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更新日:令和5(2023)年12月19日
ページ番号:315433
(もくぞうやくしにょらいりゅうぞう)
県指定有形文化財(彫刻)
平成8年3月22日
南房総市千倉町大貫1057(小松寺)
像高約146.2cm。1本のカヤ材から造った一木造。表面は漆箔で仕上げられ、衣部を彩色している。内刳りは施されていない。螺髪は旋毛状に別に造り、漆で植え付けている。左肩を被い右肩に少しかかる衲衣と偏衫を着け、裙をはく。左腕は肘をやや曲げて下げ、掌に薬壺を捧げ持つ。右腕は曲げて、掌を前に向けて立て、指を伸ばす。両足をそろえて直立する。台座は蓮華座で、蓮肉の部分のみが当初からのもの。衣部の彩色は、衲衣は表が朱で裏が緑青、偏衫はその逆の彩色を施し、裙は表を緑青彩色としている。カヤ材を用いた一木造であることや、衣文の表現や刀を利かせた彫法、杏仁形の眼を持つ怪異な顔、やや猫背気味にして首を前に突き出す姿勢などに見られる作風から、平安時代前期の9世紀に遡る作品であることが考えられる。ただ、体奥が極端に薄く抑揚に乏しい側面観や、線状的に整理された衣文表現は、平安時代前期の一般的傾向とはかなり異なる。この小松寺の本尊で、本堂須弥壇上に、木造不動明王立像、木造毘沙門天立像、木像薬師如来立像とともに並ぶ。
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