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更新日:令和5(2023)年8月8日

ページ番号:315032

梵鐘(延慶三年在銘)

(ぼんしょう)

梵鐘(延慶三年在銘)

種別

県指定有形文化財(工芸品)

指定日

昭和49年3月19日

所在地(所有者)

成田市吉岡183-1(大慈恩寺)

概要

 敵味方なく戦没者の霊をとむらうため、南北朝時代に足利尊氏は全国66か国に利生塔を建てるが、大慈恩寺は下総国の利生塔が設置された寺であり、また、鎌倉幕府の実力者である金沢氏との結びつきの強い寺として知られている。絵画・工芸品はじめ多くの中世文書も伝える古刹である。

 この梵鐘は高さ120.9cm、竜頭の高さ27cm、口径64.8cmで、3段組で鋳上げられており、乳は5段4列、上帯、下帯とも素文とし、池の間3区にわたって銘文が刻まれている。2個の撞座は竜頭の方向と平行に位置し、8枚の花びらの蓮の花がデザインされている。

 池の間第1区に雲富山慈恩寺鐘名、開山住持比丘真源書と寺名と筆者名を刻んでおり、寺名が慈恩寺とあるのは後に大の一字を賜ったという寺伝を裏付けるものである。また、真源は、神奈川県にある金沢称名寺の長老となった審海の弟子である。第3区には延慶3年(1310)の紀年銘と共に作者の大工紀家の名があり、また、この鐘を打ち鳴らせば、諸諸の苦悩を祓い、あまねく仏法の利益に与かるという意味の銘文が刻まれている。

寺の歴史とともに往時の房総と鎌倉のつながりを伝える貴重な梵鐘である。

お問い合わせ

所属課室:教育振興部文化財課指定文化財班

電話番号:043-223-4082

ファックス番号:043-221-8126

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