ここから本文です。
ホーム > 教育・文化・スポーツ > 歴史・文化 > 文化・文化財 > 文化財 > 市町村別の国・県指定および国登録文化財 > 君津エリアの市 > 木更津市の国・県指定および国登録文化財 > 上総大寺廃寺露盤
更新日:令和5(2023)年5月11日
ページ番号:315324
(かずさおおでらはいじろばん)
県指定有形文化財(考古資料)
平成13年3月30日
木更津市大寺(熊野神社)
現在、熊野神社境内の社殿東側の一隅に、下部が半ば土中に埋もれた方形の石造物がある。
1辺約135cmの正方形で、中央に径約45cmの貫通孔があけられており、中央付近で35cm、縁辺部で30cmの厚みがある。石材は凝灰質砂岩で、発見当時は塔の心礎と思われていたが、その形状から、石造露盤であることが判明した。露盤とは、塔の最上層の、相輪の基礎となる部分に置かれる、いわゆる「雨じまい」と呼ばれる防水施設で、上面には伏鉢を受ける突起状の高まりが見られるのが特徴である。石造製のものは全国的に見ても、きわめてめずらしく、県内では唯一の例となる。
この露盤には、元禄年間に「塔の越」と呼ばれる場所から掘り出されたという伝承がある。現在は墓地となっている「塔の越」からは軒丸瓦が集中して出土しており、同地に大寺廃寺の堂塔が存在したと推定される。
上総大寺廃寺は、小櫃川下流北岸の微高地上に位置する熊野神社境内から、隣接する墓地部分にかけてその中心があったと推定されており、採集された瓦の製作年代から西暦670年頃までにその一部が完成していたと考えられている。軒丸瓦の文様は奈良県の「川原寺」と同形であることから、上総大寺廃寺は県内でも最古の寺院の可能性がある。
関連リンク
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください