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更新日:令和5(2023)年10月2日
ページ番号:315328
(かずさぼりのぎじゅつ)
重要無形民俗文化財
平成18年3月15日
袖ケ浦市ほか
上総掘りの技術は、千葉県の上総地方で考案された掘りぬき井戸の掘削技術である。ホリテッカンと呼ばれる細長い鉄管とそれを地中の孔に吊るす竹製のヒゴを基本的な用具とし、用具の自重を利用しながら専ら人力を頼りに地下を掘り進み、地下水を掘り当てる技術である。その技術は、江戸時代後期には原形ができあがり、明治時代中期に改良が加えられ完成した。
上総地方の職人によって日本の各地に広められたことから、一般に“上総掘り”と呼ばれている。道具立てと技術の習得の容易さから、従来の掘り抜き井戸の掘削法に代わって短期間のうちに各地に普及した。また、石油や鉱物資源などの掘削にも利用され、近代産業の中でも一定の役割を果たした。
今日でも、君津地方では農業用水や飲料水の井戸として使われているが、世界に目を向けると、更に改良された技術で、水不足地域でも井戸掘削事業に活躍している。
このように、上総掘りの技術は、日常生活を支えた伝統的な井戸の掘削技術として高く評価できるとともに、近代的な掘削に関わる機械技術導入の基盤形成に寄与して民俗技術としても貴重であり、我が国の掘削技術の変遷を考える上で重要である。
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