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更新日:平成31(2019)年1月21日

ホワイトレースフラワー黄斑症の原因と防除対策

1.ホワイトレースフラワー黄斑症

ホワイトレースフラワーは、セリ科の一年草を用いた切り花で(写真1)、南房総市丸山地区を中心に20戸程度で約4.5ヘクタール栽培されている地域の重要な特産物です。ところが、平成18年に、葉に黄色小斑点を生ずる黄斑症が初めて確認されて以来、平成21年には発生が13戸へと拡大しました。発生が激しい農家では著しい生育不良によって品質が低下し、採花本数が5割以上減少するなど、産地の大きな問題となっていました。そこで、発生原因について調査を行ったところ、黄斑症は糸状菌の一種であるStemphylium herbarum によって引き起こされる新病害「ホワイトレースフラワー黄斑病」であることが分かりました。ここでは、黄斑病の特徴と、その防除対策を紹介します。

2.黄斑病の特徴と防除対策

(1)発病初期は、下位葉に直径2ミリメートル程度の黄色小斑点(写真2A)が形成され、次第に、黄色小斑点は葉柄を含む植物体全体に拡大します。黄色小斑点は後に癒合・拡大し、直径1センチメートル以上の不整形の褐色斑点(写真2B)となります。茎に形成された病斑が進展すると黒変し(写真2C)、地際部では腐敗が認められるようになります(写真2D)。褐色斑点や地際部の腐敗を顕微鏡で観察すると病原菌の分生子が確認できます(写真2E)。

写真1ホワイトレースフラワー
写真1ホワイトレースフラワー

写真2A葉の黄色小斑点
写真2A葉の黄色小斑点

写真2B葉の褐色斑点
写真2B葉の褐色斑点

写真2C茎の病斑
写真2C茎の病斑

写真2D地際の腐敗
写真2D地際の腐敗

写真2E病原菌の分生子
写真2E病原菌の分生子

(2)黄斑病が発生した圃場の株から採取した種子からも黄斑病菌が検出されたことから、黄斑病は種子伝染することが分かりました。種子を70℃で7日間乾熱処理することにより、汚染種子率を低減させ、健全苗を確保できます(表1,2)。

表1ホワイトレースフラワー黄斑病罹病株から採取した種子の乾熱処理が種子汚染率および発芽率に及ぼす影響

処理区

供試
種子数
(粒)

汚染

種子率
(%)

低減率
(%)

発芽率

(%)

乾熱処理

200

1.5

97.2

86.7

無処理

200

54.5

-

81.6

注)乾熱処理は、EKDS製熱風循環式定温乾燥機KEF-60P8を用い、40℃で24時間予備乾熱処理を行ったのち、70℃で7日間行った

表2ホワイトレースフラワー黄斑病罹病株から採取した種子の乾熱処理が苗の発病に及ぼす影響

処理区

供試

株数

(株)

発病株率(%)

左のうち

枯死株率
(%)

健全

株率

(%)

乾熱処理

187

20.9

0.5

79.1

無処理

52

100

9.6

0

注1)乾熱処理は表1と同様に実施した
注2)各処理区の種子を市販培養土(げんきくん果菜200)に7月25日に播種し、9月24日に発病調査を行った

(3)ホワイトレースフラワーの本病に対する感受性は品種によって異なるので(表3)、激発圃場では発病しにくい品種の栽培が望まれます。ホワイトレースフラワーと同じセリ科に属するセルリー、パセリ、ニンジン及びミツバに本病菌を人工接種しても発病しないことから(表3)、これらの作物は本病の宿主にならないと考えられます。

表3ホワイトレースフラワー黄斑病菌を接種したセリ科作物の発病状況

表3ホワイトレースフラワー黄斑病菌を接種したセリ科作物の発病状況
注1)種苗カタログ又は種袋に記載されている名称を記し、同一名称のものが複数の会社から販売されているものは販売会社を併記した
注2)発病程度0:黄斑は認められない、1:葉の一部に黄斑が認められる、2:葉の大部分に黄斑が認められる
注3)発病度=Σ(発病程度別株数×発病程度)/(供試株数×2)×100

初掲載:平成28年1月

農林総合研究センター暖地園芸研究所
生産環境研究室
研究員
鐘ヶ江良彦
(電話:0470-22-2963)

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電話番号:043-223-2913

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