審議会の結果(令和3年9月7日分概要)|千葉県地方港湾審議会
1.開催日時及び場所
日時:令和3年9月7日(火曜日)午前10時30分~午前11時50分
場所:ホテルプラザ菜の花 3階「菜の花」
2.委員の招集数、出席者数
(1)委員及び特別委員の現員数
委員:25名、特別委員:14名、合計39名
(2)出席者数
委員:20名、特別委員:5名、合計25名
3.議題
(1)議案第1号 会長の選出について
(2)議案第2号 部会の設置及び委員等の指名について
(ア)千葉港部会、木更津港部会及び地方港湾部会の委員の指名及び部会長の選任について
(イ)千葉港幹事部会、木更津港幹事部会及び地方港湾幹事部会の幹事の指名について
(3)名洗港港湾計画の改訂について
4.議決事項
議案第1号 会長の選出について
委員の互選により渡邉委員を会長に選出
渡邉会長から会長職務代理者に小和田委員を指名
議案第2号 部会の設置及び委員等の指名について
(ア)千葉港部会、木更津港部会及び地方港湾部会の委員の指名及び部会長の選任について
各港部会の委員(案)を原案のとおり承認
委員の互選により渡邉会長を各港部会長に選出
渡邉部会長から部会長職務代理者に小和田委員を指名
(イ)千葉港幹事部会、木更津港幹事部会及び地方港湾幹事部会の幹事の指名について
各幹事部会の幹事(案)を原案のとおり承認
4.主な質疑事項等
【議案第1号】会長の選出について
なし
【議案第2号】部会の設置及び委員等の指名について
なし
【議事3】名洗港港湾計画の改訂について
(議長)
- 名洗港を取り巻く状況としては、施設の老朽化により利用が低下する状況のなか、九十九里浜から銚子までの風況に恵まれる地域における洋上風力発電をターゲットに、国として重要な役割が期待されている。
- 一方で、施設の利用にあたっては、漂砂の堆積した土砂の浚渫や、老朽化した施設の補修が必要な状況にある。
- 洋上風力発電事業が開始することで、CTV(人員輸送船)が絶えず往来することになる。作業員等による利用の増加だけでなく、誘発的に観光需要が増加し、港としての活性化につながることが期待される。
(委員)
- 銚子市沖の洋上風力発電に期待している。政府の掲げるグリーン成長戦略においても、14分野の1番目に洋上風力発電が挙げられ、今後力を注いでいくことが予想される。
- 国交省の港湾分科会で議論があったが、洋上風力発電事業は環境面で重要視されているが、地域の雇用増加や産業活性化も合わせて重要と考えている。
- 銚子市沖の海域は遠浅で、洋上風力発電においては着床式が可能な好条件が整っていると認識している。
- 洋上風力発電が計画通り進む中で、たとえば、2万点以上ある部品が組み立てられていく過程の見学を取り入れるなど、風車がある港として地域にとってより身近な存在になっていくことを期待している。
(議長)
(委員)
- 利用が低下していた名洗港が再生可能エネルギーの拠点として利用されていくにあたり、新しい時代の港づくりができるかという観点で期待している。
- 名洗港の周辺はジオパークも含めて自然景観が豊かであり、銚子ならではの景観形成が行われている。洋上風車の建設により、港からの景観は大きく変わることが予想される。西日の当たるドラマティックな風景は、新たな観光資源となることが期待される。
- 銚子市沖洋上風力発電においては、地元である銚子市全体として風車建設の前向きに取り組んでいるため、積極的な推進を期待している。
- 港湾の景観計画においては、地域資源である海の景観に配慮した美しい港づくりが重要である。このため、緑地以外にも港湾全体で眺望地点を形成し、名洗港らしい美しい景観形成を期待している。
- 海岸沿いの遊歩道や養浜が整備されているエリアにおいては、海岸線も含めた多くの視点を有するため、港湾機能を活かした景観形成を行うことは地域の活性化の鍵になる。新たに整備する緑地と一体となった景観形成を考慮していく必要がある。
(議長)
- 同感である。現在の九十九里浜は雄大な景観である一方で、退屈と感じる人もいる。サーフィンの客は多く来訪しているものの、海を見に来るという客は少ない状況にある。風車の建設により未来志向の景観が形成されていくことが期待される。
(委員)
- 名洗港にはマリンリゾートを核として様々な変遷があった。昭和45年から昭和50年にかけては、火力発電所の誘致と重要港湾化という国策の事業が検討されたが、地元の理解が得られず中止された経緯がある。
- 現在は避難港として位置づけられているものの、地元としてどのようにポテンシャルを活かしていくか右往左往している状況にあった。
- 時間が経過して施設が老朽化し整備が大変な状況にあるが、カーボンニュートラルという国の大きな目標の中で、国策に沿う形で名洗港のポテンシャルを活かしていくことを期待している。
- 漁業との共生という観点では、日本一の洋上風力の拠点になり得る。漁業者からの理解と協力により事業が進められてきた。全国に先駆けて洋上風力に着手した銚子市沖の事業が進められているが、いすみ市沖が有望な区域として指定されると思われる。その先には、海匝地区、九十九里地区、さらには千葉県の太平洋沿岸がウィンドファームとしての大きな拠点となる可能性がある。それらの受け皿としての名洗港となるよう考慮して、港湾計画の検討してもらいたい。
(議長)
- 房総方向には安定的に使える港は館山港までは存在しない。九十九里からいすみ方向にウィンドファームが形成されていくことになった場合、名洗港の需要も今後検討していく必要がある。
(委員)
- 名洗港がCTVの拠点となる計画であるが、近隣に銚子漁港などの施設を有する既存の港があるなかで、施設が整備されていない名洗港を活用するメリットに疑問を感じた。我が国においては、世界の港と競争していくにあたり、各県で国際拠点を整備してきた。これにより、投資が分散され競争力を失う結果となった。今回のケースにおいても、20km圏内に漁港も含めて4港も存在するなかで、新たな整備が必要な名洗港に投資をしていくことに疑問を感じる。
- 将来的には、CTVはアンモニア、水素、LNG等の新たな燃料の供給に利用されることが予想されるなか、供給するための設備を名洗港に整備するよりは、鹿島港などの大きな港に整備したほうが競争力も高まる。
- 風力発電は環境対策で行われている事業である。一方で、港の整備などの新たな活動は新しい環境破壊につながる。世界的に見た場合、そのような行為がやり玉にあがる可能性があることから、新たな開発を進める場合には、適地を選定したうえで、集中的に投資を行うという観点が必要である。
(議長)
- 国の港湾政策に関わる意見については、国土交通省の参加者に宛てた意見として認識する。
- 洋上風力発電のメンテナンス要員は海事関係者ではないため、静穏な海域を最短でいくことが重要となる。このため、名洗港をメンテナンスの拠点にすることが作業効率・安全面の観点からも適切であり、国として優位な点を見出している。
- 新たな港湾開発ではなく、本来行う必要のあった老朽化した既存施設の改修の話に、洋上風力の話が重なったということを認識いただきたい。
(委員)
- 新たな利用に伴う施設改修や利用転換に向けては、それによる影響を精査したうえで検討していく必要がある。浚渫対策として防砂堤を整備した場合、外側に漂砂が堆積していく可能性もある。継続的に名洗港を利用するには、漁業関係者など名洗港の地元の方への影響にも配慮したうえで、計画を進めていく必要がある。
- 釣り等のレジャーが活発化した場合、プレジャーボートとのトラブルも増加しているため、陸上側での規制なども必要になる。洋上風力発電により地域が活性化することで、周辺地域にも間接的な影響が出てくることになるため、間接的な影響にも配慮しながら検討していく必要がある。
(議長)
- 銚子の沖合は厳しい海象条件にあり、CTV等の中小型船の航行が増加すると海難リスクが増えていく。
- 釣り客の増加は地域経済の活性化にはメリットがあるが、海側・陸側の安全が重要と考える。
5.配布資料
千葉県地方港湾審議会資料
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