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更新日:平成29(2017)年9月22日

年内出荷を達成するアイアン系ストックのLED電照栽培

1.はじめに

ストックは本県を代表する切り花品目の1つで、平成27年度産出額は10億円で全国1位を誇ります。ストックは主に一本立ちの品種とスプレータイプの品種があります。アイアン系は一本立ちの主力品種で、花茎が堅くしっかりしており、花穂の詰まりが良く草姿に優れていることから市場では高く評価されています。ストックの需要は年末や春先の3月ですが、アイアン系は開花期にばらつきがあることから、需要期に合わせた出荷が難しいことが問題となっています。

そこで、遠赤色LED電球による電照栽培が開花促進効果に優れ、安定した年末出荷に有効であることを明らかにしましたので紹介します。

2.電照栽培による開花促進効果.

近年、新たな光源として白熱電球よりも電力消費量の少ないLED電球が開発されています。アイアン系品種における遠赤色LED電球による電照栽培では、無照射での慣行栽培に比べ開花期が大幅に前進して開花の揃いも良く、収穫期間も短縮されることが明らかになりました。なお、白熱電球でも開花促進効果は期待できますが、遠赤色LED電球よりも効果はやや劣ります(図1、写真1)。

電照栽培の栽培暦

図1.遠赤色LED電球と白色電球による電照栽培の栽培暦

 

開花状況

写真1.遠赤色LED電球(左)と白熱電球(右)による電照栽培の開花状況(平成23年11月21日、品種「アイアンホワイト」、○は光源を示す)

3.切り花品質

電照による花芽分化を早める技術ですので、節数や花蕾数の減少が認められます。しかし、切り花長は70~80cm程度が得られるので、出荷に際しては実用上の問題はほとんどないと考えられます。なお、栽植密度(株間)を拡げることで、茎径や切り花重は改善することができます。

4.電照方法

アイアン系では9月上旬播種、9月下旬定植の作型で遠赤色LED電球による電照栽培を行います。電照期間は定植直後から発蕾期を目安とします。照射時間帯は日没後に、1日の日長が16時間となるように電照を行います。電照開始時期が遅れると十分な開花促進効果を得られませんので、十分注意してください。

5.光源(遠赤色LED電球)

開花促進に効果があるのは光の波長が720~730nmの遠赤色光ですので、LED光源の購入の際には十分注意します。なお、開花促進に有効な放射照度は0.04~0.23W/平方メートルです。遠赤色LED電球はメーカーにより様々な製品が市販されておりますので、電球の配置は電球の照射範囲と栽植様式に合わせて検討が必要です。

6.品種の適応性

アイアン系では「アイアンホワイト」、「アイアンローズ」、「アイアンピンク」、「アイアンチェリー」、「アイアンアプリコット」、「アイアンイエロー」、「アイアンパープル」、「アイアンマリン」の8品種で遠赤色LED電球による電照栽培の開花促進効果が期待できます。

7.おわりに

ストックの開花促進にはプロヘキサジオンカルシウム塩水和剤(商品名:ビビフルフロアブル)を用いる方法が実用化されていますが、散布のタイミングによって開花促進効果が現れにくい恐れがあることや、品種によって奇形花が生じる場合があります。遠赤色LED電球による電照栽培では安定した開花促進効果が得られるとともに、電照を行わない慣行栽培と同様に奇形花はほとんど発生しませんので、使いやすい技術と言えるでしょう。

無電照の慣行栽培では、年末から2月ないしは3月まで収穫期が及ぶ場合がありますが、電照栽培により年内に収穫を終えることができれば、後作のヒマワリを1作から2作にすることが可能です(図2)。

作付体系

図2.遠赤色LED電球による電照栽培と電照しない慣行栽培におけるアイアン系ストックとヒマワリの作付体系

 

所内で行った電照試験の条件と平成26~28年度12月、1月の本県のストックの単価をもとに試算すると、粗収益、経費、粗収益-経費は表1のとおりとなります。ただし、遠赤色LED電球の仕様や価格は変動することに留意して参考にしてください。

表1.10a当たりの遠赤色LED電球による電照栽培の導入経費

電照栽培の導入経費

初掲載:平成29年9月

暖地園芸研究所野菜・花き研究室

研究員

古積知之

電話:0470-22-2962

 

よくある質問

お問い合わせ

所属課室:農林水産部担い手支援課専門普及指導室

電話番号:043-223-2911

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