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更新日:令和6(2024)年3月25日

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給食室と子ども達との架け橋に~我孫子市立並木小学校の取組~

1 はじめに

 我孫子市は、千葉県北西部に位置し、北に利根川、南に手賀沼をのぞむ水と緑に恵まれた街です。市内には小学校13校、中学校6校の計19校あり、すべて単独自校方式で給食を実施しています。周辺には水田や田畑が多く存在し、学校給食ではすべて「我孫子産のコシヒカリ」を使用し、全校で月2回程度は「我孫子産野菜の日」を設けて、地元でとれた野菜を給食に使用しています。

2 我孫子市立並木小学校について

 本校は、昭和56年創立後、40年あまりにわたって地域に根ざした教育を行っており、現在は、児童数325名で通常学級12、特別支援学級4クラスの学校、「心やさしく かしこく たくましく」というスローガンとともに「21世紀を生き抜く並木っ子」という学校教育目標を掲げ、全教職員が一致団結して「生きる力」を備えた児童の育成に努めています。給食では、季節や行事等を考慮した献立を作成し、様々な場面で食に関する指導を行っています。今回は、それらの取組について紹介します。

3 「生きた教材」としての給食の活用

【4月】教職員向け研修会の実施および給食時間の約束の徹底

  • 食物アレルギーを有する児童への対応→エピペン実技など職員全体研修の実施(給食開始前4月初旬)
  • 「給食のやくそく」として食器やワゴンの準備や片付け方など周知徹底します。職員会議提案後、下図のように両面でカラー印刷とラミネート保護した上で各教室に配付します。図や写真を多く使っているので、異動してきた教員にとってもわかりやすく、準備や片付けの際に活用しています。

「給食のやくそく」紙面画像

「給食のやくそく」紙面画像2

【5月】食育体験学習 

  • 1年生「空豆」のさやむき体験学習・絵本「そらまめくんのベッド」の紹介
  • 2年生「グリンピース」のさやむき体験学→剥いた豆は給食室に子ども達が届けて、美味しく調理し、その日の給食で提供しています。

「空豆」のさやむき体験

「グリンピース」のさやむき体験

 

【5月】食育体験学習の様子

 

 

【6月】食育月間の取組 

  • PTA広報誌の取材協力「給食ができるまで」の原稿作成

「給食ができるまで」紙面画像

「給食ができるまで」紙面画像2

  • 6月の生活目標「食事のマナーを考えよう」給食委員会からの発表
    →動画制作&全校朝会ではTeamsを使った発表を行いました。(正しい食器の置き方と持ち方、片付け方 給食室の調理員に直撃インタビュー)

6月の生活目標「食事のマナーを考えよう」給食委員会からの発表の様子

6月の生活目標「食事のマナーを考えよう」給食委員会からの発表の様子2

6月の生活目標「食事のマナーを考えよう」給食委員会からの発表の様子3

 

【7月】食育体験学習

  • 3年生「とうもろこし」の皮むき体験学習
  • 4年生「えだまめ」のもぎ取り体験学習
    →農産物直売所より提供していただいた根付きの学習用サンプルを給食室前に提示し、放送などでも紹介しました。

「えだまめ」のもぎ取り体験

「とうもろこし」の皮むき体験学習

【9月】我孫子市HPに給食メニューのレシピを掲載

  • 9月21日に実施した「レバーとさつま芋の味噌がらめ」
    →旬のさつま芋を使ったレシピで、レバーを入れても残菜率1%と、レバーが苦手な子も食べやすい献立として紹介しました。

「レバーとさつま芋の味噌がらめ」

 

【10月】国語科授業への参画

  • 4年生の新聞作成のためのインタビューの協力
    →「我孫子産野菜には何がありますか」「給食室にはどんな機械がありますか」等の質問に回答。

【11月】千葉県食育月間の取組

  • 千産千消デーの実施、残菜ゼロ月間、リクエスト券配付
  • 4年生外国語活動「ピザを作ろう」での審査と給食での提供

4年生外国語活動「ピザを作ろう」

 

【12月】ラグビー「NECグリーンロケッツ」応援給食の実施
→我孫子市を本拠地とするラグビーチームの応援献立を市内の全小中学校で実施しました。

  • 6年生家庭科「1食分の献立を考えよう」
    →班でICTを活用した献立作成と発表。栄養士から献立へのアドバイスをした後、校長賞・栄養士賞などを発表しました。

6年生家庭科「1食分の献立を考えよう」1

6年生家庭科「1食分の献立を考えよう」2

 

6年生家庭科「1食分の献立を考えよう」3

6年生家庭科「1食分の献立を考えよう」4

【1月】学校給食週間献立等の実施
→千葉県その他各地の郷土料理を実施。リクエスト給食も実施開始(3月まで)

【2月】6年生家庭科「1食分の献立(応用編)~バイキング給食に向けて~」
→成長期に大切な栄養素である「鉄」と「カルシウム」や自分の適正な「栄養量」について学習し、5年生家庭科で行った「5大栄養素」についても復習をしました。
小学校生活最後の思い出として、バイキング給食は毎年恒例のイベントなので、事前授業で自分の食べるものを考えた6年生は皆楽しみにし、目を輝かせていました。

「5大栄養素」についての復習

1食分の献立(応用編)

【3月】6年生卒業バイキング給食の実施
 家庭科室にてクラス毎に別日に行い、校長や教頭とも楽しく会食しました。

6年生卒業バイキング給食の実施の様子1

6年生卒業バイキング給食の実施の様子2

【まとめ】食育の取組として、対象別にすると、以下の9つに分けられます。

児童 保護者
給食メモの作成・放送 ホームページの毎日の更新
給食時間のクラス訪問 献立表や食育便りでの啓発
食材を使った体験学習 学校広報誌等での啓発
給食室前掲示板の活用 -
家庭科等の授業への参画 -
給食委員会の児童達への活動支援 -

4 食育の取組の成果と課題

 これまでに示した様々な取組により、給食を「生きた教材」として活用することで、子ども達や保護者に向けた食育を継続的に実施してきました。また、給食時間の訪問をはじめ皮むきの体験学習、各教科への授業参画などにより、子ども達との距離感もさらに縮まったように思います。これらの年間を通した地道な取組が、成果として、並木小学校の残菜の少なさにも繋がっていると考えられます。(改行なしで)改めて、学校給食を担う栄養士は、給食室と子ども達を結ぶ架け橋となり、その役割は大きいと感じています。毎日の給食時間における学級訪問では、調理作業での苦労や惜しみない愛情を込めて給食を作っている調理員の様子を伝え、子ども達が感謝の気持ちを持つことができるよう、栄養士として取り組んでいます。また、空豆のさやむきやトウモロコシの皮むき等の体験学習後は、子ども達自身で食材を給食室へ運び、「美味しく作ってください。」と直接調理員に伝え、手渡すようにすることや、給食委員会の活動としては、調理員の顔や生の声を動画にして全校児童に届けるなど、子ども達が給食室をより身近に感じることができる大きなチャンスとしてとらえ取り組んでいます。
 今回、自身の食育活動をまとめるにあたっては、学習の中で扱った食材を給食の献立として実際に出すことや、子ども達が知らない給食室の中のこと、または調理員の思いをできる限り知らせることなど、栄養士にしかできないことを常に考えて仕事に励むことが大事だと、改めて強く認識することができました。
 今後の課題としては、さらに踏み込んだ内容についても挑戦し続け、様々な分野で食育の可能性を広げていきたいと思っています。また、子ども達に「美味しい」と喜んでもらえる給食づくりを第一に考え、子ども達の未来の健康を左右する重要な役割として、より良い食育を行っていけるよう、学校栄養士としての責任を自覚し、今後も引き続き職務を全うしていきたいと思います。

文責:我孫子市立並木小学校・学校栄養職員・新井早苗

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お問い合わせ

所属課室:教育振興部保健体育課給食班

電話番号:043-223-4095

ファックス番号:043-225-8419

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