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更新日:令和5(2023)年10月6日

ページ番号:314850

木造薬師如来坐像及び両脇侍立像

(もくぞうやくしにょらいざぞう りょうわきじりゅうぞう)

木造薬師如来坐像及び両脇侍立像

種別

県指定有形文化財(彫刻)

指定日

昭和62年2月27日

所在地(所有者)

市原市上高根1095(称礼寺)

概要

 日光菩薩、月光菩薩を両脇に従えた三尊形式の薬師如来坐像。中尊はカヤ材の一木割矧造で、高さは54.7cmの小柄な像である。頭体幹部・左体側部・右肩以下臂までが一木で造られ、頭幹部は耳の後で前後に割られ、さらに首下で離され、内刳が施されつなぎ合わされている。両脇侍像は、カヤ材の一木から彫られ、左脇侍の日光菩薩像は高さ69.1cm、右脇侍の月光菩薩像は高さ70.6cmである。左脇侍は背部の襟後で前後に割られ、首下で離され、内刳が施されつなぎ合わされている。右脇侍は、耳の後で前後に割られ、首下で離され、内刳が施されつなぎ合わされている。台座・光背・冠などは後に補われたものである。

 中尊の螺髪は切子型に彫り出されている。彫眼で、眉・瞳・髭を墨書し、唇を朱、眼球を白彩とする他は素地だが、本来は彩色仕上げであったものと考えられる。左肩をおおい、右肩に少しかかる衣を着け、膝の上に置く左手は五指を伸ばし掌の上に薬壺を置く。右手は肘を曲げ掌を前に向けたてる。脇侍は、髻を結い、列弁文と二条の紐であらわされた天冠台をかぶる。条帛をかけ、裳は2段返しとしている。

 用材や、量感と穏和な容貎を備え、衣文を浅く彫り出す技法から、平安時代の後期の定朝様式を基本としながら地方色もみせはじめた12世紀後半の作と考えられる。県内で造像以来の三尊が揃っている古い例である。

お問い合わせ

所属課室:教育振興部文化財課指定文化財班

電話番号:043-223-4082

ファックス番号:043-221-8126

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