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更新日:令和5(2023)年7月7日
ページ番号:314699
(ありよしみなみかいづか354ごうあとしゅつどまいそうかんれんいぶつ)
埋葬人骨と遺物出土状況
県指定有形文化財(考古資料)
平成26年3月4日
夷隅郡大多喜町森宮8-3(千葉県)
千葉市緑区に所在する有吉南貝塚は、村田川下流右岸の台地上に位置し、貝塚をともなう縄文時代中期の環状集落跡で、中央に広場を有し、その周囲に住居跡と貯蔵穴群を巡らせ、さらにその周縁に貝塚を形成している。東京湾沿岸に集中する大型貝塚をもつ集落跡のひとつである。
このうち、元は竪穴住居跡であった354号跡から、頭に深鉢を被り、腰に飾り物を施した埋葬人骨が出土した。これは甕被り葬(かめかぶりそう)などと称する葬法である。埋葬にともなう遺物としては、被葬者が被っていた縄文土器1点(キャリパー形深鉢:遺存高39.5cm)のほか、鯨骨製の箆状腰飾1点(長さ22.4cm)、イモガイ製の環状垂飾1点(長径2.5cm)が確認されたが、これによって、これまで使途不詳であった装飾品が腰部に着装されていたことから、腰飾りであることがわかった。おそらく、大規模集落の男性リーダーを象徴する装身具であったと考えられる。
本資料は、縄文時代における甕被り葬のあり方を典型的に示しており、なおかつ、従前不詳であった装飾品の使途が判明したことなど、学術的、学史的にも高く評価でき、それらを証左する物的資料として、非常に貴重である。
鯨骨製箆状腰飾
イモガイ製垂飾
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