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更新日:令和5(2023)年8月8日

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椎津のカラダミ

(しいづのからだみ)

椎津のカラダミ

種別

県指定無形民俗文化財

指定日

平成13年3月30日

伝承地

市原市椎津

概要

 市原市椎津に伝承される盆行事である。8月15日の夕方、新盆の家々から集めた造花、提灯などで飾り立て、戦国期の椎津城主、椎津小太郎の像や位牌(いはい)をのせた万灯(まんどう)を曳き、一斗缶や笛の音で賑やかに囃(はや)しながら練(ね)り歩く。行列は姉崎小学校脇でとまると、椎津小太郎の位牌などをおろし、すべての明かりを消す。見物の人々は造花などの飾りをもらい、家に持ち帰る。門口にさしておくと魔除けになると伝えられている。

 次いでカラダミといわれる葬列が出発する。実際の葬式の行列の順序に従い、幡(はた)、施主花、位牌、紙の位牌、杖と続き、青年の1人が入った棺を6人で担ぐ。棺には天蓋(てんがい)をさしかける。一行は、大声で「チャンが死んじゃった、オッカチャンが死んじゃったよう、わあわあ」と叫びながら進み、瑞安寺(ずいあんじ)の境内にかけ入ると、左回りに三度前庭をかけ回ってから裏手まで走りこみ、棺を置いてたち去る。

 椎津城が里見氏に攻められて落城した際、元城主を偲んで仮の葬式を営んだのが始まりとも、城主を逃がすため、にせの葬式で敵を欺いたとのだとも伝えられている。またかつては8月15日の夕方、水難者などの施餓鬼(せがき)供養(くよう)を営む風習があり、これも現在の行事に組み込まれている。さらに万灯は、出羽三山信仰の梵天(ぼんてん)供養(くよう)に出た山車(だし)にも通じる。

 一連の行事には、新盆の供養、悲運の城主の鎮魂(ちんこん)、水難の死者の慰霊(いれい)、疫病(えきびょう)の流行の防除など、さまざまな意味が込められており、県内では類例のない貴重な民俗文化財である。

お問い合わせ

所属課室:教育振興部文化財課指定文化財班

電話番号:043-223-4082

ファックス番号:043-221-8126

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