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更新日:令和2(2020)年6月17日
ページ番号:315036
(ちばけんみなみはとりなかのごきいちいせきどこうしゅつどひん)
重要文化財(考古資料)
平成15年5月29日
成田市花崎町780(成田市)・県立房総のむら保管
南羽鳥中岫1遺跡は、成田市を南北に流れる根木名川(ねこながわ)西岸の標高約3kmの台地上に所在した。また、この遺跡の北方約3kmには茨城県との県境となる利根川が流れている。
平成6年(1994)に発掘調査が実施され、その結果、約6,000年前の縄文時代前期中葉から後半に営まれていたと思われる集落跡が発見された。集落跡は、住居と考えられる19棟の竪穴建物跡が環状に分布し、その内側には墓と考えられる約250基の土坑(どこう)が密集して発見された。このことは、集落内が居住区域と墓域に明確に区切られ、それぞれの区域内に住居や墓を長年にわたって営み続けたためと考えられる。土坑の形は円形と楕円形のものがあり、いずれも直径1m前後の大きさをもつ。
土坑から出土した遺物には、赤彩された浅鉢形土器、深鉢形土器、石製耳飾、土製耳飾、琥珀(こはく)製の玉類、蛇紋岩(じゃもんがん)製管玉、石匙(いしさじ)、石斧、そして他に類を見ない人頭形土製品である。これらの出土品は、埋葬時に副葬品として納められたものである。特に、一つの土坑から土製耳飾が対をなして出土している例がみられ、被葬者が身につけたまま埋葬されたと考えられている。人頭形土製品は、高さ15.1cm、最大幅13.5cm、頸部幅8.0cmの大きさで、製作技法は土器と同様に輪積み技法が用いられている。製作方法は、壺形の土器を逆さまにして、頭部を丸く削りだし、粘土ヒモを貼り付けて顔の表情を作り出す。その表情はデスマスクを想起させるものがある。この遺跡の調査は、縄文時代前期の人々の死の世界に対する考えを知る上で貴重な資料を提供したといえよう。
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