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更新日:令和5(2023)年6月30日
ページ番号:315049
(さんりづかなんばーごじゅうごいせきしゅつどきゅうせっきじだいせっき)
県指定有形文化財(考古資料)
平成8年3月22日
印旛郡栄町竜角寺978(千葉県)
成田空港建設に先立ち「三里塚」地区では、遺跡の発掘調査が昭和45年(1970)から行われた。現在、空港第2ターミナルが建つ、成田市古込周辺は調査当時「No.14・54・55遺跡」とよばれ、このうちの「No.55遺跡」では、予想外の深さから石器がまとまって出土した。石器は、現地表面から約1.5m近く掘り下げた立川ローム層最下部で発見された。これらは約3万年前に道具として使われていたものが、この地に遺されて、遠く富士山などから噴出した火山灰などによって埋まったものである。
出土石器は概ね2つの時期に分かれ、上層からはメノウ製の尖頭器が出土した。下層からは、扁円礫の周辺を粗割りした後に、砥石を使って研磨することによって強く鋭い刃をもつホルンフェルス製の局部磨製石斧が出土した。そのほか、縦長の石片を用いて細かく加工が施された安山岩製のナイフ形石器や、上下両端から力を加えることによって得られた石片や、メノウ製の楔形石器と呼ばれている核の部分、突出部を持つ錐状の石器などが一緒に出土した。
また、これら石器群に隣接して、多量の炭化材が検出され、放射性炭素年代測定という方法によってこの炭化材が約3万年前のものという分析結果も得られている。
その当時、群馬県岩宿遺跡や栃木県磯山遺跡といった北関東地方の上部ローム層黒色帯から出土していた石斧類に対比しうる資料を、南関東地方で初めて出土したという点で、下総台地の旧石器時代研究を語る上でも大変重要な石器群である。
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