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更新日:令和元(2019)年8月5日

パッションフルーツを11~12月に収穫しよう!

1.はじめに

パッションフルーツの従来の無加温施設栽培では、8月下旬~10月に収穫盛期を迎えますが、11~12月は主要産地からの出荷量が少なく、端境期となります。

そこで、市場での有利販売が見込まれる11~12月を収穫盛期とする無加温施設栽培の作型を開発したので紹介します。

2.新しい作型「無加温施設11~12月収穫作型」

パッションフルーツの標準的な整枝法は「吊り下げ型整枝」(逆L字仕立て)です。

4月下旬から5月上旬にかけて定植し、主幹を地上から180センチメートル程度の高さに設置した棚や架線に到達するまで直立に伸長させ、その先は主枝として水平に誘引します。主枝から発生する側枝を結果枝として下に垂らし、そこに着果させます。しかし、この標準的な方法では収穫盛期は8月下旬~10月となり、目標とする11~12月に果実を収穫することができません。

一方、今回開発した「無加温施設11~12月収穫作型」(図1)では、定植から側枝の育成までは標準的な「吊り下げ型整枝」と同じですが、はじめに育成した側枝には着果させず、7月下旬に側枝を70センチメートル程度残して切除し、側枝上の主枝に近い部位から発生した新芽を結果枝として育成します。新しい結果枝が地表近くまで伸長し着果を確認したら、初めに育成した側枝は結果枝の発生位置の真下で切除します。

図1パッションフルーツの樹形

図1パッションフルーツの「無加温施設11~12月収穫作型」における樹形

注)葉の記載は省略した

図1の拡大画像はこちら(PNG:118KB)

3.苗の大きさの違いと収穫盛期と収量性

「無加温施設11~12月収穫作型」の11~12月の収量性について平成28年度に、定植時の苗の大きさにより大苗区(平均草丈129センチメートル)、中苗区(同82センチメートル)及び小苗区(同50センチメートル)の3区を設定し、品種「サマークイーン」で調査しました。

(1)耕種概要

前年の9~10月に挿し木した苗を5月に定植しました。

栽植密度は列間1.5メートル×株間2メートル(10アール当たり333樹)としました。

施肥は窒素、リン酸、加里の含有量が同程度の化成肥料を用いて、定植時に基肥として窒素成分量で1樹当たり50グラム、追肥として6月下旬、8月上旬、9月中旬に各1樹当たり50グラム、合計窒素成分量で1樹当たり200グラム施用しました。

かん水は年間を通じて不足しないよう、かん水チューブで概ね1週間に1回、半日程度行いました。

(2)収穫時期及び収量

収穫盛期は大苗区が11月、中苗区及び小苗区が1月となりました(表1)。

11~12月の可販収量は3区のうち大苗区が最も多く1樹当たり2.4キログラム、中苗区0.2キログラム、小苗区については収穫できませんでした。また、可販収量の合計も、大苗区が1樹当たり3.8キログラムで最も多くなりました。

表1パッションフルーツ収量

表1「サマークイーン」の無加温施設11~12月収穫作型における収量

表1の拡大画像はこちら(PNG:22KB)

(3)開花日

収穫時期別の平均開花日を調査したところ、11~12月に収穫される果実は8月下旬に開花したものが多く、遅くとも9月上旬には開花・受粉することが必要でした(データ省略)。

(4)果実品質

大苗区における11~12月の果実品質は、平均果重が119グラム、平均糖度が18.3、平均酸度が2.5パーセントと良好でした(データ省略)。

4.おわりに

以上のように、5月上旬に草丈130センチメートル程度の苗を用いて「無加温施設11~12月収穫作型」を行うことにより、11~12月に1樹当たり2.4キログラム(10アール当たり800キログラム)の収量が得られることが分かりました。

本作型では開花日を8月下旬の極めて短い期間に揃える必要があるので、

  • 草丈130センチメートル程度の充実した大苗を定植すること。
  • 施肥やかん水を励行して樹体の生育を良好に保ち、7月下旬から育成する結果枝に確実に着果させること。

の2点が重要です。

初掲載:令和元年8月

農林総合研究センター

暖地園芸研究所特産果樹研究室

研究員小野瀬優哉

TEL:0470-22-2961

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