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更新日:令和6(2024)年2月8日
ページ番号:314778
(ちゅうどうわにぐち)
県指定有形文化財(工芸品)
昭和36年6月9日
長生郡長南町笠森(笠森寺)・千葉県立中央博物館保管
鰐口は、社寺の入口、拝殿の前面軒下に吊るし、参詣者がこの前に下げられた綱で打ち鳴らして、神仏に来意を告げるための大きな金属製の鈴である。
この鰐口は、直径46.9cm、厚さ10.1cm、両方の釣環は約5.2cm、撞座の直径9.8cmの鋳銅の製品で、表面には簡素化された蓮華文の撞座を中心に、3条の帯線を等間隔で三重に巡らせている。一番外側は銘帯となり、十一面観音の種子を中心として、左右に「上総國刑部郡大悲山笠森寺鰐口也」という銘文と、応永34年(1427)の記年銘、谷田大工国安の作者銘が刻まれている。
笠森寺付近を刑部郡といった時期があり、現在も長柄町に「刑部」という地名が残っているが、この鰐口が、笠森寺の鰐口として製作されたことは明らかである。また、大工国安は谷田に住んでいた人であることもわかるが、「谷田」は現在の市原市矢田であると考えられ、当時の上総国内に住んでいた鋳物師の作品として意義がある。
笠森寺の孔雀文磬も、応永33年(1426)の記年銘があり、作者も大工国安であり、併せて貴重な例といえるであろう。
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