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更新日:令和3(2021)年5月13日
ページ番号:7445
中干しは、無効分げつを抑制して肥料効率を高め、イネを倒伏しにくくするために重要な作業です。千葉県の水田は、地下水位の高い半湿田~湿田が多いため、中干しの適期実施が重要です。
ここでは、中干しの効果と実施時期について紹介します。
水稲は移植後約1か月で分げつが盛んになるため、茎数が多くなると、1本1本が細く弱々しい分げつが増加します。無駄な分げつの発生は、葉の受光態勢を悪化させ、下葉枯れの原因となります。また、下葉枯れが進むと根の活力も低下し、株の耐倒伏性を弱めてしまいます。
この対策として、「中干し」の実施が重要になります。中干しすることにより、無駄な分げつを抑制することで、根腐れを抑え、根の伸長を促進させることができます。
水田土壌は、湛水により空気が遮断され、還元状態(酸素不足の状態)になっています。落水させることで土壌に酸素が供給され、硫化水素等の有害物質の発生を抑え、根の生育を健全に保つことができます。また、根の伸長が盛んになることで倒伏しにくくなります。
中干しは田面に亀裂が入り、田面を歩いても沈まない程度になるまで干します。そうすることで、梅雨期の長雨時も水はけが保たれ、収穫期に田面が固まり、コンバイン収穫が楽になります。このとき、幅が1センチメートル以上の亀裂が入るほど長期間の実施は避けてください。大きな亀裂は、根が切断され、生育が停滞する原因となります。
中干しの適期は茎数で判断します(表)。茎数が目標とする穂数の80パーセント(「ふさおとめ」の場合は目標茎数の80パーセント)に達したら中干し開始の目安です。千葉県に多い半湿田~湿田では、乾きにくく中干しの効果が現れにくい場合がありますが、梅雨前の晴天を有効に活用し、概ね移植後1か月を目安に開始します。
品種 | 中干し開始目標茎数(砂質) | 中干し開始目標茎数(壌質) | 中干し開始目標茎数(粘質) |
---|---|---|---|
ふさおとめ | 平方メートル当たり480本 (1株当たり27本) |
平方メートル当たり480本 (1株当たり27本) |
平方メートル当たり440本 (1株当たり24本) |
ふさこがね | 平方メートル当たり360本 (1株当たり20本) |
平方メートル当たり360本 (1株当たり20本) |
平方メートル当たり360本 (1株当たり20本) |
コシヒカリ | 平方メートル当たり320本 (1株当たり18本) |
平方メートル当たり310本 (1株当たり17本) |
平方メートル当たり300本 (1株当たり16本) |
品種・移植時期にもよりますが、千葉県の場合は4月20日移植の「ふさおとめ」では概ね5月下~6月上旬、5月1日移植の「コシヒカリ」では概ね6月上旬~中旬が開始適期です。
初掲載:平成30年5月
印旛農業事務所
改良普及課中部グループ
普及指導員
飯生智久
電話:043-483-1124
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