効果のある薬剤一覧(平成31年版千葉県農作物病害虫雑草防除防除指針より抜粋)

ばか苗薬剤

第2表の拡大画像(PNG:113KB)

記号◎効果が高い、○効果がある

(w)印は平成15年度以降に実施したWCS用イネでの残留性試験や乳汁移行試験で残留性がないと確認された農薬。

注1)テクリードCフロアブル、モミガードC・DFは、ハト胸催芽機やエアレーション付きの水槽等で浸種すると、有効成分の銅により黒色の粘性物が発生する場合があるので使用しない。さらに、亜鉛を劣化させることがあるので使用器具には亜鉛製のものは使用しない。

テクリードCフロアブル、モミガードC・DFを処理した種子を10℃以下の低水温で浸種すると催芽や出芽が遅延、抑制される場合があるので、10℃以上の浸種水温を確保する。また、は種後にも発芽抑制、根の伸長抑制などの初期生育遅延が認められることがある。

注2)トリフミンは、第1葉がよじれて初期生育が若干遅れるので、草丈の伸びにくい品種では管理に注意する。

注3)トリフミン水和剤で浸漬処理した場合は、処理後もみ表面が白くなるまで風乾してから浸種を行う。

注4)ヘルシードTフロアブルの4~7.5倍液は乾燥もみに塗抹処理し、原液は湿籾に塗沫処理する。

注5)ヘルシードTフロアブルをもみ枯細菌病に使用するときは、7.5倍液(原液4mℓを希釈)で処理する。

注6)浸種は20℃以上にすると細菌病の発生を助長するので、10~15℃で行う。浸種の際の水量は容量比1:2までとし、処理開始後2日間は薬剤が落ちないよう、水交換は避ける。水交換は静かに行うとともに、廃液は河川や用水路に捨てない。

 

温湯消毒、微生物農薬の防除効果

第1図_イネばか苗病に対する温湯消毒、微生物農薬の防除効果(%)

 

 

初掲載:平成31年2月

農林総合研究センター

病理昆虫研究室

室長福田寛

電話:043-291-9991

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所属課室:農林水産部担い手支援課専門普及指導室

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