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更新日:令和5(2023)年3月17日

ページ番号:7391

小麦の雑草防除について

小麦栽培の高品質・安定収量を確保するためには雑草対策が欠かせません。雑草が繁茂すると麦の生育が抑制され収量に影響し、雑草種子の混入による品質低下や、収穫作業効率の低下を招きます。雑草対策の基本は、雑草の種類に合った除草剤を選択し適期に使用することです。

1.県内で問題となっている主な雑草

(1)カラスムギ

イネ科の一年生雑草。種子は湛水状態で死滅するため、畑作で発生が多い。土壌処理剤ではトリフルラリンを含む剤が不十分ながら効果がある。多発圃場では、種子を落とす前に抜き取る。

(2)ネズミムギ

イネ科の一年草雑草。別名イタリアンライグラス。カラスムギと同様に湛水状態では種子が死滅するため、畑作で発生が多い。播種後の土壌処理剤としては、トリフルラリン、プロスルホカルブを含む剤の効果が高い。

ネズミムギ

(写真提供:千葉県立中央博物館)

(3)カラスノエンドウ

マメ科の一年生雑草。土壌の深い位置からも出芽するため土壌処理剤の効果が低く、播種後に土壌処理剤と生育期に茎葉処理剤の体系処理をする。土壌処理剤はペンディメタリンやジフルフェニカンを含む除草剤、茎葉処理剤はアイオキシニルを含む除草剤で効果が高い。収穫物に混入すると選別が困難で問題となるため、収穫時期に残った場合は手取り除草を行う。

カラスノエンドウ

(写真提供:千葉県立中央博物館)

(4)スズメノテッポウ

イネ科の一年生雑草。水田裏作で発生が多い。水田では落水後から出芽が始まるため、初期防除に努める。播種前の出芽が多い場合には、非選択性除草剤を散布し、播種後に土壌処理剤を散布する。

スズメノテッポウ

(写真提供:千葉県立中央博物館)

2.除草剤の種類とポイント

除草剤は、効果を高めて薬害を避けるため、砕土、整地はていねいに行い、土壌表面をなるべく均平にします。砂質土は薬害を起こしやすいので、粒剤は避けます。また、土壌が乾燥していると効果が劣る場合があります。下表の小麦に適用のある除草剤を参考にしてください。

表1.小麦の主な除草剤
除草剤名 成分 使用時期 対象雑草 10アールあたり使用量(散布液量)
ラウンドアップマックスロード グリホサートカリウム塩 耕起前又はは種前まで(雑草生育期)は種後出芽前(雑草生育期) 一年生雑草及び多年生イネ科雑草 200から500ミリリットル
(50から100リットル)
クリアターン細粒剤F ベンチオカーブ、ペンディメタリン、リニュロン は種直後(雑草発生前) 一年生雑草 4から5キログラム
トレファノサイド乳剤 トリフルラリン は種後出芽前(雑草発生前)、生育期(雑草発生前(但し収穫45日前まで) 一年生雑草(ツユクサ科、カヤツリグサ科、キク科、アブラナ科を除く) 200から300ミリリットル
(100リットル)
ゴーゴーサン細粒剤F ペンディメタリン は種後出芽前(雑草発生前) 一年生雑草 5から6キログラム
ボクサー プロスルホカルブ 秋播栽培のは種後~麦2葉期(雑草発生前~雑草発生始期) 一年生雑草 400から500ミリリットル
(50から100リットル)
リベレーターフロアブル ジフルフェニカン、フルフェナセット は種後~麦3葉期(雑草発生前~イネ科雑草1葉期まで) 一年生雑草 60から80ミリリットル(100リットル)
アクチノール乳剤 アイオキシニル 穂ばらみ期まで(雑草生育初期) 一年生広葉雑草 100から200ミリリットル
(70から100リットル)
ハーモニー75DF水和剤 チフェンスルフロンメチル は種後~節間伸長前 スズメノテッポウ、一年生広葉雑草 5から10グラム
(100リットル)

※農薬の使用にあたっては、ラベルおよび最新の登録内容を確認し、遵守して使用してください。

(農薬登録情報令和2年2月12日現在)

(初掲載平成29年1月)

長生農業事務所
改良普及課西部グループ
普及指導員
太田淳一
(電話:0475-22-1771)

お問い合わせ

所属課室:農林水産部担い手支援課専門普及指導室

電話番号:043-223-2911

ファックス番号:043-201-2615

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