ここから本文です。

更新日:令和2(2020)年5月7日

ページ番号:315455

房総半島の漁撈用具

(ぼうそうはんとうのぎょろうようぐ)

房総半島の漁撈用具

種別

重要有形民俗文化財

指定日

昭和62年3月3日

所在地

館山市館山1564-1(館山市立博物館分館)

概要

房総半島沿岸は、太平洋沿岸と東京湾沿岸とに大別できるが、いずれもさまざまな海岸地形をもつことから、これまで多種多様な漁撈が営まれてきた。「房総半島の漁撈用具」は、これを体系的に収集・整理したもので、全部で2、144点が指定されている。

安房国のアワビは、奈良時代から「調」として都へ送られ、その時の荷札である木簡が、奈良の平城宮跡から発見されている。このように古い歴史をもつアワビ漁のほか、カジキを突き捕るための離頭銛、明治時代にツチクジラを捕った捕鯨用具、東京湾の貝採具、江戸時代後期以来、盛んとなった九十九里での地曳網など、各種漁撈用具が集められている。大型のものとしては、海士が使用したアマブネ、海苔採りのベカブネ、見突き漁のキシャギデンマ、九十九里の地曳船など、この地方の特色を示す漁船も集められた。その一方、信仰関係資料のなかには、万延2年(1861)在銘の大地曳網漁の絵馬や、大漁祝いの際の祝い着である房総特有の万祝などもみられる。その他、漁具製作・修理用具、海産加工用具等々も多数含んでいる。

千葉県では、明治23年(1890)の第3回勧業博覧会に際して『千葉県漁業図解』を編纂したことがある。これは、当時行われていた各種の漁撈技術を細密に図解し、記録したもので、今日では漁撈技術史の資料として重要視されている。今日、伝統的な漁撈が急速に姿を消してゆくなか、房総半島沿岸の漁撈用具を網羅的に収集した本資料群は、千葉県の漁撈技術の変遷を知るうえで、質量ともに優れて貴重な資料といえる。

お問い合わせ

所属課室:教育振興部文化財課指定文化財班

電話番号:043-223-4082

ファックス番号:043-221-8126

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?