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更新日:令和5(2023)年4月6日
ページ番号:315472
(あわじんじゃどうくついせき)
県指定史跡
昭和42年3月7日
館山市大神宮589(安房神社)
房総半島の南端、安房神社の境内に所在するこの洞窟は、昭和7年(1932)、関東大震災の復旧工事で神社の参籠所裏に井戸を掘っている時、地表下1mほどのところで偶然発見された、全長約11m、高さ約2m、幅約1.5mで、東北部に開口する海食洞窟である。
その後、ただちに緊急学術調査が行われ、洞窟の中から人骨22体、貝輪(貝製の腕輪)193個、小玉(石製)3個と土器が出土した。土器は当時の報告では弥生土器とされていたが、現在、縄文時代晩期終末頃の東海系土器であるとの意見がある。いずれにしても、この洞窟が縄文~弥生時代の墓地であることが分かった。特に、出土した22体の人骨のうち、15体に抜歯の痕跡が認められたことは、当時の習俗を考える上で貴重な資料として注目されている。抜歯は、健康な歯を故意に抜く習慣で、日本では縄文時代後期から晩期に盛んに行われていた。
発見された人骨の一部は、神社近くの宮ノ谷に再び埋葬され「忌部塚(いんべづか)」と呼ばれているが、この名が付けられた由来は、安房神社の縁起と深い関係がある。安房神社は、安房国一の宮で、天太玉命(あめのふとだまのみこと)を祭神としている。忌部一族による安房開拓神話に登場する安房忌部氏の祖天富命(あめのとみのみこと)が、その祖神を祀ったものとされていることから、洞窟から出土した人骨は先祖である忌部氏と考え、再埋葬した時に忌部塚と名付けた。毎年7月10日には、先祖忌部氏を祭る「忌部塚祭」が開かれている。
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