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更新日:令和3(2021)年4月8日
ページ番号:315423
(もくぞうせんじゅかんのんりゅうぞう)
県指定有形文化財(彫刻)
平成4年2月28日
南房総市久保587(真野寺)
像高約172.5cm。1本のクス材から造った一木造。頭体幹部は天衣遊離部・両足まで1材から彫り出し、内刳りは施していない。像容は髻の頂に仏面をあらわすが、他の化仏の痕跡は確認できない。垂髻、髪はすべて平彫で、二条紐列弁文様の天冠台をかぶる。鬢髪一条が耳をわたり、耳朶には穴はない。合掌手・宝鉢手・脇手など現在三十二臂が付いているが、当初は四十二臂であったと考えられる。条帛・天衣を懸け、裳と腰布を着けている。円形台座に立つ。頭体幹部を竪1材で彫出し、内刳りを施さないなど古風な構造を持つ。その作風は伏し目で静隠な相貌、浅い衣文の線、腰高で軽快な体躯の均整など、定朝様式の影響をみせ、この地域に多いクス材を使用していることから、平安時代後期に当地方で造像されたものと考えられる。行道面(菩薩面)は、南北朝時代の院派仏師による優れた作品。普段は千手観音像の面部に懸けられ、「覆面千手観音」と称されている。
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