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更新日:令和5(2023)年10月2日
ページ番号:315240
(せいが)
県指定有形文化財(絵画)
平成24年3月16日
柏市手賀422(日本ハリストス正教会手賀正教会)
日本ハリストス正教会手賀正教会が所有する「機密の晩餐」「至聖生神女」「主全能者」の3面の聖画である。彫刻などの偶像表現を認めない正教会では、聖画こそ神の似姿、天上の国と地上の国の窓であり、最も崇敬すべきものとされている。聖画はイコンとも呼ばれている。
この聖画の制作者は山下りんである。山下りんは、現在の茨城県笠間市に生まれた。明治10年(1877)に日本最初の美術教育機関である工部美術学校に女子第一期生として入学を果たし、さらに明治13年から2年半にわたりロシアに留学している。明治時代における日本を代表する女性聖画制作者である。
これら聖画は、明治30年代に日本ハリストス正教会から下賜されたものである。油彩でキャンバスに描かれ、木製の額縁に入れられている。「機密の晩餐」は、弟子たちの真ん中で、右手を上げ、左手にパンを持ったハリストスとその正面に置かれた聖杯が描かれている。「至聖生神女」は、王冠を頂き幼いハリストスを抱いた聖母が、雲の中に浮く形で描かれている。「主全能者」は、大きな木製の玉座に座したハリストスを描いている。
いずれも傷みはほとんど見られず、保存状況も良好であり、額縁も当時のものである。聖画の基本は模写であるが、模写でありながらも細部にわたって自己表現を試みた画家・山下りんの、豊かな、そして生き生きとした個性をうかがうことができる作品であり、わが国の聖画史上、価値の高い絵画である。
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