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更新日:令和2(2020)年8月2日
ページ番号:315464
(ぼんしょう)
有形文化財(工芸品)
昭和36年6月3日
館山市出野尾859(小網寺)
この梵鐘は総高107.5cm、口径62.1cmで、3段組で鋳造されている。乳は4段4列、上帯には優美な飛雲文と日月を、下帯には密教法具の三鈷杵の文様を高肉に鋳出している。2個の撞座は竜頭の方向と平行に位置し、撞座の蓮華文様は八葉複弁である。池の間には、梵字で大随求陀羅尼を2区にわたって鋳出するほか、小網寺の旧名とされる「金剛山大荘厳寺」の銘や弘安9年(1286)に「金剛佛隆尊」を大願主、「矢作助定」「大田末延」が大檀那となり「大工大和権守物部國光」によって鋳造されたことが刻まれている。大随求陀羅尼とは、菩薩の本誓(衆生救済の誓い)を説いたもので、これを誦読するだけで、金剛堅固の身となり、あらゆる厄からのがれ、また、他人の誦読を聞くだけで、所有の罪障は一切消滅するといわれている。古来からこの大随求陀羅尼を書写し、守札として身につけたりしている。鐘の音が衆生救済の響きをとなえるということなのであろう。物部國光の作の梵鐘は、ほかに鎌倉市の円覚寺、横浜市称名寺・東漸寺にもあり、当代一流の鋳物師であったことがわかる。この梵鐘は長柄町の眼蔵寺の梵鐘と共に本県における名鐘の一つとされている。
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