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更新日:令和2(2020)年7月1日
ページ番号:315173
(もくぞうじゅういちめんかんぜおんぼさつりゅうぞう)
県指定有形文化財(彫刻)
昭和33年4月23日
香取市織幡612-2(織幡地区)
天竺山花見寺は、現在は廃寺となり、薬師堂が一部残っているだけであるが、元は真言宗の大きな寺院であった。この薬師堂には、銅造薬師如来立像をはじめ、5体の仏像が安置されている。
十一面観世音菩薩像は、頭上に11の仏面があるもので、四方だけでなく十方を見つめ、すべての人を救うという意味がある。この像は、高さ130cmで、頭から体までを1本のカヤ材で造った一木造で、仏面を髻の上につけ、化仏を地髪に巡らせている。正面の阿弥陀像は蓮華の台に載って立ち、化仏は山形の宝冠を付けている。衣のひだは厚く、折たたみの特異さが目を引く。直線に近い額の生えぎわの線、広くはった小鼻、腹部が丸く腰部をしめている肉取りなどは古風な趣を感じさせる。
現状は彩色を施さない素地で、素朴な容姿は、いかにも地方的な作風を示している。衣の着衣の造形が曖昧なところもあり、伝統的な技法を身につけた仏師が造像したとは考え難い部分がある。また、正確に表現している部分があり、見本とした仏像が存在した可能性が高い。懸命に見本をなぞり、完成させようという作者の意欲と創意が感じられる作品で、逆に専門仏師の作品に見ることのできない素朴な魅力をもつ。制作年代を明らかにする資料はなく、腰のくびれなど古い様相も残しているが、衣の線の表現が曖昧な部分もあり、鎌倉時代の作とするのが妥当と考えられる。
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