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更新日:令和5(2023)年10月5日
ページ番号:315391
(みょうほんじせいきょうるい および かんけいしりょう)
県指定有形文化財(歴史資料)
平成20年3月18日
安房郡鋸南町吉浜453-1(妙本寺)
妙本寺に伝わる、鎌倉時代から江戸時代までの歴代の住職と檀家が厳格に受け継いできた資料群である。寺領を保証した大名の権利書や土地証文である売券などの古文書が聖教類と一体となって保存・伝来してきた。聖教類(しょうぎょうるい)とは、仏教の教義・儀礼について解説したもので、修学や法流の伝授に際して作成された。口伝(くでん)として伝えるべき奥義を記した切紙や血脈(けちみゃく)・置文(おきぶみ)・遺品、師匠が解説した教義を正確に写した写本など極めて多岐にわたる。
妙本寺聖教類は、日蓮の孫弟子にあたる日郷(にちごう)(1293~1353)が妙本寺を創建して以来、戦国時代の日我(にちが)(1508~1586)まで、歴代の住職が厳格に相承してきたもののほか、原本が焼失したため同じ宗派の寺院の聖教類を書写して補ったものも含ふくまれる。妙本寺の法流は、安房地方だけでなく、東海・関西・九州地方に及んでいて、これらの聖教類は、法流だけでなくその地方の中世史研究にとっても重要な資料として知られている。内訳は、31巻の巻物になっている古文書481点、124冊の典籍、掛け軸の絵画1点、染織品の6点。このうち古文書については、『千葉県の歴史資料編中世3(県内文書2)』(平成13年)に全て翻刻されている。
絵画は、宗祖である日蓮(1222~1282)聖人の姿を描いたものである。縦78.7cm、横37.9cmの絹に経机を前に畳座に座り経巻を両手でとっている姿で描かれている。南北朝時代、14世紀の作品であると考えられる。
染織品は、一部中国の明から伝えられた生地を含む室町時代から江戸時代にかけてのものである。打敷(うちしき)という敷物、指貫(さしぬき)という僧侶の衣類が含まれている。全体に傷みはありますが、由緒を示す墨書があるなど、大切に守られてきた歴史を物語っている。
以上のように妙本寺聖教類は、宗教上の教義や法流の相承、寺院経営等に係る多彩な内容をもつ貴重な歴史資料である。
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